Samsung Galaxy Buds2徹底レビュー:音質・ANC・使い勝手を深掘り

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導入:Galaxy Buds2とは何か

Samsung Galaxy Buds2(以下、Buds2)は、2021年夏に発表された同社のコンパクトな完全ワイヤレスイヤホンです。フラグシップのGalaxy Buds Proの下位に位置づけられるモデルでありながら、アクティブノイズキャンセリング(ANC)や外音取り込み、快適な装着感、そしてバランスの取れた音質を兼ね備え、コストパフォーマンスの高い選択肢として多くのユーザーに支持されました。本コラムでは、設計思想から実際の音の傾向、ANCや通話性能、バッテリー持ち、アプリ体験、競合機との比較までを深掘りして解説します。

主な特徴と公式スペック(要約)

  • 発表・発売:2021年(夏)に発表・発売。
  • 接続規格:Bluetooth 5.2に対応(機器やファームウェアにより挙動は変わる場合があります)。
  • ノイズ対策:アクティブノイズキャンセリング(ANC)搭載、外音取り込みモードあり。
  • マイク構成:通話用の複数マイクを搭載し、一般的に屋外での音声収集を改善。
  • コーデック:SBC、AAC、Samsung独自のScalable Codecに対応(対応は接続機器に依存)。
  • バッテリー(公式値):ANCオンでイヤホン単体約5時間、ANCオフで約7.5時間。充電ケース併用で合計約20時間(ANCオン)/約29時間(ANCオフ)と公表。
  • 充電:USB-C、ワイヤレス(Qi)充電に対応。
  • 防水・防滴:イヤホン本体はIPX2相当の耐水性(濡れに対する保護、一時的な水滴には耐えられるが水中には非対応)。
  • カラーバリエーション:Graphite(黒)、White(白)、Olive(オリーブ)、Lavender(ラベンダー)など。

デザインと装着感:軽さとフィットのバランス

Buds2は小型で丸みを帯びたハウジングを持ち、耳に収まりやすいシェイプが特徴です。重量は軽く、長時間装着しても疲れにくい設計になっています。イヤーチップの交換でシーリングを調整できるため、遮音性と低域の伸びを自分好みに調整可能です。装着感は個人差が出ますが、一般的には日常使い、通勤通学、軽い運動まで幅広く対応するフィット感です。

音質の傾向とチューニング

音質は『バランス寄りだが低域に厚みを持たせたチューニング』と言えます。低域は力強く、ポップスやヒップホップでのメリハリを感じやすい一方、中高域も埋もれすぎずボーカルが前に出てきます。高域の伸びは過度ではなく、長時間リスニングでも耳疲れしにくいセッティングです。

Galaxy Wearableアプリを使えばイコライザーで音を細かく調整できます。クラシックやジャズを重視するなら中低域を抑えて中高域を持ち上げる、低域好きなら低域を強調するなど好みに合わせた調整が可能です。音場はイヤホンの小型ドライバーゆえに広がり感に限界はありますが、ボーカルの定位や楽器分離は実用上十分なレベルです。

アクティブノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み

Buds2のANCは同価格帯では十分に機能します。電車やカフェの雑音、低域中心の騒音をある程度低減し、音楽に集中しやすくします。ただし、上位モデル(例:Galaxy Buds ProやSonyの上位機)と比較すると、完全に周囲音を消し去る力や高度なアルゴリズムによる音質保持の面ではやや劣ります。

外音取り込み(トランスペアレンシー)モードは自然で、会話やアナウンスを聞き取りやすくします。屋外での安全性やちょっとした会話の際に便利です。ANCと外音取り込みはアプリ上で切り替えられ、アダプティブな制御は限定的ですが、基本機能として必要十分な体験を提供します。

通話品質と実用面のパフォーマンス

通話用マイクは複数を組み合わせ、風切り音や雑音の低減を図っています。屋外でのハンズフリー通話は安定しており、屋内や静かな場所では相手側に明瞭に音声が届きます。ただし非常に風の強い場所や大きな騒音がある環境では、マイクの集音限界が出るため通話品質が落ちることがあります。

バッテリー持ちと充電面の利便性

公式の再生時間はANCオンでイヤホン単体約5時間、ANCオフで約7.5時間、充電ケース併用で合計約20時間(ANCオン)/約29時間(ANCオフ)とされています。実使用では音量やコーデック使用状況、通話頻度によって変動しますが、通勤や日常の外出ではケース併用で十分一日使える容量です。

ケースはUSB-Cとワイヤレス充電(Qi)に対応しており、スマホとシームレスに充電環境を統一できる点は便利です。短時間の充電でも数十分で数時間分の再生が可能な『ショートチャージ』的な運用がしやすいのも実用的なポイントです。

接続性・アプリ体験・機能面

SamsungのGalaxy Wearableアプリを使うことで、イコライザー設定、タッチ操作のカスタマイズ、端末間の自動切り替え(同一Samsungアカウントのデバイス間)などが利用可能です。コーデックはSBC/AACに加え、条件下でScalable Codecを使えるため、音質と遅延のバランスが取れます。ゲーミング用途では専用の低遅延モードがないため、遅延に敏感なユーザーは注意が必要ですが、動画視聴や一般的なゲームでは十分実用的です。

競合機との比較:どこが優れているか、どこが劣るか

同価格帯や近い価格帯のライバルと比較すると、Buds2は音質のバランス、フィット感、機能の充実度で非常に競争力があります。AirPods Pro(初代)と比べるとAndroid機との親和性は高く、価格面で有利なことが多いです。一方で、ANCの効きや通話のノイズ抑制、音質の細かさではSony WF-1000XM4や上位のBuds Proに一歩譲ります。

結論として、予算を抑えつつ『ANCも使える、音も悪くない、日常使いに最適なイヤホン』を探しているAndroidユーザーには非常に魅力的な選択肢です。

購入前にチェックすべきポイントと活用のコツ

  • 試聴は必ず行う:装着感や音の好みは個人差が大きいので、店頭での試聴とフィット確認を推奨します。
  • イコライザーは活用する:アプリでのEQ調整で好みの音に近づけられるため、初期設定のままではなく微調整を試してください。
  • 端末との互換性:Scalable Codecは主にSamsung端末で恩恵を受けられるため、Androidでも非Samsung機だと最適化が限定される場合があります。
  • ファームウェア更新:定期的にアプリを確認し、ファームウェアアップデートを適用することで性能改善や不具合修正が行われます。

まとめ:どんな人に向くか

Galaxy Buds2は、『高価すぎない価格帯でANCを体験したい』『長時間の使用でも疲れにくい装着感が欲しい』『日常使いでの音楽再生や通話が中心』というユーザーに最適です。絶対的なANC性能や、最上位の音質を求めるオーディオマニアには上位モデルを勧めますが、多くの一般ユーザーにとってはコストパフォーマンスに優れた良質な選択肢と言えるでしょう。

参考文献