Cambridge Audioの全貌:歴史・技術・主要製品ラインを徹底解説(ハイファイ入門から上級者まで)

はじめに — Cambridge Audioとは何か

Cambridge Audioは英国発のオーディオメーカーで、1968年に創業して以来“音質を最優先にする”姿勢を貫いてきました。ブランド名が示す通り創業地はケンブリッジ周辺ですが、現在はグローバルに展開し、プリメインアンプ、パワーアンプ、DAC、ネットワークプレーヤー、ワイヤレスイヤホンなど幅広い製品群を揃えています。製品は設計を英国で行い、量産は主にアジアで行われることが多いという、欧州設計×グローバル生産の典型的なビジネスモデルを採用しています。

歴史のハイライト

Cambridge Audioは1968年の創業以来、消費者向けハイファイ機器の分野で認知を高めてきました。1990年代に経営構造の変化や再編を経て、ブランドは存続しつつラインナップを刷新。近年ではデジタル音源やストリーミングの普及に合わせて、ネットワーク機能や高性能DACを搭載したモデルを多数投入しています。創業50周年にあたる2018年には、同社の新たなフラッグシップラインとなる『Edge』シリーズを発表し、技術的・意匠的に高い評価を受けました。

設計思想とサウンド哲学

Cambridge Audioの設計哲学は、スペック競争に走るのではなく“音が良いかどうか”を最優先する点にあります。具体的には以下のような指針が挙げられます。

  • 信号経路の単純化と短縮:余計な回路を排して信号の透明性を確保。
  • 電源部の重視:電源品質が音質に与える影響を重視し、適切なトランスやコンデンサーを採用。
  • ディスクリート設計の活用:オペアンプに頼らないディスクリート回路で音色のコントロールを行うモデルも多い。
  • コストパフォーマンスの追求:価格帯ごとに最良の音を実現するための妥協点を明確にする。

主要技術と特徴

ここではCambridge Audioが打ち出してきた代表的な技術・特徴を紹介します。

  • Class XD(独自アンプアーキテクチャ): Class ABの音質特性とClass Dの効率を両立させることを目標にした独自の出力段技術。クロスオーバー歪みを抑える工夫がされており、音楽的な滑らかさと高いダイナミクスを両立させる狙いがあります。
  • StreamMagic(ストリーミングプラットフォーム): 同社のネットワークプレーヤーや一部の製品に搭載されるストリーミング機能の総称。UPnP、TIDAL、Spotify Connect、AirPlayなど主要なストリーミングサービスとの互換性を持たせたモデルが多く、ネットワーク再生の利便性を提供します。
  • 高性能DAC回路: 専用のDACチップやアナログ出力段の最適化により、CDやハイレゾ音源の再生でクリアかつ自然な音を狙います。DacMagicシリーズなどは同社のDAC技術の象徴的存在です。
  • ワイヤレス技術への対応: Bluetooth(aptX/aptX HD/AAC対応のモデルあり)やTWSイヤフォン(Melomaniaシリーズ)など、モバイル時代の利便性にも配慮した製品展開を行っています。

代表的な製品ライン

Cambridge Audioは価格帯や用途別に複数のシリーズを展開しています。主要なラインを簡潔に整理します。

  • Azur / CXシリーズ: 入門〜中堅ユーザー向けのコストパフォーマンスに優れるライン。プリメインアンプ、CDプレーヤー、ネットワークプレーヤーなど幅広く揃います。
  • Edgeシリーズ: フラッグシップ志向のハイエンドライン。高品位部品、対称レイアウト、独自回路設計を採用し、より厳密な音再現を志向するユーザー向け。
  • DacMagic / DAC製品群: 手ごろな価格から上位のユニットまで、外部DACやUSB-DACとして高評価を得ているシリーズ。
  • Melomaniaシリーズ: 高音質を重視したTWS(完全ワイヤレス)イヤフォン。長時間再生と優れたバッテリー性能も特徴。
  • スピーカー&ワイヤレススピーカー: 様々なモデルがあるが、同社はアンプやソース機器を中心に強いブランドイメージを持つ。

サウンドの傾向 — どのような音が得られるか

Cambridge Audio製品のサウンドは、しばしば『自然でバランスが良く、過度な強調がない』と評されます。中域の表現に優れ、ボーカルやアコースティック楽器の再現に強みを持つモデルが多いです。Edgeのような上位機は、より高解像度で広い音場表現、低域のコントロール性の向上を実現します。低域の量感よりも質感を重視する設計傾向があり、スピーカーやルーム調整と組み合わせた際に真価を発揮します。

競合と市場での立ち位置

同価格帯ではMarantz、Yamaha、Denon、Naim、Regaなどがライバルとなります。Cambridge Audioは英国ブランドとしての音作りの一貫性と、コストパフォーマンスに優れた中価格帯製品での強さが特徴です。上位モデルではNaimやArcam、Devialetと競合することもありますが、Cambridgeは相対的に“実直で音楽的”なチューニングを維持しています。

購入時のチェックポイント

Cambridge Audio製品を選ぶ際の実用的なポイントを挙げます。

  • 用途を明確にする: ステレオ再生中心か、ホームシアターやマルチルーム中心かで最適なモデルが変わります。
  • 接続性を確認: ネットワーク/USB/Bluetooth/アナログ入力など、日常的に使うデバイスとの接続方式を確認しましょう。
  • スピーカーとの相性: アンプの出力やスピーカーの能率・インピーダンスを照らし合わせ、ペアリングを検討することが重要です。
  • ファームウェアとサポート: ネットワーク機能やストリーミングを使う場合、メーカーのファームウェア更新やサービス対応状況を確認してください。

運用とメンテナンスのコツ

長く良好な状態を維持するための基本は、設置環境とケアです。アンプやネットワークプレーヤーは放熱が必要なので通風性のある場所に設置し、電源まわりは安定したコンセントや電源タップを使うことを推奨します。ネットワーク再生機器は定期的なファームウェア更新で機能性・安定性が改善されることがあるため、メーカーサイトの案内をチェックしましょう。

中古市場・アップグレードの考え方

Cambridge Audioは中古市場でも流通が多く、コストパフォーマンスの高い中古買いが期待できます。特にCDプレーヤーやプリメインアンプはメンテナンス次第で長期間使える設計です。アップグレードする際は、電源ケーブルやインターコネクトを見直すだけでも音質変化が得られることがあるため、全体のバランスを考慮して段階的に改善するのが賢明です。

環境・サステナビリティへの取り組み

オーディオ機器業界全体で環境配慮が求められる中、Cambridge Audioも製品のパッケージングやエネルギー効率に配慮した設計を進めています。具体的な取り組みや目標数値は製品や発表によって異なるため、購入時に公式情報を確認することをおすすめします。

まとめ — 誰に向くブランドか

Cambridge Audioは「音楽性を重視しつつ、実用性とコストパフォーマンスを両立したい」ユーザーに向くブランドです。入門者から中級者、さらに上級者のサブシステムとしても有力な選択肢を提供しています。最新のストリーミング対応機能や高品質なDACを求めるリスナーにも魅力的なラインナップがあり、長期的に使える堅牢な設計も評価ポイントです。

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参考文献