ロベルタ・ピーターズ（リリック・コロラトゥーラ・ソプラノ）の魅力と聴きどころ—スタジオ録音・メト放送録音・全曲盤までのおすすめレコードガイド
エバープレイ編集部はじめに — ロベルタ・ピーターズの魅力
ロベルタ・ピーターズ（Roberta Peters、1930–2017）は、20世紀中盤のアメリカを代表するリリック・コロラトゥーラ・ソプラノの一人です。若々しい音色、軽やかなアジリティ、舞台上での明るい存在感で知られ、メトロポリタン歌劇場での長期的な活躍やラジオ／テレビ露出を通じて幅広い人気を得ました。本稿では「レコード（アルバム）」という観点から、ピーターズの魅力を最もよく伝えるおすすめ盤をジャンル別に紹介し、それぞれの聴きどころや入手のヒントを解説します。
おすすめの聴きどころ別レコード一覧
1) スタジオ録音のリサイタル／コンピレーション
スタジオ録音は音質が安定しており、ピーターズの声の細部や表現の均整をじっくり味わえます。レーベルの編集によるコンピレーション盤は、代表的なアリアやアンサンブルを手早く聴けるので入門に最適です。
- 代表的コンピレーション盤（各種）
RCAや同様のレーベルから出ているベスト集や編集盤。短めの有名アリアや歌劇の場面抜粋を集めたものは、ピーターズの＜軽さと確かなテクニック＞が分かりやすく伝わります。まずはこうした入門的な編集盤で声質を把握するのがおすすめです。
2) メトロポリタン歌劇場のライヴ録音・放送収録
ピーターズはメトの舞台で長年主要役を務め、多くのラジオ放送やライブ録音が残っています。ライブならではの瞬発力、役柄のつくり込み、舞台上の相互作用が生き生きと伝わります。
- Mεt（メト）放送音源集
Susanna（『フィガロの結婚』）やZerlina（『ドン・ジョヴァンニ』）など、モーツァルトやベルカントのレパートリーでの仕事ぶりがよくわかります。ライブならではのアンサンブルの機微と、ピーターズの“場面作り”を味わってください。
3) オペラ全曲盤・抜粋盤でのハイライト
ピーターズが主要キャストとして参加した全曲盤、または抜粋盤は、役の持つドラマ性やアンサンブルでの立ち位置を把握するのに役立ちます。特にドニゼッティやロッシーニ、モーツァルト作品での軽快さと技巧が光ります。
- 役に注目した聴き方
Norina（ドニゼッティ）やAdina（ドニゼッティ／ドニゼッティ風役柄）といった明るいヒロイン役での「表現力＋音楽的機敏さ」を聴いてみてください。全曲を通して聴くと、台詞的な間の取り方や場面転換での歌手としての完成度の高さがわかります。
4) リサイタル／テレビ録画・映像集
ピーターズはテレビやコンサート映像にも多数出演しました。映像で観ることで、彼女の表現上の細やかなジェスチャーや舞台魅力が理解しやすくなります。
- 映像で見るメリット
声だけでなく演技や表情、言葉の語り方までも確認できるため、音楽的解釈をより立体的に把握できます。ライブ映像・TV出演集は、彼女の舞台人としての魅力を補完します。
レコード選びと聴き方のポイント（楽曲の選定に関するアドバイス）
- まずは代表的な「抜粋盤・ベスト盤」で声の質を確認する。
- その後、メトロポリタン歌劇場のライブ録音で役としての深みやアンサンブル感を確かめる。
- 最後に映画・テレビ映像やコンサート映像で舞台上の表現を確認すると、より立体的に彼女の芸を理解できる。
聴きどころの具体例（楽曲名ではなく“場面”での推奨）
- モーツァルト作品：軽やかな語りと語尾処理、アンサンブルでの明るい対話性を重視して聴く。
- ベルカント系（ドニゼッティ、ロッシーニなど）：コロラトゥーラの身のこなし、速めのパッセージでの正確さとニュアンスを確認。
- リサイタル曲：スタジオ録音での音色の均一性、息づかいとフレージングの細部に注目。
入手方法と注意点
ピーターズのスタジオ録音は旧盤の再発・編集盤が多く流通しています。中古レコード店やCDショップ、各種ストリーミング／ダウンロードサービス、オークション・マーケットプレイスを探すと良いでしょう。ライヴ放送録音は出所や音質がさまざまなので、解説や音質情報を確認してから購入することをおすすめします。
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参考文献
- Roberta Peters — Wikipedia
- Metropolitan Opera Archives — Roberta Peters（検索結果）
- Discogs — Roberta Peters（ディスコグラフィ検索）
- AllMusic — Roberta Peters（検索）
- ArkivMusic — Roberta Peters（検索）
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