Killing Joke名盤完全ガイド:聴き方と盤の選び方を徹底解説(デビュー作から近年作まで)
はじめに — Killing Jokeとは何か
Killing Jokeは1979年にロンドンで結成されたポストパンク/ポストロック/インダストリアルの先駆的バンドです。鋭いリフと硬質なドラム、ジャズやレゲエ的なリズム感も取り込んだ独特のダークでアグレッシブな音像は、その後のニュー・ウェイヴ/インダストリアル/オルタナティヴ・ロックに大きな影響を与えました。本コラムでは「レコードで聴きたい」代表作・名盤を厳選して解説します。曲ごとの聴きどころ、アルバムの位置づけ、収集・購入時の盤の選び方(オリジナル盤/再発の違い)なども合わせて紹介します。
1. Killing Joke(デビュー・アルバム、一般に1980年作として知られるセルフタイトル)
概要:デビュー作はポストパンクの荒々しさと呪術的な緊張感が前面に出た作品で、後のバンド像を決定づけたアルバムです。ミニマルかつ反復的なギター・リフと迫力あるリズムが特徴。
- 聴きどころ:初期の冷たい攻撃性、暗喩的な歌詞。曲ごとのテンションの作り方、ギターとベースの絡みをレコードで味わうと良い。
- おすすめトラック:代表曲やシングル曲(編集盤などで馴染みのある曲が入っている場合あり)を中心に聴くとその衝撃が分かる。
- 盤の選び方:オリジナルの初期プレスは音圧やマスタリング感が当時らしい荒々しさを持つことが多い。リイシューはクリアで聴きやすいが、楽曲の「生々しさ」を求めるなら初期盤を探してみる価値あり。
2. What's THIS for...! / 初期〜成長期の流れを感じる作品群
概要:デビューの衝動の後、より構築的なアプローチやメロディの扱いが増した時期の作品群。バンドとしての表現レンジが広がり、後のヒット曲やよりポップな要素への布石が見えます。
- 聴きどころ:リズムワークの洗練、ヴォーカルの表現幅、アレンジの試行錯誤。
- おすすめトラック:シングルやアルバム曲の中で、ダイナミクスの効いたものを選び耳を傾けると変化が分かる。
- 盤の選び方:この時期は複数のリマスターやボーナストラック付再発が出ているので、オリジナル曲のシームレスな流れを重視するか、レア音源を重視するかで選ぶと良い。
3. Fire Dances(中期 — バンド性が高まった時期)
概要:よりダンサブルでありながらも暗さを保つ作品。バンドの演奏力とアンサンブルが際立ち、ライヴのエネルギーをそのまま閉じ込めたような生々しさがあります。
- 聴きどころ:曲ごとのリズム・グルーヴ、ギターのフレーズ回し、コーラスの入れ方。
- おすすめトラック:ダンス性の高いナンバーと、叙情的な中盤のナンバーを交互に聴いて変化を楽しむと良い。
- 盤の選び方:ライヴ感を重視するならオリジナルのマスターを、音質のクリアさを求めるならリマスター盤を検討。
4. Night Time(1985)— 商業的成功と名曲「Love Like Blood」
概要:Killing Jokeが国際的に広く注目を集めた時期の代表作。ポストパンクの暗さを持ちつつも、メロディアスでキャッチーな側面が強まった作品です。「Love Like Blood」など大ヒット曲を擁します。
- 聴きどころ:メロディーラインとポップ性、コンパクトにまとまった楽曲構成。シンセやプロダクションの拡充も顕著。
- おすすめトラック:「Love Like Blood」をはじめとしたシングル曲でバンドのポップな面を堪能した後、アルバム曲で全体の流れを見ると深みが増す。
- 盤の選び方:この時期はオリジナルLPのほか多数の再発がある。オリジナルは当時のミックス感、再発は音圧やイコライジングが異なるので、好みに応じて選ぶ。
5. Brighter Than a Thousand Suns(中期の実験と分岐)
概要:前作のヒットを受けつつも、より実験的/コンセプチュアルな要素を強めた作品。賛否の分かれるアルバムですが、バンドの挑戦的な一面を知るには重要です。
- 聴きどころ:一筋縄ではいかない曲構成とプロダクションの試み。アルバム単位で聴く価値がある。
- おすすめトラック:ポップ寄りの曲と実験曲を比較してバンドの幅を感じてほしい。
6. Pandemonium(1994)— 再評価された90年代の復活作
概要:1990年代に入ってからの重要作。ヘヴィでパーカッシヴなリズム、儀式性の高いギター・フレーズが戻り、古参ファン/新規リスナー双方から高評価を得ました。
- 聴きどころ:バンドの暗黒性と現代的なプロダクションの融合。重厚なリフと呪術的なムード。
- おすすめトラック:アルバム全体を通しての統一感が強いので、頭から終わりまで一気に聴くと良い。
- 盤の選び方:90年代はCD中心の時期ですが、ヴァイナル・リイシューもあるため、盤の状態やマスタリング表記をチェックして選ぶと良い。
7. Hosannas from the Basements of Hell(2006)— 現代への橋渡し
概要:2000年代の復活作の一枚で、アナログ的な暗さと厚みのあるサウンドが特徴。伝統的なKilling Jokeの要素を残しつつ、洗練された録音で迫ります。
- 聴きどころ:重厚なアンサンブル、深い低域表現、現代的なアレンジと古典的な悲壮感の同居。
- おすすめトラック:アルバムのダークな流れを感じられる曲群がおすすめ。近年作としては特に評価が高い。
8. Absolute Dissent(2010)とPylon(2015)— 近年作の到達点
概要:2010年代の二作は、往年のテーマと現代の録音技術を融合させた成果です。成熟した表現力、政治的・社会的な視座が色濃く反映されています。
- 聴きどころ:ヴォーカルの表現力、構築されたアレンジ、ベテランとしての余裕と緊張感の同居。
- おすすめトラック:それぞれのアルバムでコアとなる曲を中心に聴き、バンドの現在地を確認すると興味深い。
- 盤の選び方:現行盤は比較的入手しやすく、リマスター表記やボーナス音源の有無を参考に選んでください。
選ぶときの実用的アドバイス(購入観点)
- オリジナル盤の魅力:初期のプレスは当時のマスタリングと感触が独特で、熱量や粗さを味わえます。ただし価格は高め。
- リイシューの利点:音がクリアで聴きやすい場合が多く、ボーナス・トラックやライナーノーツが充実していることも。
- 盤の状態確認:ジャケット、インナー、歌詞カードの有無、マトリクス(刻印)などでヴィンテージの真贋や版を判断できます。コレクターズ・アイテムとしての価値も考慮に入れると良いでしょう。
- 曲順や収録差異:再発や地域盤で曲順や収録トラックが異なることがあるので、聴きたいバージョン(シングル・エディットやリミックスなど)がある場合は収録内容を事前に確認することをおすすめします。
最後に — どのアルバムから聴くべきか
入門としては「Night Time(Love Like Bloodを含む)」でバンドの魅力に触れつつ、初期の荒々しさを味わいたければデビュー作や初期アルバム群を。90年代以降の再覚醒を確かめたいなら「Pandemonium」や2000年代以降の作品群を順に聴いて、バンドの変遷をたどるのが最も楽しめる聴き方です。
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