Jabra Elite 85t 徹底レビュー:音質・ANC・通話性能を深掘り
Jabra Elite 85t 概要
Jabra Elite 85tは2020年に発売された同社のフラグシップ級完全ワイヤレスイヤホンで、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載し、通話性能や装着性、バッテリー持続時間のバランスを重視したモデルです。12mm径のスピーカードライバー、Bluetooth 5.1、SBC/AACコーデック対応、調整可能なANCとHearThrough(外音取り込み)機能、Jabra Sound+アプリによるイコライザーやファームウェア更新での機能追加といった特徴を持ちます。以下で各要素を詳細に分解して解説します。
デザインと装着感
Elite 85tはやや大ぶりなカナル型イヤホンで、「半開放(semi-open)」と表現される設計を採用しています。これは耳の閉塞感(いわゆる耳がふさがれた感じ)を軽減し、長時間装着時の快適さを高めるための設計で、フィット感は個人差があるものの多くのユーザーにとって安定しています。付属の複数サイズのイヤーチップでシール感を調整でき、遮音性と低音のバランスを取りやすくなっています。
- ボタン式の物理コントロールを採用しており、誤操作が少ない反面、タッチ操作と比べて操作感が硬く感じる場合があります。
- IP等級は防汗・防滴(IPX4相当)で、運動時や突然の雨でも使用しやすい設計です(使用環境によるため完全防水ではありません)。
- ケースは比較的コンパクトながらワイヤレス充電(Qi)にも対応し、日常的な携行性は高いです。
音質:ドライバーとチューニングの特徴
ドライバーは一般的に12mmクラスが採用されており、物理的な低域表現に余裕があります。Jabraのチューニングはやや低域寄りだが中高域の解像感も維持しており、ポップスやロック、ヒップホップなど幅広いジャンルで安定して聴けます。Jabra Sound+アプリでイコライザーを調整できるため、フラットなモニター志向から低音強化まで好みに合わせて設定可能です。
細かな音場や極めて微小なディテール表現では、より上位または別方向にチューニングされたライバル機(例:Sony WF-1000XMシリーズやSennheiserのハイエンド機)に一歩譲る場面もありますが、実用上は非常にバランスの良い音作りです。ゲイン感やリズムのノリは良好で、ボーカルの前に出る中域の処理も自然です。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)とHearThrough
Elite 85tは可変のANCを搭載しており、Jabra Sound+アプリからANCの強度やHearThrough(外音取り込み)のレベルを細かく設定できます。ANCの効きは低域強めの環境音(列車やエンジン音など)に対して効果的で、日常の通勤・通学やカフェ環境でのノイズ低減能力は高いです。一方で、ANCの比較では最上位機種に及ばない場面(非常に高い周波数帯や不規則な衝撃音の除去)もあるため、絶対的な静寂を求めるユーザーは他社ハイエンドと比較検討が必要です。
HearThroughは透明性を保ちながら外音を自然に取り込めるため、駅アナウンスや会話の聴き取りが容易になります。交通機関利用時や外出先での安全確保に有用です。
通話品質とマイク機能
通話面ではJabraが長年培ってきたマイク技術が活かされています。複数のマイクを組み合わせたアルゴリズムにより、話者の声を優先して拾い、風切り音や周囲のノイズを抑える設計です。屋外や風の強い環境でも比較的クリアに通話できることが多く、ビジネス用途でも安心して使えるレベルです。
注意点として、極端に強い風や非常に騒がしい環境ではマイクの補正にも限界があるため、その場合はマイクの位置や向きの工夫、あるいは場所を選ぶことが重要です。
バッテリー持続時間と充電
バッテリー性能は実用的で、ANCオン時でイヤホン単体が約5.5時間、ANCオフ時は最大7時間前後の再生が可能とされています(使用状況・音量によって差があります)。ケース併用での総再生時間はANCオンで約25時間、ANCオフで30時間超となるケースが一般的な公称値です。また、クイックチャージに対応し、短時間の充電で数十〜60分程度の再生が可能なため、外出前の短時間充電で補える利便性があります。
ワイヤレス充電(Qi)にも対応しており、対応する充電パッドを用いればケーブルを使わず充電できる点も日常での扱いやすさにつながります。
接続性と機能拡張(アプリとファームウェア)
Bluetoothバージョンは5.1を採用するケースが多く、安定した接続性と低遅延を両立します。公式アプリ「Jabra Sound+」を通じてイコライザー、ANCやHearThroughの調整、サウンドプリセット、ボタンの割当変更、ソフトウェア更新などが可能です。発売後にファームウェアで機能追加(例:マルチポイント対応など)が行われることがあり、購入後も改善される可能性がある点は歓迎できます。
ライバル機との比較
主要ライバルにはSonyやApple(AirPods Pro)、Boseなどが挙げられます。一般的な評価ポイントは以下です。
- Sony WF-1000XMシリーズ:ANC性能や音場の精細さではSonyが上回るケースが多いが、価格や装着感でElite 85tが優れる点もある。
- Apple AirPods Pro:iPhoneユーザーとの連携や空間オーディオなどエコシステム面で有利。一方、装着安定性やバッテリー持続で好みが分かれる。
- Bose QuietComfort Earbuds:ANCの効きや音の解像力で競合。好みによってはBoseの方がノイズキャンセルの質で評価されることもある。
結論として、Elite 85tは「音質・通話・装着性・機能のバランス」を重視するユーザーに非常に向いており、純粋なANC最強や音の最終チューニングを追求する上位モデルとは棲み分けができます。
使いこなしと設定のコツ
- イヤーチップのサイズをしっかり選ぶ:低域の密度とANCの効きが大きく変わるため複数サイズを試す。
- Jabra Sound+でプロファイルを作る:イコライザーで自分の好みの音に寄せる。ポッドキャストや通話中心なら中高域を強めに、音楽なら低域を重視するなど。
- 最新のファームウェアを適用する:接続性やマルチポイントなどの改善が行われる場合があるため、定期的にアプリで確認する。
- 外音取り込み(HearThrough)は場面に応じて使い分ける:歩行中や会話時はオン、集中して音楽を聴くときはANCオンで。
総評:誰に向いているか
Jabra Elite 85tは、音質と通話品質の両立、実用的なANCと長時間のバッテリー、日常で使いやすい耐候性を求めるユーザーに向いています。ビジネスでの通話利用が多い人や、通勤・通学で快適に音楽を聴きたい人、またアプリで細かく音作りしたいオーディオ愛好家にもおすすめできる1台です。一方、ANCの最高性能や音の最終的な解像度だけを追求する場合は、ライバルの上位モデルと比較検討してください。
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参考文献
- Jabra 公式サイト(製品ページやサポート情報)
- Rtings - Jabra Elite 85t Review
- The Verge(製品レビュー記事)
- TechRadar - Jabra Elite 85t Review
- SoundGuys - Jabra Elite 85t Review


