Bartolini徹底ガイド:ベースピックアップとプリアンプの技術・音作り・選び方
Bartolini(バルトリーニ)とは
Bartoliniは主にエレクトリック・ベースのピックアップおよびプリアンプ(アクティブ回路)で知られるメーカーです。アメリカ発祥のブランドで、多くのビルダーやプレイヤーから信頼されてきました。特にソープバー(soapbar)タイプのハムバッキング設計や、音楽的で扱いやすいアクティブEQを得意とし、ローエンドの豊かさと中域のクリアさを両立させる性質が高く評価されています。
歴史と位置付け(概要)
Bartoliniは1970年代以降に台頭し、ベース用ピックアップの標準的存在としての地位を築きました。高品質なハードウェアを提供することで、オーダーメイドや量産の楽器メーカー双方に採用されることが多く、純粋な「パーツメーカー」としての信頼を背景に世界中で使用されています。製品はピックアップ単体からアクティブプリアンプ、ブリッジやパーツ類まで幅広く展開されています。
ピックアップの基本設計と音響的特徴
- 構造タイプ:Bartoliniはソープバー型ハムバッカーやシングルコイル風のユニットなど複数の構造を用意しています。ソープバーは複数のポールピースや分割コイルで位相・ノイズ対策を取ったものが多く、安定した出力とノイズ低減を両立します。
- 磁石とワインディング:モデルによってアルニコ、セラミック、ネオジムなどの磁石を使い分け、巻線の厚さやターン数で出力や周波数特性を調整しています。一般的にBartolini系のサウンドはタイトなローエンドとスムーズな高域特性が特徴です。
- トーン特性:多くのモデルは『ローエンドの豊かさ』『中域のナチュラルさ』『高域の丸み』というバランスを志向しています。これによりフィンガースタイルのウォームな音から、スラップのアタックまで幅広く対応しやすい傾向があります。
アクティブプリアンプ(EQ)の特長
Bartoliniのアクティブ回路は、単なるブースト・カットの機能にとどまらず、演奏現場での使いやすさを重視した設計が多いです。2バンド/3バンドEQ、バッファード出力、トーンシェイピング用のセンターポジション特性などが採用され、ピックアップのキャラクターを崩さずに音作りができる点が利点です。電源は9Vや18Vの設定がある場合があり、電圧によってヘッドルームやダイナミクスが変わります(18V給電はより余裕のあるヘッドルームを実現)。
具体的な音作りのアプローチ
- ジャズ/コンボ:ウォームで丸みのある低域を活かすため、ミドルを少し抑え気味にしてローとハイのバランスを取ると自然な輪郭が出ます。
- ロック/ポップ:中域をやや強調するとバンドアンサンブルの中でベースが抜けます。プレイヤーのピッキング位置やアンプのセッティングと合わせることが重要です。
- メタル/ハード:タイトなローエンドを活かしつつ、アタックを明瞭にしたい場合はEQでローをタイト化(少しカットする場合も)し、プレゼンスを上げるとコンパクトにまとまります。
- スラップ/ファンク:高域ののびを重視する場合はブリッジ側寄りのピックアップ配置か、サドルに近い位置を選ぶとアタックが強調されます。Bartoliniの一部モデルはスラップにも適したクリアなアタックを提供します。
導入・取り付け時の注意点
- キャビティスペース:ピックアップやプリアンプのサイズを事前に確認してください。特にアクティブ回路はバッテリーのスペースを確保する必要があります。
- 配線とグランド:アクティブ化する際は電源ラインとグランド処理を適切に行い、ノイズ発生を防ぐことが重要です。シールド処理や接地ポイントの最適化を行いましょう。
- ポットや配線インピーダンス:既存のポット値との相性で音の効き方が変わります。純正の回路図に準拠するか、信頼できる技術者に相談してください。
- 電源管理:バッテリーは定期的にチェックし、接点の酸化や消耗によるノイズや出力低下を防いでください。可能ならバッテリースナップの交換や端子の清掃を推奨します。
Bartoliniを選ぶ理由と比較
なぜ多くのプレイヤーやビルダーがBartoliniを選ぶのか。その理由は「調整しやすい音作り」「楽器の個性を活かす設計」「信頼性の高さ」にあります。他メーカーと比較すると、Bartoliniはベース特有のローエンドの押し出しを損なわず、アンプや他のエフェクトと組み合わせた際に扱いやすいことが多いです。攻撃的で前に出るタイプ(例えば一部のEMG系)や、ギター寄りの太さを追求するタイプとは違う方向性と言えます。
カスタマイズとモディファイの例
- コイルタッピングやシリーズ/パラレル切替で音色の幅を広げる。
- プリアンプの電圧を変更してヘッドルームを確保する(改造は専門技術者に依頼)。
- ポットの値やコンデンサを変更してフィーリングやレスポンスを微調整する。
- ピックアップの高さ調整や角度調整でアタックや出力バランスを最終調整する。
よくある質問(FAQ)
- Q:Bartoliniはアクティブでないと意味がない?
A:いいえ。モデルによってはパッシブでも優れた特性を発揮しますが、アクティブEQと組み合わせることでより広い音作りが可能になります。 - Q:ノイズは出やすい?
A:正しく配線・グランド処理をすれば高いパフォーマンスでノイズは抑えられます。アクティブ回路は電源周りのトラブルが原因でノイズを発生することがあるため、電源管理が重要です。 - Q:どのジャンルに向いている?
A:ジャズからロック、ポップ、ファンク、メタルまで幅広く対応可能ですが、モデル選びとセッティングが重要です。
保守とメンテナンス
接点の清掃、バッテリーの定期交換、ネジやサドル周りの緩み確認、配線の断線確認など、基本的なメンテナンスを行うことで長期にわたって安定した性能を維持できます。湿気や塩分の多い環境では接点の腐食が進みやすいため注意してください。
導入事例とビルダーの採用
Bartoliniは多くの楽器ビルダーに採用され、カスタムベースや量産モデルのオプションとして選ばれることが多いです。特に“プレイヤーの素性を生かしつつ音を補正する”という役割を求められるベーシストに選ばれる傾向があります。
まとめ:Bartoliniを使いこなすポイント
Bartoliniの強みは「余裕のあるローエンド」「ナチュラルな中域」「扱いやすいアクティブ回路」にあります。選ぶ際は使用ジャンル、プレイスタイル、既存機材との相性(アンプ、エフェクト、楽器の構造)を考慮し、必要に応じて専門技術者に取り付けやセッティングを依頼することを推奨します。適切に調整すれば、楽器の個性を活かしつつ幅広い音作りが可能になるでしょう。
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参考文献
- Bartolini 公式サイト
- Pickup (music technology) — Wikipedia
- BassPlayer(ベース専門誌サイト)
- Premier Guitar(ピックアップ技術関連記事等)


