キャミソール完全ガイド|定義・素材別の選び方と季節別コーデ・お手入れのコツ
キャミソールとは:定義と語源
キャミソール(camisole)は、肩ひもで吊るされるノースリーブの上着・下着の総称です。語源はフランス語の「chemise(シミーズ)」に由来し、もともとは薄手のシャツや下着を指していました。歴史的には下着としての役割が主でしたが、20世紀後半からはアウターとしての着用も一般化し、素材やデザインの多様化が進みています(出典:Wikipedia、Britannica)。
歴史的背景(簡潔に)
19世紀から20世紀初頭にかけて、女性の下着類は機能性を重視する一方で素材や装飾にも変化が見られました。キャミソールは比較的薄手で軽やかな着心地から、暑い季節の下着やレイヤードのベースとして用いられてきました。1960〜90年代のファッションムーブメントにより、下着としてのキャミソールがそのまま外出着として使われる「ランジェリー・アズ・アウター(lingerie as outerwear)」の傾向が強まり、現代ではシルクやサテン、レースを前面に出したスタイリングも定着しています(参考:Britannica、各ファッション史解説)。
主な種類と素材
- 素材別
- コットン:通気性が良く肌触りが良い。普段使いに適する。
- シルク/サテン:光沢と滑らかさがあり、ドレッシー。温度調整機能があり高級感がある。
- レース:装飾性重視。透け感を活かしたレイヤードに向く。
- モダール/テンセル(リヨセル):柔らかく吸湿性に優れ、比較的サステナブルとされるセルロース系素材。
- ポリエステル・ナイロン:速乾性・耐久性があり、手頃な価格帯で多用される。
- デザイン別
- スリムフィット/タイト:ボディラインを出すタイプ。
- ルーズフィット:リラックスして着られるゆったり型。
- ブラ付き(ビルトインブラ):インナーとしてブラを兼用するタイプ。
- ロング丈/スリップ型:ワンピース感覚で着られる長めのタイプ。
スタイリング:インナーとして、アウターとしての使い分け
キャミソールはレイヤードの要(かなめ)となるアイテムです。用途別の基本的な組み合わせ例を紹介します。
- インナー:シャツやセーターの下に着て、透けや温度調整を防ぐ。薄手のコットンやモダールが向く。
- アウター/主役:ジャケットやカーディガンを合わせて前を開けるか、単体でボトムスにインしてドレッシーに見せる。シルクやサテン、レースのものが映える。
- オフィス:ジャケットと合わせる際は光沢の少ないマット素材やシンプルなVネックを選ぶ。露出が気になる場合はインナーにタンクトップを重ねるか、ストールをプラス。
- カジュアル:デニムやワイドパンツと合わせて、ストラップを見せるレイヤードや、シャツを肩掛けするスタイルが定番。
体型別の選び方(フィット感・シルエットのコツ)
- バストが大きい人:Vネックや広めのアンダーバストラインでバランスを取る。しっかりした素材かビルトインブラ付きを選ぶと安心。
- バストが小さい人:フリルやフリル付きレース、プリーツなど装飾でボリュームを演出。ハイウエストボトムと合わせるとスタイルアップ。
- 肩のラインが気になる人:幅広のストラップや落ち着いたネックラインを選び、肩の露出を抑える。
- お腹周りが気になる人:Aラインややや長めの丈を選ぶと体型カバーになる。
季節別の着こなしポイント
- 春・秋:薄手のカーディガンや軽いジャケットと重ね、色や素材でコントラストをつける。
- 夏:通気性の良いコットンやテンセル素材を選び、単体で軽やかに。日焼け対策や冷房対策に薄手のシャツを用意。
- 冬:ニットの下にタイトなキャミを重ね着して保温性を高める。シルク素材は薄くても保温効果があり、インナーとして優秀。
お手入れと長持ちさせるコツ
素材ごとに適切な手入れを行うことが重要です。一般的なポイントは以下の通りです。
- シルク/サテン:基本は手洗いまたは洗濯ネットで弱流洗い。中性洗剤を使用し、直射日光を避けて陰干し。乾燥機は避ける。
- コットン:色落ち対策として裏返して洗う。高温で縮むことがあるので表示タグを確認する。
- レース:引っかかりやすいのでネットに入れて優しく洗う。摩擦に注意。
- 合成繊維:速乾だが熱に弱いものがあるため低温で乾かすか陰干し推奨。
- 保存:ハンガーで長時間吊るすと肩紐が伸びる可能性があるため、形崩れが気になるものは折り畳んで収納するとよい。
サステナビリティと素材選び
近年、ファッション業界全体でサステナビリティへの関心が高まっています。キャミソール選びでも、オーガニックコットン、テンセル(リヨセル)、再生ポリエステル、リサイクル素材など環境負荷の少ない素材を選ぶことが推奨されます。生産背景(フェアトレードや労働環境)、染料や仕上げ工程での化学物質使用量もチェックポイントです(参考:Ellen MacArthur Foundation、Fashion Revolution)。
購入時のチェックリスト
- 素材表示と洗濯表示を確認する(手入れの手間や耐久性に影響)。
- 肩紐が調節可能か、縫製の強度(ほつれやすさ)をチェック。
- 試着して丈やバストラインのフィット感を確認。動いたときのずれや裾の上がり具合を見ておく。
- 用途(普段使い/特別な場/インナー)を明確にして素材とデザインを選ぶ。
- サステナビリティや生産背景についての情報開示があるブランドか確認する。
まとめ:キャミソールの魅力と選び方の要点
キャミソールは「シンプルであるがゆえに使い勝手が広い」アイテムです。素材やデザインによってインナーにもアウターにもなる汎用性が魅力。選ぶ際は素材感、フィット感、用途に応じたデザイン、そしてお手入れのしやすさやサステナビリティを総合的に判断することが重要です。適切にケアすれば長く愛用できるため、購入時には少し先のメンテナンスも見据えて選ぶと良いでしょう。
参考文献
- Camisole — Wikipedia
- Chemise — Encyclopaedia Britannica
- How to Wash Silk — The Spruce
- Woolmark — Fabric Care and Information
- A New Textiles Economy — Ellen MacArthur Foundation
- Fashion Revolution — Fashion Transparency & Sustainability


