チューブトップ完全ガイド:歴史・種類・着こなし・選び方からケアまで徹底解説
チューブトップとは何か:定義と特徴
チューブトップは肩ひもや襟ぐりの縁がない、胴体部分だけで胸を覆うトップスです。バンド状の布が胸と背中を包み込み、ゴムや裏地でフィット感を確保する構造が一般的です。ノースリーブで肩を出すデザインのため、夏のカジュアルスタイルやリゾートファッション、パーティールックなど幅広いシーンで使われます。
歴史とトレンドの変遷
チューブトップの原型は古代から見られるバンド状の布(バンドー)に遡ることができますが、現代的なファッションアイテムとしては1970年代のディスコ文化やセクシー志向の高まりとともに広く普及しました。1980〜90年代にかけても流行が続き、2000年代初頭(いわゆるY2K期)に再び注目を集めました。近年はサステナブル素材やストリート・ハイファッションの融合で再評価され、さまざまな形で復活しています(出典:Fashion History Timeline、Wikipedia)。
主な種類とデザインの違い
- ベーシック(ストレート)チューブ:一本のチューブ状でシンプル。カジュアルなコーディネートに合わせやすい。
- バンドゥ(bandeau):ブラの延長線上にあるようなデザインで、薄手の裏地やパッドが付くことがある。
- リブ/ニット素材:伸縮性が高くフィット感を重視したタイプ。体のラインに沿いやすい。
- クロップド丈:ウエストより上の短め丈。ハイウエストボトムと合わせることが多い。
- ギャザー/フリル付き:裾や上端に装飾があるフェミニンなデザイン。
- 長袖チューブトップ:オフショルダーやアーム部分が別に設けられたデザインで、露出度を調整できる。
素材と構造:快適さと機能性を左右するポイント
チューブトップの快適さは素材と内蔵構造に大きく依存します。伸縮性のあるスパンデックスやポリウレタン混紡はホールド感が良く動きやすい一方、コットンやリネン混紡は通気性に優れ肌触りが良いです。裾や上端に幅広のゴムやシリコンの滑り止めが付いているとずれにくく、安全に着用できます。パッド付きのものはバストラインを整えやすいですが、サイズ感を間違えると不自然になることがあるので試着が重要です。
正しいサイズ選びとフィッティングのコツ
チューブトップはジャストフィットが命です。選び方の基本は以下の通りです。
- バスト周り(アンダーバスト〜トップバスト)の寸法を計測する。メーカーのサイズ表と照らし合わせる。
- 腕を上げ下げしてもずれないかを確認。動いたときに上端が落ちてこないことが重要。
- パッドや裏地の有無でサイズ感が変わるため、着用感を店頭で確かめるか返品条件を確認する。
- 胸が大きめの人は幅広の裏地やサポート機能があるタイプ、胸が小さめの人はパッド付きやフリルでボリュームを出すタイプが向きます。
体型別の着こなしテクニック
チューブトップはシンプルだがゆえに体型を素直に見せます。以下を参考にバランスを取りましょう。
- 胸が小さい:パッド付きやボリュームのあるトップス、レースやフリルなど装飾のあるデザインで視覚的ボリュームを作る。
- 胸が大きい:幅の広いチューブや高い位置でフィットするタイプ、厚手の素材でサポート力があるものを選ぶ。肩紐なしは重さによるずれに注意。
- 肩幅が広い:アームホールが広めのデザインや、ボトムにボリューム(ワイドパンツやフレアスカート)を持たせてバランスを取る。
- 胴が短い/長い:クロップド丈をハイウエストボトムと合わせると脚長効果。逆にバランスが気になる場合は長めのチューブでウエストラインをカバー。
季節別・シーン別コーディネート例
チューブトップは夏だけでなく着回しが利きます。
- 夏(デイリー):デニムショート、サンダル、ラフィアハットでリゾート感を。薄手のシアーシャツを羽織れば日焼け対策にも。
- 春・秋(レイヤード):薄手のタートルやシャツの上に重ねるレイヤードでトレンド感を演出。長袖インナーと合わせると表情が変わる。
- 冬(パーティー):ロングスリーブジャケットやコートのインに取り入れ、アクセサリーで華やかさをプラス。
- フォーマル/オフィス:一般的に肩出しはオフィスでは避けられる傾向があるため、ジャケットやボレロで肩を隠すスタイルが望ましい。
小物・アクセサリーで差をつける
ネックレスやチョーカー、イヤリングで首元を飾るとチューブトップのシンプルさが際立ちます。ウエストベルトやハイウエストボトムを合わせるとメリハリが出てスタイルアップにつながります。バッグやサンダルの質感を揃えて統一感を出すのもおすすめです。
着用時の注意点とマナー
チューブトップは露出が多いため、TPOに注意が必要です。公共の場やフォーマルな場面では避けるか、ジャケットやカーディガンを羽織って肩をカバーするのが無難です。また、フィット感が甘いとずれやすく、肌ストレスや摩擦で肌荒れが起きる場合もあるため、素材や仕立てを確認してください。
洗濯とお手入れのポイント
チューブトップは素材によりケア方法が異なりますが、基本は以下を守ると長持ちします。
- 表示の洗濯表示を必ず確認する。
- 伸縮性素材はネット洗いのうえ、形を整えて陰干しする。乾燥機は縮みやゴムの劣化を招くため避ける。
- パッドやワイヤーが入っているものは型崩れ防止のため手洗いがおすすめ。
- シリコンの滑り止めが付いている場合、皮脂や洗剤の残りが滑り止めの性能を落とすので定期的にやさしく洗浄する。
買い物のコツとオンライン購入の注意点
オンラインで買う場合はサイズ表、素材表示、返品ポリシーを必ず確認してください。レビューで「ずれる」「ゴムが弱い」といった意見は参考になります。試着できる店舗があるならば、腕を大きく動かしても落ちないか、姿勢を変えても締めつけ感がないかを確かめましょう。
サステナビリティと素材選び
最近はオーガニックコットンやリサイクル素材を使ったチューブトップも増えています。合成繊維は耐久性がある反面、洗濯時のマイクロファイバー流出が環境問題となるため、長く使える高品質なものを選び、適切にケアして使い続けることが重要です。
まとめ:チューブトップの魅力と選び方の最終チェックリスト
チューブトップはシンプルながら表現力が高く、素材やデザインによってカジュアルからフォーマルまで使い分け可能です。選ぶ際はフィット感、素材、用途(普段着・パーティー・レイヤード用)を基準にし、試着やサイズ確認を丁寧に行ってください。長く着るためには適切な手入れとTPOに合った着こなしが欠かせません。
参考文献
- Tube top - Wikipedia
- Bandeau | Fashion History Timeline (The Fashion Institute of Technology)
- How to Wear a Tube Top - Harper's Bazaar


