ジョン・バリーの映画音楽入門:おすすめ5枚と聴き方・特徴を徹底解説

イントロダクション — ジョン・バリー(John Barry)という作曲家

ジョン・バリー(John Barry、1933–2011)は、映画音楽の黄金期を担った英国の作曲家/指揮者です。重厚でメロディアス、かつ映画的なアレンジで知られ、特にジェームズ・ボンドシリーズのサウンドを形作ったことで広く認知されています。金管と弦を巧みに重ねた「大人の映画音楽」の美学を体現し、スパイものの緊張感や恋愛ドラマの哀感、広がりのある風景描写まで、ジャンルを超えた表現力を持っていました。

ジョン・バリー入門:まず聴くべき5枚(おすすめレコード)

1. Goldfinger (Original Motion Picture Soundtrack) — 1964

ジョン・バリーの名を世に知らしめた代表作の一つ。シャーリー・バッシーのヴォーカルで有名な主題歌「Goldfinger」をはじめ、ブラスの鋭さと弦のリリシズムが典型的に示されるサウンドトラックです。スパイ映画音楽の「豪華さ」と「緊張感」を同時に味わえる一枚。

  • 聴きどころ:タイトル曲のインパクト、間奏に見られる軍楽的リズムとシネマティックなストリングスの対比。
  • おすすめ理由:バリーの“ブラス使い”とアレンジ能力の高さを体感できる教科書的作品。

2. On Her Majesty’s Secret Service (Original Motion Picture Soundtrack) — 1969

ボンド作品の中でも異色かつ叙情的なスコア。ラヴテーマや、ルイ・アームストロングが歌う「We Have All the Time in the World」など、バリーのロマンティシズムが表に出た作品です。アクションと抒情が密に織り合わさり、一本の映画音楽としての完成度が高いのが特徴。

  • 聴きどころ:ラヴテーマのメロディライン、静と動のコントラスト。
  • おすすめ理由:バリーのメロディメーカーとしての側面を深く味わえる一枚。

3. Born Free (Original Motion Picture Soundtrack) — 1966

アフリカを舞台にした映画のテーマ曲「Born Free」を含むサウンドトラック。広大な風景を想起させるオーケストレーションと、しばしば使われる民族音楽的な色合いが特徴です。シンプルなメロディの力で情景を描写するバリーの表現力が光ります。

  • 聴きどころ:メインテーマの開放感と、映像と結びついた「風景描写」の音楽性。
  • おすすめ理由:映画音楽が持つ「場所感」を最もストレートに伝える作品の一つ。

4. Out of Africa (Original Motion Picture Soundtrack) — 1985

スケールの大きな弦楽と木管の色彩感で知られる、後期の代表作。抒情性が極めて高く、映画音楽としての叙事性・情緒性に優れています。現代の映画音楽にも通じる洗練されたハーモニーと言葉にならない郷愁を与えるスコアです。

  • 聴きどころ:広がる弦のアンサンブル、静かな間の使い方、主題の余韻。
  • おすすめ理由:バリーの成熟期の仕事を味わえる、映画音楽ファン必携の一枚。

5. Somewhere in Time (Original Motion Picture Soundtrack) — 1980

よりロマンティックでメランコリックな作風が表れる作品。ピアノと弦の繊細な交歓、時にシンセの質感を取り入れた近代的なタッチが印象的です。映画のテーマである「時間」と「恋」を音楽で体現する仕上がりになっています。

  • 聴きどころ:テーマの切なさ、ピアノのモチーフが織りなす情緒。
  • おすすめ理由:映画的かつ個人的な感情に寄り添うバリーの音楽性がよく出ている。

深掘り:ジョン・バリーの音楽的特徴と聴きどころ

ジョン・バリーの音楽を特徴づける要素はいくつかあります。

  • メロディ重視:耳に残る主題(テーマ)を中心に楽曲が組み立てられるため、映画の場面を思い出させる“フック”が強い。
  • 色彩豊かなオーケストレーション:特に弦とブラスの組合せで独特の温度感を出すのが得意。
  • 抒情と力感の振れ幅:静かなラヴテーマから緊迫したアクションまで、場面ごとの表情付けが的確。
  • フレーズの反復と変奏:同一主題の異なる提示でドラマを構築する手法が巧み。

これらを踏まえて聴くと、単なるBGMを超えた「映画音楽的ドラマ」が細部にまで行き届いていることが分かります。

コレクションの楽しみ方(音楽面での視点)

  • サウンドトラックとしての通し聴き:映画のストーリー構成を追うようにアルバム全体を通して聴くと、劇的な起伏やテーマの展開がよく分かります。
  • テーマ単位で聴き比べる:同じ主題が作品や演奏でどう変化するか(短いモチーフがどのようにアレンジされるか)を追うと、バリーの作曲技法が見えてきます。
  • 他作曲家との比較:例えばニーノ・ロータやエンニオ・モリコーネと並べて聴くと、それぞれの映画音楽の「国民性」やアプローチの違いが味わえます。

補足・注意点

ジョン・バリーは映画音楽を中心に膨大な作品を残しており、ここで挙げた5枚は「入門としてのおすすめ」です。マイナーな映画スコアにも名作が多く、気に入った作品のサウンドトラックのクレジットやコンピレーション盤を掘ることで、意外な名曲に出会えるはずです。

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