Sennheiser Momentum 4 Wireless徹底レビュー:音質・ANC・バッテリーを深掘り解説
イントロダクション:Momentum 4とは何か
Sennheiser Momentum 4 Wireless(以下Momentum 4)は、2022年に発表された同社のフラッグシップに近いワイヤレス・オーバーイヤー型ヘッドホンです。伝統的なSennheiserサウンドの継承を謳いながら、アクティブノイズキャンセル(ANC)、長時間バッテリー、パーソナライズ可能なサウンドを組み合わせ、日常使いから出張、通勤まで幅広い用途を想定しています。本稿では設計・装着感、音質、ANC、接続性、通話性能、バッテリー、アプリの機能、競合比較、購入を検討する際のポイントまで詳しく掘り下げます。
発売時期と基本仕様の要約
- 発表:2022年(発売時期・モデルラインにより国別差あり)
- 価格:発売時の希望小売価格は約349.95米ドル(地域により変動)
- ドライバー:42mmダイナミックドライバー(Sennheiserの公称値)
- ワイヤレス:Bluetooth 5.2
- 対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
- マルチポイント:2台同時接続に対応
- バッテリー:公称最大約60時間(ANCオン時の公称値)/急速充電で10分充電→数時間再生(公称はおよそ4時間)
- 充電端子:USB-C
- 重量:およそ293グラム(メーカー公称値に基づく)
デザインと装着感
Momentum 4は洗練された外観と実用性を両立させています。ヘッドバンドとイヤーパッドはソフトな合成素材で覆われ、長時間着用しても耳や頭への負担が比較的少ない設計です。クランプ力(ホールド感)は過度に強くないため、長時間リスニングや在宅ワークに向きますが、外出時の激しい動きでは若干のずれを感じる場合もあります。イヤーカップは大きめで耳全体を包み込むタイプなのでパッシブな遮音性も高いです。
音質:Sennheiser流のバランスと描写力
Momentum 4の音質は“ナチュラルで聞き疲れしにくい”傾向があります。低域は量感がありつつもダンプ(過度なブースト)は抑えられ、中域—特にボーカル帯域の明瞭さが光ります。高域は伸びがあり、シンバルや弦楽器のニュアンスも比較的細かく表現します。デフォルトのチューニングは中庸ですが、専用アプリでイコライザー調整やSound Personalization(聴力テストに基づく個別最適化)が可能で、好みに応じた味付けができます。
ジャンル別では、アコースティックやジャズ、クラシックの再現性が良く、ポップスやロックでもボーカルの存在感が失われにくいのが特徴です。EDMやヒップホップなど、極端な低域のパンチを求めるユーザーはイコライザーで低域を持ち上げると満足度が上がります。
アクティブノイズキャンセル(ANC)と外音取り込み
Momentum 4のANCは前世代より大幅に改良され、日常的な環境ノイズ(エアコン、街の低周波、機内音など)を効果的に低減します。ANCの効きはSonyやBoseの最上位機(WH-1000XM5、Noise Cancelling Headphones 700など)と比べると若干差はあるものの、実用上で不足を感じることは少ないです。
外音取り込み(Transparent Hearing)は自然な音の取り込みを目指しており、会話やアナウンスを聞き逃しにくい設計です。アプリから外音取り込みレベルの調整が可能で、周囲の状況に応じて切り替えられます。
通話性能とマイク性能
通話時のマイク性能は実用十分です。複数のビームフォーミングマイクがノイズを抑え、屋外や風のある環境でも相手に比較的クリアな音を届けられます。ただし、極端に風が強い状況や騒音が激しい場所では明瞭度が低下することがあり、専用の指向性マイクを備えた一部競合機にわずかに劣る場面もあります。
接続性と専用アプリ
Bluetooth 5.2とaptX Adaptiveの組み合わせにより、低遅延かつ高品位なワイヤレス再生が可能です。マルチポイントに対応しているため、スマートフォンとPCを同時に接続して用途に応じて自動で切り替えられます。Sennheiser Smart Controlアプリではイコライザー設定、ANCや外音取り込みの調整、Sound Personalization(聴力補正)やファームウェアの更新が行えます。アプリの使い勝手は概ね良好で、初心者でも直感的に設定できる設計です。
バッテリーと充電
公称で最大約60時間の連続再生(ANCオン時を含む)を実現しており、長時間外出や出張でも電源を気にせず使えるのが大きな強みです。USB-C充電に対応し、クイックチャージ機能により10分程度の充電で数時間程度の再生が可能(公称は約4時間)なので、短時間の充電でも外出に対応できます。実使用では音量やコーデック、使用環境により変動しますが、充電頻度が少なく済む点は大きなメリットです。
競合機との比較
主要競合としてはSony WH-1000XM4/5、Bose QuietComfort 45(QC45)やAppleのAirPods Maxなどが挙げられます。簡潔に比較すると:
- Sony WH-1000XM5:ANC性能やノイズ管理、細かな機能面でやや先行。音の好みはSonyがややV字傾向で派手。Momentum 4はよりナチュラルで聞き疲れしにくい。
- Bose QC45:非常に優れたANCと軽快な装着感。Momentum 4は音の解像感やバッテリー持ちで優位な点がある。
- AirPods Max:空間オーディオやAppleエコシステムの親和性が強い。Momentum 4はコストパフォーマンスとバランスの取れた音質が魅力。
向いているユーザー・購入判断のポイント
Momentum 4は次のような人に向いています。
- ナチュラルでバランスの良い音質を好むリスナー
- 長時間の使用や出張でバッテリー持ちを重視する人
- 専用アプリで音質やANCを細かくカスタマイズしたい人
逆に、絶対的に最高クラスのANCや極端にパワフルな低音を求める場合は、競合の一部モデルが好ましいこともあります。購入前は試聴と装着感の確認をおすすめします。
実用上の注意点とメンテナンス
イヤーパッドは消耗品なので長く使うなら交換用パッドの入手可否を確認すると安心です。ヘッドホン本体は合成皮革やファブリックの素材を使用しており、汗や雨に濡れた場合は速やかに拭き取り、直射日光を避け保管することが望ましいです。また、ファームウェアは定期的に更新されるため、アプリ経由で最新化することで不具合修正や機能追加を受けられます。
まとめ:Momentum 4はどんな選択か
Sennheiser Momentum 4 Wirelessは、音質のバランス、長時間バッテリー、実用的なANCといった要素を高いレベルでまとめたオールラウンダーです。究極のANCや特定ジャンルでの迫力重視というよりは、幅広い音楽ジャンルで快適に聴けるヘッドホンを求めるユーザーに強く推奨できます。専用アプリでの微調整やSound Personalizationにより、個々の好みに合わせたチューニングも容易です。購入を検討する際は、実際に装着感と音の好みを店頭で確かめるのが最も確実です。
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参考文献
- Sennheiser公式:Momentum 4製品ページ
- Rtingsレビュー:Sennheiser Momentum 4 Wireless
- The Vergeレビュー:Momentum 4
- What Hi-Fi?レビュー:Momentum 4
- TechRadarレビュー:Momentum 4
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