Lakland徹底解説:歴史・設計思想・モデル比較から購入・メンテナンスのコツまで
はじめに — Laklandとは何か
Lakland(レイクランド)は、アメリカのベースギター・ブランドで、1994年にシカゴで設立されました。高品質な素材選定と実用性を重視した設計、豊富なカスタムバリエーションで知られ、プロのセッションプレイヤーやライブミュージシャンに評価されています。この記事では、ブランドの歴史、代表的モデルの特徴、製造ラインの違い、設計や電子系の解説、購入時のポイント、メンテナンスやリセール事情まで、実用的かつ深掘りした情報をまとめます。
創業と歴史的背景
Laklandは1994年に設立され、初期から「演奏性」と「音質」を重視したベースを作る方針を打ち出しました。ブランド名は創業者の姓(Lakin→Lakland)に由来するとも説明されることがありますが、会社としては設立以来プロフェッショナル向けの実戦的な楽器を主眼に開発を続けてきました。90年代以降のベース市場は多様化が進み、ビンテージの再現だけでなくモダンなプレイアビリティや多彩なトーンが求められるようになったため、Laklandのアプローチは多くのプレイヤーの支持を集めました。
代表的なラインナップ:Shoreline(米国製)とSkyline(海外生産)
Laklandの製品は大きく2つのラインに分けられます。
- Shoreline(米国製・ハイエンド):より厳選された材、ハンドセットアップ、アメリカ国内での生産管理により高い品質を維持するライン。細部の仕上げや木材の選別にこだわるプレイヤー向け。
- Skyline(海外生産・コストパフォーマンス重視):韓国などの海外工場で生産され、コストを抑えつつもLaklandの基本設計や回路を踏襲することでコストパフォーマンスを追求したライン。最終的なセットアップや検品は米国側で行われることが多く、実戦で十分使える品質が保たれています。
この二層構造は、ブランドが幅広い価格帯の需要を満たしつつ、上位モデルでの高品質を維持するための戦略です。
設計思想とサウンドの特徴
Laklandの基本設計は「直感的に演奏できるネック形状」「実用的で幅広い音作りができる電子系」「堅牢なハードウェア」にあります。ネックは手に馴染むシェイプが多く、ポジション移動やスラップなどのテクニックを想定した適度な上げ幅(neck carve)が施されています。ボディ材はアルダー、アッシュ、メイプルなど伝統的な材が使われ、材の組み合わせで音色の傾向が変わります。
電子系ではパッシブとアクティブの両方を採用するモデルがあり、プリアンプ搭載モデルではトーンの幅が大きく広がります。Laklandはピックアップの配置や回路設計により、クラシックなP/Jスタイルのサウンドからモダンなシングルコイル寄りのタイトなサウンドまでカバーできるよう設計されています。
代表モデルとその違い
数あるモデルの中で、とくに知名度が高いのは「44-94」などの型番を冠したモデル群です。型番の読み方は一般に前半の数字が弦数(44=4弦)を示し、後半はモデルのベースとなった年や設計番号を示すことが多いです(例:44-94は4弦の1994年タイプを基にしたモデル)。
その他、5弦の55シリーズ、ショートスケールや軽量化を図ったモデル、フレットレス仕様、ネックスルー構造やボルトオン構造などプレイスタイルに応じたバリエーションが用意されています。ピックアップ構成もジャズベースタイプ、プレシジョンタイプ、ハムバッカーなど多彩で、ユーザーは自分の求めるサウンドに合わせて選択できます。
製造プロセスと品質管理
Shorelineはアメリカ国内での生産工程を持ち、材の選別から組み込み、最終セットアップまで厳しい品質管理が行われます。一方Skylineは海外提携工場での生産でコストを抑えつつ、設計図や仕上げ仕様はLaklandの基準に沿って管理されます。多くのメーカー同様、海外生産モデルでも最終的なセットアップや微調整を米国で実施することで、演奏性の担保を図っています。
電子回路とピックアップの解説
