Ultrasoneの全貌:S-Logicから製品群・評価・購入ガイドまで徹底解説

はじめに — Ultrasoneとは何か

Ultrasone(ウルトラゾーン)はドイツを拠点とするヘッドフォン/イヤホンのメーカーで、一般リスニングからプロフェッショナル用途まで幅広い製品を手がけています。特徴的なのは同社が提唱する独自の空間音響技術「S-Logic」や、着用時の快適性と長時間使用を意識した設計思想です。本稿では、歴史的背景、主要技術のメカニズム、代表的モデル群、長所短所、購入時の注意点、メンテナンスや比較ポイントまでを深掘りします。

沿革と企業イメージ(要点)

Ultrasoneは1990年代に創業され、ドイツの音響工学的伝統を背景に成長してきました。高価格帯のハイエンドモデルから手が届きやすいプロ向けラインまでを幅広く展開し、ヨーロッパを中心にオーディオ愛好家やスタジオエンジニアに支持を得ています。ブランドとしては“自然な立体感”や“耳への負担低減”を謳う製品開発を行ってきた点が特徴です。

S-Logic(空間化技術)の仕組みと狙い

  • 基本アイデア:ヘッドフォンのドライバーを耳の向きや角度に工夫して配置することで、スピーカーで聴くような広がり(音場)を再現しようというものです。
  • 物理的アプローチ:ドライバーの角度やイヤーカップの形状、パッドの素材などを組み合わせ、耳介や頭部による音の位相差・音響的効果を活かして、耳の真上だけでなく周辺からの音の入射を模倣します。
  • 効果:定位の曖昧さを減らし「スピーカーに近い開放的な音場」を目指すこと、また耳への直接的な圧が減ることで長時間リスニングの疲労を軽減することを主張しています。
  • バリエーション:S-Logicには製品や世代によるチューニング差があり、S-Logic、S-Logic Plus 等の表記でより自然な音場再現を追求した派生仕様が存在します。

このアプローチは従来のオン-アクシス(正面向き)設計とは異なり、空間表現を重視するリスナーやミックス時の参照用として好まれる点があります。

電磁波低減(LE/ULE)と健康主張に関する注意点

Ultrasoneは一部の製品で電磁放射(磁界)を低減する技術を打ち出してきました。製品説明やマーケティングでは耳元での電磁界曝露を抑えることを謳っていますが、この分野は学術的・規制的な基準が確立しており、健康影響に関する単純化した主張は慎重に評価する必要があります。実際のところ、ヘッドフォン由来の電磁波が健康に与える影響については国際的にも議論があり、メーカーの提示データと独立系の評価を照合することが重要です。

代表的な製品群と用途

Ultrasoneの製品ラインは大きく分けて以下のようになります:

  • ハイエンド・オーディオ(Edition/Signature等):高精度なドライバー、上質なハウジングやパッドを備え、リスニング用途やハイファイ市場をターゲットにしたモデル。
  • プロフェッショナル(PRO/Performanceシリーズ):モニタリングやスタジオ作業、DJ向けに設計された耐久性と遮音性を重視したモデル。
  • ポータブル/インイヤー:イヤホン系も展開しており、モバイル向けに小型化・チューニングされた製品がある。

例えばEditionシリーズは音場の広さと解像度を重視するオーディオファンに、PRO系は現場作業や長時間使用の快適性・実用性に重きを置くユーザーに向いています。

音質的特徴(聞こえ方の傾向)

一般にUltrasone製品は“音場の広さ”と“聴き疲れの少なさ”を売りにしているため、密閉型でも比較的外側に広がるような音像を感じやすい設計になっています。低域はしっかり出る傾向があり、ボーカルや中域の定位も強調されることが多いです。ただし、機種によっては高域の伸びや解像度の違いが顕著で、他ブランドの同価格帯製品と比べて性格が異なることがあります。

強みと弱み(客観的視点)

  • 強み:S-Logicによる広い音場感、装着感の良さ、用途に応じた多様なモデル群。
  • 弱み:同社の技術的主張(特に電磁波低減や健康関連)は独立評価が必要、モデルによる音質差や好みの分かれるチューニングがある点。

購入前のチェックポイント

  • まずは試聴を推奨:S-Logicの効果は人の頭部形状や好みによって感じ方が変わりやすい。
  • 用途を明確に:リスニング用かモニター用かで求める特性(フラットさ、音場、遮音性)が異なる。
  • ケーブルや端子の互換性:交換ケーブルや変換アダプタの有無を確認する。
  • ファームウェアやサポート:メーカー保証・修理窓口の情報は事前に確認しておくと安心。

メンテナンスと長持ちさせるコツ

  • イヤーパッドは消耗品。メーカー純正の交換パッドを用意しておくと音質・装着感を維持できる。
  • ケーブルは力がかかる部分から断線しやすいので、取り回しや保管に注意する。
  • 密閉型は湿気がこもりやすいので、使用後は乾燥させる。長期保管時はケースに入れると良い。

他ブランドとの比較(簡潔に)

Ultrasoneは音場の自然さに焦点を当てた独自性があり、SennheiserやBeyerdynamic、Audezeなど他の名門メーカーはそれぞれ“ニュートラルさ・解析力(モニター系)”“音の厚みや個性(ハイエンド)”など別のアプローチを取っています。どのブランドが良いかは「目的(モニタリングか楽しみか)」「音の好み(ドンシャリ寄りかフラットか)」「装着感の重要度」によって変わるので、比較試聴が重要です。

まとめ — Ultrasoneはどんな人に向くか

Ultrasoneは「広がりのある音場をヘッドフォンで体験したい」「長時間のリスニングで疲れにくい設計を重視する」ユーザーに適しています。一方、極めて中立的で基準の厳しいモニタリングを求めるユーザーは、試聴で自分のモニターワークに合うかを確認することをおすすめします。また、メーカーの技術・健康に関する主張に対しては第三者評価も参考にするとよいでしょう。

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参考文献