Immortalを極める北欧ブラックメタル・アルバム選びと聴き方ガイド

Immortalとは — 北欧ブラックメタルの象徴

Immortalはノルウェー出身のブラックメタル・バンドで、1990年初頭の形成以降、凍てつくような美学と叙情性を兼ね備えた音楽で国際的な評価を得てきました。バンドの世界観は「Blashyrkh(ブラシルク)」と呼ばれる架空の北方世界を中心に展開され、極寒・孤高・戦闘的なイメージが楽曲やジャケット、ライヴ演出まで一貫して表現されています。

選び方の指針 — どのアルバムを買うべきか

  • 「初期の原始的な荒々しさ」を求めるなら初期3枚(Diabolical Fullmoon Mysticism / Pure Holocaust / Battles in the North)。
  • 「音質と楽曲の完成度」を重視するなら1999年以降の作品(At the Heart of Winter / Sons of Northern Darkness)。
  • コレクション性を重視するなら初回プレスや限定カラー盤、レーベル別の違い(Osmose、Nuclear Blast等)を確認。

おすすめレコード(詳細&聴きどころ)

Diabolical Fullmoon Mysticism(1992)

Immortalのデビューに当たる作品。デモ〜アルバム初期の過激で寒々しいサウンドが凝縮されています。原始的なアグレッシヴさと相まって、ブラックメタルの地下精神を体現する一枚。

  • 聴きどころ:荒削りなギターと荒涼とした雰囲気。後のImmortal像の萌芽を感じられる。
  • おすすめ盤:オリジナルや初期プレスは雰囲気重視派に人気。ただしリマスター再発は音の抜けが改善されている場合があるので好みで選ぶ。

Pure Holocaust(1993)

より攻撃的でテンポの速い楽曲が並ぶ、初期クラシックの代表作。DemonazのリフワークとAbbathsのヴォーカルが前面に出た、戦闘的かつ冷厳な箱庭世界を感じさせます。

  • 聴きどころ:「Pure Holocaust」などの高速ナンバーと暗澹たるメロディライン。
  • おすすめ盤:Osmose時代のオリジナル盤はコレクター価値が高い。リマスターは音像がクリアになる反面、原始的な粗さが薄まることがある。

Battles in the North(1995)

初期の集大成とも言える作品で、ブラックメタルらしい寒々とした空気が最大限に表現されています。曲のテンポ感、間合い、コールドなギター・トーンが特徴。

  • 聴きどころ:アルバム全体を貫く「北の戦い」的テーマと連続性。ブラックメタル史の重要作品。
  • おすすめ盤:オリジナルのリリースに忠実な音を好むなら初版、コレクション性なら限定盤を探すと良い。

At the Heart of Winter(1999)

サウンド面で大きな転換を迎えた一枚。よりクリーンかつ重厚なプロダクションになり、メロディックな要素とスケール感が増しています。Immortalの“叙情性”が本格的に表出した作品です。

  • 聴きどころ:従来の寒冷さを保ちつつ、より広がりあるサウンドと重心の低いリフ。ブラックメタルから派生した北欧的ヘヴィネスを体現。
  • おすすめ盤:Nuclear Blast移籍後のパッケージで音質が安定。リマスター/再発も複数あるため、音像の好みに合わせて選ぶと良い。

Sons of Northern Darkness(2002)

バンドの最高潮の一枚と評されることが多い作品。楽曲の強度、アレンジ、リフの質ともに高レベルでまとまっており、Immortalの代表作としておすすめ。

  • 聴きどころ:「One by One」など、メロディと破壊力が同居する楽曲群。
  • おすすめ盤:オリジナル盤のサウンドは完成度が高い。ボーナストラック付きの再発もあるのでコレクション目的で選択可。

Northern Chaos Gods(2018)

長期活動休止とメンバー変遷を経て発表された復活作。Demonazがギター兼ヴォーカルを務め、原点回帰と現代的音像のバランスを図った作品です。冷涼さと直線的な攻撃性が印象的。

  • 聴きどころ:原点回帰の武骨さと、成熟した楽曲構成。
  • おすすめ盤:近年のプレスは音圧・音像が安定しているため通常の再発盤でも満足度は高い。

その他注目作:Blizzard Beasts(1997) / Damned in Black(2000)

それぞれバンドの異なる側面を見せる作品。前者は極端にアグレッシヴな音作り、後者はAt the Heart of WinterとSons of Northern Darknessの橋渡し的な位置付けです。コレクションの幅を広げたいなら押さえておきたい。

プレス選びのコツ(音楽性・雰囲気重視の視点)

  • 原始的な「寒さ」や雰囲気を重視するなら初期のオリジナルプレスやリリース当時のミックスを狙う。
  • 楽曲のディテールや低域の厚みを重視するなら、後期のリマスターやNuclear Blast以降の再発盤が聴きやすい。
  • 限定カラー盤や初回特典はコレクター価値が高く、盤としての所有満足感が得られる(ただし音質は必ずしもオリジナルより良いとは限らない)。

聴く際のアプローチと楽しみ方

  • アルバム単位で通しで聴く:Immortalはアルバム全体で一つの世界観を作るタイプなので、冒頭から終曲まで通して聴くと深みが増します。
  • 時代ごとの変化を比較する:初期の原始的表現→中期のメロディとスケール感→後期の熟成、という流れを追うことでバンドの変貌と一貫性が見えてきます。
  • ジャケット・アートワークにも注目:Blashyrkh世界観は視覚面でも重要。アートワークと音が相互に補完しあっています。

まとめ

Immortalのレコードは、ただの音楽作品ではなく「北方の物語」を聴くためのアイテムです。初期の荒々しさを味わうもよし、中期以降の構築的なサウンドで浸るもよし。コレクター志向ならオリジナル盤や限定盤を狙い、音質重視ならリマスター/再発を選ぶ——目的に応じて最適な一枚を見つけてください。

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参考文献