Mario Bauzáおすすめレコードガイド — 名曲と名盤を深掘り
Mario Bauzáとは:簡潔なイントロダクション
Mario Bauzá(マリオ・バウサ、1911–1993)は、キューバ生まれのトランペット奏者/アレンジャー/バンドリーダーで、アメリカのジャズ界にアフロ=キューバンのリズムとハーモニーを持ち込んだ立役者の一人です。Machito(Frank Grillo)と共にMachito & His Afro-Cubansを率い、1940年代以降のラテン・ジャズ/アフロ・キューバン・ジャズの土台を築きました。本コラムでは、彼の音楽的意義を踏まえつつ、レコードの選び方と「聴くべきポイント」を深掘りしていきます。
押さえるべき音楽的ポイント(聴きどころ)
- リズムとハーモニーの融合:バウサはジャズのハーモニーやソロイストの感性を、キューバのクラベなどのリズム構造にうまく溶け込ませました。ソロとリズム隊の同時進行に注目してください。
- ホーン・アレンジ:5〜6管編成での呼応(コール&レスポンス)や、スパイシーなブラス・リフが特徴です。アンサンブルの切れ味を聴き分けると面白いです。
- 作曲/編曲のオリジナリティ:特に初期の作品ではバウサ自身によるオリジナル(例:"Tanga")が、ジャンルの基礎を作りました。メロディの構造とリズムの掛け合わせを意識して聴くと理解が深まります。
- ジャズとダンス音楽の両立:ダンス・バンドとしての機能を保ちつつ高度なジャズ表現を行う点が魅力です。躍動するリズムの上で展開するジャズ的即興に注目しましょう。
おすすめレコード(入門〜深掘り順)
以下は「入門」「名盤」「深掘り」の3段階での推薦です。盤名はオリジナルLP/シングルのタイトルと、入手しやすいコンピレーションや再発が混在しますが、それぞれの録音内容と聴きどころを明記しています。
入門:必ず押さえたい1曲
- "Tanga"(Mario Bauzá 作) — 1940年代に発表された、バウサ作曲の代表作。しばしば「アフロ=キューバン・ジャズの起点」と評される曲で、クラベを土台にしたリズムとジャズ的ソロ、力強いホーン・リフが同居します。まずこのトラックでバウサの音楽語法を体感してください。
名盤(Machito & His Afro-Cubans を中心に)
- Machito & His Afro-Cubans — Kenya(1958)編曲はChico O'Farrillが担当しているものの、バンドにおけるバウサの存在感は大きく、アンサンブルの完成度が高いアルバムです。オーケストレーションとラテン・リズムがモダンに融合した好盤で、ブラスの運用や大編成でのリズム管理を聴き取るのに最適です。
- Machito & His Afro-Cubans — 1940s〜50sのシングル集(各種コンピレーション)初期のシングル群にはバウサの重要トラックが多数含まれます。オリジナル45回転や近年のCD/デジタル再発コンピレーションで聴くと、当時のバンドのエネルギーとダンス・ナンバーとしての機能、ジャズ的なソロが生き生きと伝わってきます。
深掘り:バウサの仕事を追うなら
- Machito関連の全集・コンピレーション戦前〜1950年代の録音を集めた全集や編集盤を手に入れると、バウサの編曲的変遷やバンド内での役割、メンバーの入れ替わりとサウンドの変化を長期的に追えます。録音年代ごとの比較で、アフロ=キューバン表現の発展がよく分かります。
- バウサが関わった他アーティスト盤彼の編曲/アレンジャーとしての側面は、Machito以外のセッションや共演録音にも表れます。余裕があれば参加作のクレジットを追い、どのようにサウンドを調整しているかを聴き分けてみてください。
各レコードで「ここを聴け」— 具体的ポイント
- イントロ/テーマ・リフ:曲の冒頭に配置されるホーン・リフは、ダンス楽曲としてのフックであると同時に、編曲上のアイデンティティです。短いリフのバリエーションに注目。
- クラベ/パーカッションの配置:クラベのパターン(2-3/3-2)やコンガ、ボンゴの役割がアレンジ全体を決定づけます。ドラムスとパーカッションがどうジャズのビートと絡むかを追ってください。
- ソロ部分の構成:短めのジャズ・ソロが挿入される顧は、ダンスの流れを崩さずにジャズ表現を差し込む絶妙なバランスを示します。どの楽器がソロを任されるかにも注目しましょう。
聞き比べのすすめ
同一曲の別テイクや年代違いの録音を比べると、編曲の微細な変化、演奏テンポ、ソロの傾向が見えてきます。バウサは長年にわたって活動したため、初期のダンサブルな直球アプローチと、後年の洗練された大編成アレンジの差異を聴き分けると理解が深まります。
入手のヒント(盤の種類に関する一般的注意)
オリジナル盤(45回転シングルや初期LP)は歴史的価値が高いですが、入手が難しい場合は信頼できるレーベルによる編集盤やデジタル・リマスター盤で聴くのが効率的です。編集盤には解説(ライナーノーツ)に重要な背景情報が載っていることが多く、歴史的文脈を補完してくれます。
まとめ:なぜMario Bauzáを聴くべきか
Mario Bauzáは単に"ラテン音楽の奏者"ではなく、ジャズとキューバ音楽を橋渡しした革新的な音楽家です。代表曲や名盤を通じて、その編曲術、リズム感、ホーンの使い方を体感することで、現代のラテン・ジャズがどのように形成されたかをより深く理解できます。
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