Samsung Galaxy Buds Pro徹底レビュー:音質・ANC・日常使いの最適解を深掘り

概要

Samsung Galaxy Buds Pro(以下 Buds Pro)は、2021年初頭に発表された同社のフラッグシップ完全ワイヤレスイヤホンです。コンパクトな筐体に2ウェイドライバー構成、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、防水性能、そしてSamsungエコシステムとの深い連携を詰め込んだモデルとして登場しました。本コラムでは、音質、ANC、通話性能、装着感、バッテリー持ち、ソフトウェア機能、他機種との比較、実践的な使い方まで徹底的に深掘りします。

設計とフィジカル特徴

Buds Proは光沢を抑えた丸みのあるデザインで、イヤホン自体は比較的小型ながら安定したホールド感を狙った形状です。外側のタッチセンサーで再生/停止やANC切替、通話応答などが可能。ケースはコンパクトでポケット収まりが良く、Qiワイヤレス充電やSamsung端末による逆充電(Wireless PowerShare)に対応します。公称の防水等級はIPX7で、日常の雨や汗はもちろん短時間の水没にも耐える設計です。

音質(ドライバとチューニング)

ハードウェア面では低音域を担う大型ウーファーと高域を補うトゥイーターを組み合わせた“2ウェイ”構成を採用しており、量感ある低域とクリアな高域を両立しています。デフォルトのチューニングはやや低域寄りで、ポップやEDMなどでは迫力ある再現が得られますが、クラシックやアコースティックでは中域の繊細さを引き出すためにEQ調整が有効です。

  • 低域:量感がありパンチが効く。ベースやキックの存在感が強め。
  • 中域:ボーカルは概ね前に出るが、極端な細やかさはハイエンド機に一歩譲る。
  • 高域:解像感は良好だが、長時間のリスニングでやや細かな刺さりを感じる場合もある。

Galaxy Wearableアプリ(Android向け)ではEQプリセットや手動調整が可能で、用途や好みに合わせた細かなチューニングが行えます。また、Samsungのスケーラブルコーデック利用時は同社端末と組み合わせたときに安定した高品質伝送が可能です(iPhoneではAACなど)。

ノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み

Buds ProのANCは総合性能が高く、特に低域のエンジン音や列車の低周波ノイズの削減に効果を発揮します。ANCの効きはステージングを狭めず音楽を聴きやすく保つ設計で、完全遮音ではなく自然さを残すタイプと言えます。独自の“音声検知(Voice Detect)”機能により、会話を始めると自動で外音取り込みへ切り替わるため、移動中に会話する際の利便性が高いです。

外音取り込み(アンビエントモード)は複数モードから選べ、周囲の音を自然に取り込めるため、屋外での安全性や案内放送の聞き取りなどに役立ちます。ただし、非常に騒がしい環境では完全に周囲音を取り込むわけではないため、必要に応じてANCをオフにするか音量を下げることを推奨します。

通話品質

通話マイク構成は複数の外向きマイクと内蔵マイクを組み合わせた設計で、風切り音低減や周囲雑音の抑制に配慮されています。実使用では屋外の街中でも相手に声が比較的クリアに伝わることが多く、通話用途としても十分実用的です。ただし極端な強風下や混雑した場所ではノイズが残ることもあります。

バッテリーと充電

公式公称値では、ANCオン時はイヤホン単体での再生持続時間が約5時間、ANCオフ時は約8時間とされています(使用条件により変動)。ケースを併用するとトータル再生時間が増加し、短時間の充電で数時間の再生が可能な急速充電にも対応します。ワイヤレス充電やスマートフォンからの逆充電が使える点は、外出時の利便性として大きな利点です。

ソフトウェアとエコシステム連携

Galaxy Wearableアプリを通じて各種設定やファームウェア更新を行えます。Samsung端末との組み合わせでは「自動デバイス切替(Auto Switch)」や「360 Audio(Dolby Head Tracking)」など、同社独自機能を利用でき、マルチデバイス環境での使い勝手が良いのが特徴です。一方で、これらの一部機能はSamsung製デバイス限定だったり、iOSでは機能制限がある点は留意が必要です。

装着感と長時間使用

イヤホンは比較的小さく軽量で、イヤーチップの選定によって良好な密閉性と安定性を得られます。長時間装着しても耳が疲れにくい傾向がありますが、耳の形状によっては密着感が強く感じられることもあります。IPX7の防水性能により、汗をかくトレーニング用途にも使いやすいモデルです。

他機種との比較(同価格帯の代表モデル)

  • Sony WF-1000XM3/4:ソニーはANC性能と音質の総合力で高評価。Buds Proはより小型でSamsung端末との連携に優れる。
  • Jabra Elite 75t/85t:通話品質やフィット感で強み。カスタマイズ性に優れるが、Buds Proは防水性能と2ウェイドライバーの音響設計で差別化。
  • Apple AirPods Pro:iPhoneとのシームレスな連携と空間オーディオが強み。Buds Proは高い防水性能や音の厚みで対抗。

実用的な使い方と調整のコツ

  • 音楽のジャンル別EQ:低域寄りの初期設定が気になる場合は中域を若干上げ、低域を抑えるとボーカルの明瞭度が向上します。
  • 通勤・通学でのANC運用:電車やバスではANCをオンにして低域ノイズを抑えつつ、駅アナウンスが聞こえるか気になる場合は低めの外音取り込み設定に切替。
  • 通話時:風が強い屋外ではマイク性能を補うために顔を風から守る、あるいは風防効果のあるマスク等を利用すると改善されます。

総評 — こんな人に向くか

Galaxy Buds Proは、音質のバランスとANC、Samsungデバイスとの連携を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢です。防水性能やコンパクトな筐体も日常使いでの安心感を高めます。一方で、音の解像感やANCの最終的な密閉性を最重要視するオーディオマニアは、より高価格帯の専用機に魅力を感じるかもしれません。総合的にはバランスが良く、幅広い用途で高い実用性を発揮するイヤホンと言えます。

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参考文献