The Sweetの70年代グラムロック名盤レコード完全ガイド—聴きどころとコレクター必携ポイント
The Sweet — 70年代グラムロックの立役者を再評価する
イギリス出身のロック・バンド、The Sweet(通称:Sweet)は、グラムロック〜ポップ寄りのシングル群で世界的ヒットを放ちながらも、コアなロック性や実験的な要素をアルバムに刻み込んだことで評価が分かれる存在です。本稿では「レコード(LP/シングル)コレクション」の観点から、聴く価値の高い盤を厳選して解説します。代表曲や制作背景、レコードとしての魅力(オリジナル盤や国内盤の特徴など)も合わせて紹介します。
彼らの音楽的特徴(簡潔に)
- 初期はNicky Chinn / Mike Chapmanによるプロデュースでキャッチーなポップ・グラム路線のヒットシングルを多数排出。
- 一方でバンド自身が書き始めたアルバム作品ではヘヴィでダークなロック性や、アレンジの実験性が強く出る。
- したがって「シングル集としての聴きやすさ」と「アルバム単位での深掘り」の両面でコレクター心をくすぐります。
代表シングル(まずは押さえておきたい曲)
- Little Willy — ポップでキャッチー、彼らを国際的に知らしめた曲。
- Block Buster! — 爆発的なロックンロール感のあるシングル。
- The Ballroom Blitz — ドラマチックな曲構成と鋭いギター・リフが魅力。ライブでも定番。
- Fox on the Run — 彼らの作曲力とポップセンスが高く評価された代表曲。
- Love Is Like Oxygen — 後期の洗練されたプロダクションと長尺アレンジが特徴の一曲。
おすすめレコード(選定基準:音楽性の重要度/入手価値/聴き応え)
Desolation Boulevard(1974)
おすすめポイント:
- バンドの二面性(シングルポップとアルバム志向のロック)の橋渡し的な傑作。多くのリスナーが「Sweetの本質」を感じ取れる一枚です。
- プロダクション面での丁寧さと、バンドの演奏力がしっかり刻まれているため、LPで聴くと楽曲の空間表現やダイナミクスが際立ちます。
- おすすめ盤:UK初版LP(オリジナル・プレス)や名義・ジャケット違いの輸入盤(米盤・欧州盤)などコレクターズ・アイテムが存在します。リマスターCDや再発LPも多いですが、オリジナルはやはり風合いが異なります。
Sweet Fanny Adams(1974)
おすすめポイント:
- よりハードで生々しいロック性を前面に出したアルバム。プロデューサーチーム色が薄れ、バンド自身の表現が強く出ています。
- 過度なポップ志向を嫌うロック・ファンにとっては「再発見」できる深い一枚で、アルバム単位での魅力が濃厚です。
- おすすめ盤:アナログの初期国内盤やUKプレスはサウンドの温度感が違うことが多く、アルバム志向の作品はLPでの購入を検討する価値があります。
Give Us a Wink(1976)
おすすめポイント:
- プロダクションがより洗練され、プログレッシブ/アートロック的なアプローチも垣間見える過渡期の作品。演奏・アレンジに手堅さがあるためアルバム全体の完成度が高いです。
- シングル志向だけではないスケール感が表れており、コアなファンに評価される作品群が並びます。
Level Headed(1978)
おすすめポイント:
- バンドのキャリア後期にあたる作品で、シンセやオーケストレーションを取り入れた洗練されたサウンドが目立ちます。代表曲「Love Is Like Oxygen」を収め、商業的にも成功しました。
- ポップとアート性のバランスが良く、時代の産物としてのプロダクションを楽しめる盤です。
ベスト/アンソロジー盤(入門用に最適)
おすすめポイント:
- 初めて聴く人やシングル中心で楽しみたい人には、良質なコンピレーション盤が手っ取り早い入門になります。ヒット曲がまとまっているため、The Sweetの軌跡を短時間で追えます。
- ただし、アルバム単位の魅力(特に「Sweet Fanny Adams」など)はコンピでは伝わりにくいので、興味が湧いたらオリジナル・アルバムへ手を伸ばすのがおすすめです。
レコード購入時の注目ポイント(盤自体の保守方法ではなく)
- プレスと初版表記:UK初版/米盤/欧州盤でマスタリングやトラック順が異なる場合があるので、好みの音質や収録内容を事前に確認するとよいです。
- ジャケット違い:Desolation Boulevardなどはエディションによってジャケット写真や曲順が違うことがあるため、コレクター視点での価値も変動します。
- ライナーノーツ・クレジット:バンドの作曲表記や制作クレジットの違いから、その作品がどの程度バンド主体かプロデューサー主導かを読み取れます。
- シングルのB面や未発表トラック:シングルのB面やEPにはアルバム未収録の良曲が眠っていることがあり、コレクション価値が高いです。
どの盤から聴くべきか(シチュエーション別の推奨)
- 「まずはヒットをまとめて」→ 良質なベスト/アンソロジー盤(最短でキャッチーな魅力を体験)
- 「バンドの本質を知りたい」→ Desolation Boulevard(アルバム単位の充実感)
- 「バンドの荒々しい面を楽しみたい」→ Sweet Fanny Adams(よりヘヴィで生のスピリット)
- 「後期の洗練を味わいたい」→ Level Headed(プロダクションの成熟度と長尺の曲を楽しめる)
コレクター向け小ネタ
- オリジナル・シングルの初回プレスは、当時のプロデューサー・チーム(Chinn & Chapman)時代の音作りの魅力が詰まっているため人気があります。
- 逆にアルバムの初版(特にUKプレス)は、バンドの生々しい演奏感やミキシングの違いが出ることが多く、アルバム派のコレクターはそちらを重視します。
最後に — The Sweetを聴き直す価値
The Sweetは「キャッチーなヒット曲」を持ちながら、アルバム作品にこそ真価があるタイプのバンドです。シングルで入口を作り、アルバムで奥行きを味わう――そのプロセスこそがThe Sweetコレクションの楽しみ方と言えるでしょう。LPの音像やジャケット、エディション違いを楽しみつつ、自分だけの“お気に入り盤”を見つけてください。
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