徹底解説:AirPods Proの設計・音質・ノイズキャンセリングを使いこなす方法と選び方ガイド
はじめに — AirPods Proとは何か
AirPods ProはAppleが2019年に初代モデルを発売して以来、ノイズキャンセリング(ANC)対応の完全ワイヤレスイヤホン市場で高い注目を集め続けている製品シリーズです。2022年に登場した第2世代(通称AirPods Pro 2)は新しいH2チップや強化されたANC、音質改善、バッテリー持続時間の向上などを特徴とし、モバイルオーディオ体験の利便性と性能のバランスを高めています。本コラムでは技術的な仕組み、実際の音質評価、使いこなしのコツ、他製品との比較、購入判断のポイントまで詳しく掘り下げます。
技術概要と世代の違い
AirPods Pro(第2世代)はApple製のH2チップを搭載し、音声処理・ノイズキャンセリング・電力管理が前世代より効率化されています。主な差分は以下の通りです。
- プロセッサ:H2チップによる処理能力向上(第1世代はH1)。
- ノイズキャンセリング:第2世代はANC性能が向上(Appleは前世代比で最大2倍近い改善を謳っています)。
- オーディオ:新設計の低歪みドライバとカスタムアンプにより、低域の再現性・ダイナミックレンジが改善。
- 操作性:ステム部の触覚的な操作に加え、第2世代ではステムを指でスワイプして音量調整が可能になりました。
- ケース機能:第2世代の充電ケースにはスピーカーとU1チップが組み込まれ、Find Myでの精密探索(Precision Finding)や、ケース単体のサウンドアラートが利用できます。
- バッテリー:第1世代がANCオンで約4.5時間、第2世代はANCオンで最大約6時間、ケース併用で合計再生時間も延びています(使用条件により差あり)。
ノイズキャンセリング(ANC)とTransparencyモード
AirPods Proが高く評価される最大の要素はANCです。内外に配置された複数のマイクと高度なアルゴリズムで外音を測定し、逆位相の音を生成して低減します。第2世代ではH2チップの高速処理を活かしたリアルタイム補正で、より広帯域かつ低周波域のノイズを抑えられるようになりました。
一方で周囲の音を自然に取り込むTransparencyモード(外音取り込み)も進化しています。第2世代には「Adaptive Transparency」と呼ばれる機能があり、交通安全に関わる大きな音(サイレンや工事音など)を瞬時に抑制することで、騒音の多い環境でも耳を守りつつ周囲の情報を得られるように設計されています。
音質の特徴と実用的評価
AirPods Proの音作りは「モバイルでの使いやすさ」を重視したバランス志向です。低域はしっかりと量感がありつつ過度にブーストされないため、ボーカルの明瞭性や中高域の解像感が保たれます。H2チップと新しいドライバの組合せにより、ダイナミクスと歪みの低減が図られており、ポップスやロック、ポッドキャストなど日常的なコンテンツでの満足度は高いです。
ただしハイエンド有線イヤホンや大口径ヘッドフォンと比べると、音場の広がり(特に超低域の重みや微細な残響表現)は差が出ます。空間オーディオ(Spatial Audio)は対応コンテンツで没入感を高めますが、あくまでヘッドトラッキングを伴う疑似的な立体音響であり、ソースと好みによって好みが分かれます。
装着感・フィットの重要性
カナル型イヤホンはイヤーチップの密閉度が音質とANCの効きに直結します。AirPods Proは複数サイズのシリコンイヤーチップを同梱し、iPhoneの「イヤーチップ装着状態テスト」機能で密閉性を確認できます。密閉が不十分だと低域の薄さやANCの効果低下につながるため、まずは最適なチップサイズを選ぶことが基本です。
バッテリーと充電関連
第2世代は1回の再生での持続時間が改善され、ケース併用で合計再生時間は大幅に伸びます。実運用ではノイズキャンセリングを常時オンで使うことが多いため、使用時間は公称値より短くなることが一般的です。充電ケースはMagSafeワイヤレス充電やQi充電に対応しており、外出時の利便性が高い点も見逃せません。
接続性とエコシステム統合
AirPods ProはApple製デバイスとの連携が最も強力な点です。自動デバイス切替、iCloudを介した設定共有、Siriによるハンズフリー操作、iOSの空間オーディオ設定などIOSとの連携で機能を最大限に生かせます。Find Myネットワーク対応により、紛失時の追跡も比較的容易です。なお、音声コーデックは主にAACを利用するため、一部のAndroid端末や高解像度Bluetoothコーデック(aptX/LDAC)をフル活用したいユーザーは注意が必要です。
実戦的な使いこなしのコツ
- イヤーチップフィットテストを必ず実施し、密閉を最適化する。
- 電車や飛行機ではANCを、街中ではAdaptive Transparencyを活用して安全性を確保する。
- 音量調整や曲送りはステム操作・Siri・iOSのウィジェットを組み合わせて省エネ運用を心がける。
- バッテリー長持ちテク:使用しないときはケースに戻す、低電力モードの活用やノイズキャンセリングを必要時のみオンにする。
他機種との比較(簡潔に)
完全ワイヤレスのANC領域では、SonyやBoseが強力な競合です。Sony WF-1000XM4はANC性能や音質のカスタマイズ自由度で高評価、Bose QuietComfort Earbuds IIはANCの自然さと快適性で評価されます。一方、AirPods ProはApple製品とのシームレスな連携、空間オーディオやiCloud連携といったエコシステム面で優位です。音質やANCの好み、使用デバイスの傾向で選ぶのが合理的です。
購入を検討する際のチェックポイント
- 主にApple製デバイスを使っているか(自動切替や空間オーディオを重視するなら有利)。
- 外音コントロール(ANC/Transparency)を日常的にどう使うか。
- 音質の好みは低域寄りか解像度重視か。高解像度コーデックが必要かどうか。
- フィット感・長時間装着の快適性を実店舗で試聴すること。
注意点とよくある誤解
よくある誤解として「完全に無音になる」ことを期待する人がいますが、ANCは大きな低周波ノイズを効果的に低減する一方で、人の声や高周波の雑音は完全には消えません。また、Bluetoothの帯域やコーデックの制約上、ハイレゾ級の可逆音源をワイヤレスで完全再現することは現行仕様では難しい点も押さえておきましょう。
まとめ — 誰に向いているか
AirPods Pro(特に第2世代)は、iPhoneやMacを中心に日常的にAppleエコシステムを利用するユーザー、通勤や出張でのノイズ低減を重視する人、操作性と利便性を最優先する人に強く推奨できます。一方で、音質の最終的なこだわりや高解像度コーデックの必要性が高いオーディオマニアは、他のハイエンドモデルと試聴比較する価値があります。
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参考文献
- Apple — AirPods Pro(公式ページ)
- Apple Newsroom — Apple introduces AirPods Pro (2nd generation)
- Wikipedia — AirPods Pro(日本語)
- Rtings — Apple AirPods Pro 2 review
- SoundGuys — AirPods Pro 2 Review