Laklandの回路設計は「プレイヤーが直感的に操作できること」を重視しており、シンプルなボリューム・トーン構成から、プリアンプを搭載したモデルまで多様です。プリアンプ搭載モデルは音量感の確保、トーンの微調整、ゲイン構造の安定化に寄与します。ピックアップはメーカー純正のものや、他社製ピックアップを採用するモデルもあり、交換やカスタムがしやすい設計になっています。
演奏性(ネック、フィーリング、重量バランス)
多くのLaklandモデルは演奏性を第一に考えたネックシェイプを採用しており、ローポジションからハイポジションまでスムーズにアクセスできます。重量配分も考慮され、長時間の演奏でも疲れにくいバランス設計がなされています。ネックの仕上げ(塗装の厚みやサテン/グロス処理)によって手触りが変わるため、試奏時に実際の指滑りや握り心地を確認するのが重要です。
カスタムオプションとリセールバリュー
Laklandはカスタムオーダーにも対応しており、木材、塗装、ピックアップ、ブリッジなど細部の仕様を選べます。Shorelineのカスタムは高額になりますが、その分リセールバリューも維持しやすい傾向があります。Skylineは購入価格が抑えられるため初めてのLaklandとして人気ですが、オリジナルのコンディションを保つことで中古市場での評価も安定します。
購入時のチェックポイント
- ネックの反りとトラスロッドの余裕:ネックの状態を目視・触診で確認し、トラスロッドに調整余裕があるかを確認する。
- フレットの摩耗:フレットの平坦さや摩耗具合をチェック。フレット打ち替えはコストがかかるため注意。
- 電装系のノイズと可動域:ポットやスイッチの接触不良、プリアンプのノイズを確認する。
- サドル・ブリッジの状態:弦高、オクターブ調整が正しくできるかを確認。
- 塗装・ボディのクラックや修理痕:特に古い個体は修理歴がある場合があるのでチェック。
メンテナンスの基本と長期的なケア
高品質なベースでも定期的なメンテナンスは不可欠です。弦交換、指板のクリーニングとオイル塗布(ローズウッド等)、フレットの研磨、トラスロッドの微調整、電子接点の掃除などを定期的に行うことで演奏性と音質を長期間維持できます。保管は湿度管理が重要で、極端な乾燥や湿潤はネックの反りや接着部に悪影響を与えます。
サウンドのカスタマイズ(モディファイ)
ピックアップ交換、プリアンプの載せ替え、ブリッジのアップグレードなど、カスタマイズを行うことで自分好みのサウンドに近づけられます。Laklandは構造的に安定しているため後付けパーツの選択肢も多く、専門技術者に依頼すれば音色の幅は大きく拡がります。ただし改造は楽器の価値に影響するため、売却を考える場合はオリジナルパーツを保管するなどの配慮が必要です。
市場でのポジションと競合
Laklandはプレミアムな実用楽器として、FenderやMusic Man、Spector、Warwickなどの競合ブランドと並んで評価されます。特にプロのスタジオやツアー現場で使われることが多いのは、安定した作りと多用途なトーン設計が理由です。Skylineラインは手頃な価格帯での競争力があり、エントリーレベルから中級者にも魅力的な選択肢を提供しています。
中古購入の目安と相場感
中古市場ではモデル、年代、状態、カスタムの有無で価格差が大きくなります。一般的にShoreline(米国製)モデルは高めの価格帯が維持されやすく、Skylineは比較的手が届きやすい価格で流通しています。相場は地域や為替、需要によって変動するため、購入前には複数の中古ショップやオンラインマーケットプレイスで相場確認を行いましょう。
まとめ — どんなプレイヤーに向いているか
Laklandは「信頼性の高い楽器を求めるプレイヤー」「多用途で使えるサウンドのベースが欲しいプレイヤー」「長く使える高品質な一本を探しているプレイヤー」に特におすすめできます。Shorelineは最高品質を求めるプロ向け、Skylineはコストパフォーマンス重視のプレイヤーに適しています。実際の選択では試奏が最重要で、ネックのフィーリングやトーンの直感的な反応を確かめることが決め手になります。
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