I Solisti Venetiの名盤をレコードで聴く:ヴィヴァルディからコレッリまでの聴きどころとおすすめ盤
I Solisti Veneti — レコードで聴く価値のある名演を深掘り
イ・ソリスティ・ヴェネティ(I Solisti Veneti)は1959年にクラウディオ・シモーネ(Claudio Scimone)によって創設されたイタリアの室内管弦楽団です。バロックを中心にイタリア古典音楽の名曲から、発掘された小品・珍曲まで幅広く録音を残し、「明るく歌う」弦楽アンサンブルの典型として世界的な評価を得てきました。本稿では、レコード(LP/CD問わず)というフォーマットで楽しむ際に特におすすめできるアルバム群を、作品選びの視点や音楽的聴きどころを交えて詳しく紹介します。
I Solisti Veneti を聴くときの基本的な聴きどころ
「声」のように歌う弦のニュアンス:ソロと重奏の線が明瞭で、フレージングに歌心があるのが特徴です。特にヴィヴァルディやコレッリなどでその持ち味が際立ちます。
テンポと活気:クラウディオ・シモーネの指揮はリズム感と活力を重視する傾向があり、古典的な作品でも躍動感を感じさせます。
レパートリーの幅:ヴィヴァルディなどの有名曲に加えて、アルビノーニ、マルチェッロ、トレッリ、ロカテッリなどイタリア独自のバロック作品の名演が多く、聴き比べが楽しめます。
おすすめレコード(ジャンル別・代表盤と聴きどころ)
ヴィヴァルディ:『四季』ほか協奏曲集(Claudio Scimone 指揮)
解説:イ・ソリスティ・ヴェネティのヴィヴァルディ録音は枚数が多く、どれも歌とリズムの両面で魅力的です。『四季』は複数録音がありますが、シモーネの解釈はエネルギーと叙情が同居しており、ソリストの表情付けと合奏の一体感が楽しめます。ヴィヴァルディ入門にも最適。
聴きどころ:各楽章のテンポ選択、協奏曲独特のコントラスト(独奏と合奏の対比)、ヴィルトゥオーゾ的な技巧が曲に与えるドラマ性。
コレッリ:合奏協奏曲集(Concerti grossi Op.6)
解説:コレッリのコンチェルト・グロッソはイ・ソリスティ・ヴェネティの得意とするレパートリーで、均整の取れたアンサンブルと歌うフレーズが光ります。バロック的な品格とイタリア的な温度感が両立しています。
聴きどころ:合奏体とソロのバランス、ダイナミクスの自然な起伏、ダンス性のあるリズム感。
アルビノーニ/マルチェッロ/タレッリほか:イタリア・バロック小品集
解説:I Solisti Veneti はヴィヴァルディ以外のイタリアバロック作曲家の録音でも高い評価を受けています。中でもオーボエ協奏曲や弦楽の小品集は、知られざる名曲を味わうのに最適です。
聴きどころ:旋律の美しさ、ソロ楽器の歌いまわし、室内楽的な繊細さ。
ロマン派・近現代のイタリア作品(編曲や室内管弦楽作品)
解説:イ・ソリスティ・ヴェネティはバロック中心ながら、イタリア近現代作品の編曲や室内管弦楽作品もレパートリーに持ち、イタリア的な色彩感を古典以外でも表現します。いわゆる「聴き物」としての楽しさがあります。
聴きどころ:弦楽の色彩、旋律の歌わせ方、作品選択の妙。
アンソロジー/ベスト盤(編集盤)
解説:多数の録音をまとめた編集盤は、I Solisti Veneti の音楽性を短時間で俯瞰できるので入門に向きます。ただし編集・リマスターの品質に差があるため、音質や出典を確認して選ぶとよいでしょう。
聴きどころ:代表曲の比較、録音年代による解釈の違いを俯瞰する楽しみ。
音源を選ぶ際の視点(どの盤を買うか?)
録音年代で味わいが変わる:60〜80年代のアナログ録音は温かみがあり、演奏の「生々しさ」を感じやすいことが多い一方、90年代以降のデジタル録音は解像度が高く細部がよく聞こえます。どちらを好むかで選ぶ基準が変わります。
編集盤の注意点:ベスト盤や廉価盤は音源を寄せ集めているため、音質や演奏スタイルにばらつきがあることがあります。解説や録音年・ソリスト情報を確認しましょう。
指揮者・ソリスト表記を確認:クラウディオ・シモーネが指揮した録音は、I Solisti Veneti の「典型的な音」を最もよく表しています。ソリスト名が載っている場合はその人の演奏スタイルも参考に。
リマスター/再発情報:名曲集や全集の再発CDは最新のリマスターで聴きやすくなっていることが多いですが、オリジナルのアナログの雰囲気を好む方は初期盤を探す価値があります。
具体的な「おすすめ」リスト(購入や試聴の優先度)
まずはヴィヴァルディ集(代表録音) — I Solisti Veneti の名を広めた中心レパートリー。『四季』を含む協奏曲集を基点に、作品の多彩さを体感してください。
コレッリ:Concerti grossi Op.6 — 古典的な合奏協奏曲の手本として、アンサンブルの美しさを味わえる一枚。
イタリア・バロック小品集(アルビノーニ、マルチェッロ等) — 名曲だけでなく、珍しいレパートリーの発見に最適。
録音年代を変えて同曲を聴き比べる盤 — シモーネ率いる同一団体の異時期録音を比較すると、演奏スタイルや解釈の変遷が分かりやすいです。
聴きどころの細部(曲ごとに注目したいポイント)
ヴィヴァルディの協奏曲:独奏と合奏の対比が生むドラマ、カデンツァ的場面でのソリストの表情。
合奏協奏曲(コレッリ等):アンサンブルの均衡、対旋律の処理、序奏部分の色彩感。
オーボエやソロ楽器が入る協奏曲:ソロ楽器の「声」と伴奏の呼応、フレーズの切り方。
購入・試聴の現実的アドバイス
まずは配信・ストリーミングで試聴:気になる盤を見つけたら、配信で音質・解釈を確かめてからフィジカルで購入するのが効率的です。
中古市場の活用:モノによってはオリジナルのLPや初期CDが中古市場でお買い得になります。盤ごとの録音年と解説を確認してから購入しましょう。
解説(ライナーノート)を読む:I Solisti Veneti は録音によって解説が充実しているものが多いので、作曲史的背景や演奏方針が理解できると聴き方が深まります。
まとめ
イ・ソリスティ・ヴェネティは「イタリア的な歌」を基調に幅広いレパートリーを録音してきたアンサンブルです。まずはヴィヴァルディとコレッリを核に聴き、そこからアルビノーニやマルチェッロなどの小品集へと広げると、彼らの音楽世界の魅力を段階的に味わえます。録音年代や盤の編集によって雰囲気が変わるので、複数盤の聴き比べもおすすめです。
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参考文献
- I Solisti Veneti 公式サイト
- I Solisti Veneti — Wikipedia(日本語)
- Claudio Scimone — Wikipedia(英語)
- I Solisti Veneti — Discogs(ディスコグラフィ参照)
- I Solisti Veneti — AllMusic(解説・ディスコグラフィ)


