Frankie Goes to Hollywood 完全ガイド:80年代ポップの名盤とおすすめレコード、コレクター必携の聴き方とリミックス解説
Frankie Goes to Hollywood — 概要
1980年代のUKポップ/ニューウェイヴを象徴するバンド、Frankie Goes to Hollywood(FGTH)は、挑発的な歌詞と派手なプロダクション、そして当時の社会的・政治的文脈を強く反映した演出で知られます。ホリー・ジョンソン(ボーカル)を中心とした5人編成で、ZTTレコードとプロデューサーのトレヴァー・ホーン(Trevor Horn)を得て、大ヒット曲と論争を同時に生み出しました。
おすすめレコード(必聴リスト)
Welcome to the Pleasuredome(デビュー・アルバム、1984)
代表作かつバンドの集大成とも言えるダブル・アルバム。シングル曲のスタジオ・バージョンに加え、壮大で実験的なプロダクションが各所に散りばめられています。ZTT/トレヴァー・ホーンのサウンド・メイクを体感できるため、アルバム単位での鑑賞を強くおすすめします。オリジナルLP(ゲートフォールド、インナー付)はコレクターにも人気です。
Relax(シングル:オリジナル7"/12"、1983)
バンドを一躍スターダムに押し上げた問題作。放送禁止騒動を招きつつもクラブ/チャート両面で大きな成功を収めた楽曲です。12インチのエクステンデッド・ミックス(クラブ向けの長尺ミックス)には、アルバムにはないプロダクション/編集の細かい仕掛けが多数含まれていて、サウンドの深みを楽しめます。
Two Tribes(シングル:1984)
冷戦下の緊張感を反映した歌詞と、迫力あるビートで人気を博したシングル。政治的メッセージをエンターテインメントとして昇華した一例で、プロダクション面でも非常に計算されたアレンジが施されています。複数あるシングル/12インチ・ミックスはそれぞれ聴き応えがあります。
The Power of Love(シングル:1984)
バンドのもう一つの顔を見せる壮麗なバラードで、商業的にも大きな成功を収めました(当時の年間チャートやクリスマス・シーズンでのヒットとして語られることが多い曲です)。シングル・エディットとアルバム・バージョンの違いに注目すると、アレンジの意図がよく分かります。
Liverpool(セカンド・アルバム、1986)
一作目の成功後にリリースされたセカンド。商業面では一作目ほどの衝撃はなかったものの、制作過程やサウンドの変化が見える興味深いアルバムです。ファンや収集家には“過渡期の作品”として評価されています。
コンピレーション・ベスト(編集盤)
オリジナル・アルバムだけでなく、編集盤やベスト盤はシングル・エディットやリミックスを整理して聴けるので入門用として便利。12インチ中心に集めるコレクターとは異なる楽しみ方ができます。
聴きどころ・楽曲解説(ポイント)
プロダクション:トレヴァー・ホーンを核にした重厚で層の厚いサウンド。打ち込みや生楽器の混ぜ方、リミックス志向の編集が非常に特徴的です。12インチで聴くとプロダクションの細部が分かりやすい。
テーマと演出:セクシュアリティ、メディア、冷戦といった当時の社会問題を、ポップかつ挑発的に表現。論争と商業的成功が同居する点がバンドの大きな魅力です。
ヴォーカル&キャラクター:ホリー・ジョンソンの伸びやかなボーカルと、ポップ/ドラマ性を強めるバッキング・ボーカルやコーラスワークが楽曲のセンターを成しています。
コレクターの観点で押さえておきたいポイント(購入チェック)
プレスの種類:オリジナルの英国プレス(ZTTの初期盤)は人気が高く、音質やアートワークの仕様が後年の再発と異なることが多いです。日本盤(帯付き)や限定ピクチャー・ディスク、プロモ盤もコレクターに人気。
12インチの価値:FGTHは12インチのリミックスや長尺バージョンが多く存在するため、12インチ単体に高いコレクタブル性があります。入手したい楽曲の“どのバージョン”が収録されているかを確認してください。
付属品/スリーヴ:インナースリーヴ、歌詞カード、ポスターなどの付属物が揃っているかで価格差が出ます。状態(ジャケット/盤の状態)も重要です。
リイシューの見分け方:近年はリマスター/再発が複数回行われています。リイシューは音質改善やボーナストラックが魅力ですが、オリジナルのアナログ・サウンドを重視するか、追加音源を重視するかで選択が分かれます。
聴き方の提案(リスニング順・楽しみ方)
まずはシングル群(Relax → Two Tribes → The Power of Love)を通して聴き、ヒット曲の“表情”を把握する。
次にWelcome to the Pleasuredomeを通しで聴いて、アルバムとしての構成や大掛かりな演出を味わう。
興味が湧いたら12インチやリミックス群を掘り、プロダクションの細部(エディット、ダブ処理、効果音)を確認する。コレクション派はオリジナル盤/各国盤の違いを比較するのも面白いです。
まとめ
Frankie Goes to Hollywoodは、80年代のポップ史における「物語性」と「プロダクション志向」の結晶です。代表的なシングルの強度、アルバムでの演出力、そして12インチやリミックス文化の豊かさ――これらすべてが彼らのレコード収集を面白くしています。まずは代表曲とデビュー・アルバムを押さえ、その後に12インチやレア盤を追いかけるのがおすすめです。
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参考文献
- Frankie Goes to Hollywood — Wikipedia
- Welcome to the Pleasuredome — Wikipedia
- Relax (song) — Wikipedia
- Two Tribes — Wikipedia
- The Power of Love (Frankie Goes to Hollywood song) — Wikipedia
- Frankie Goes to Hollywood — Discogs
- Frankie Goes to Hollywood — AllMusic
- ZTT Records — 公式サイト


