イカメタル完全ガイド：タックル・仕掛け・釣り方から釣果を伸ばすコツまで
エバープレイ編集部イカメタルとは
イカメタルは夜間のライトゲームで発展したイカ釣りの一ジャンルで、メタルジグ（小型の金属ルアー）や夜光スッテを用い、船の下に集まるイカを狙う釣法です。主にケンサキイカやヤリイカ、地域によってはスルメイカを対象とし、ライト（集魚灯）や魚探（ソナー）を活用して群れを探し、比較的ライトタックルで楽しめるのが特徴です。近年日本全国で人気が高まり、専用ロッドや専用ジグも多数発売されています。
対象魚とシーズン・ポイント
代表的なターゲットはケンサキイカ（イトイカとも呼ばれる種類）やヤリイカ、スルメイカなど。地域差はありますが、一般に暖かい海域では春〜秋に、寒流が入る海域では秋〜冬に好シーズンとなります。イカは夜間に灯の周りに寄ってくるため、夜釣りが基本。水深は20〜100m程度まで様々で、特に20〜60m付近に群れることが多いです。地形変化があり潮通しの良い場所、漁礁・沈み根周り、港外の航路沿いなどがポイントになります。
基本タックル（ロッド・リール・ライン）
- ロッド：イカメタル専用ロッドは長さ2.1〜2.7m程度、ティップ（穂先）が柔らかく感度の良いモデルが主流。小さなツンツンというアタリを拾える柔軟性と、胴の張りでフッキングをサポートする調子が理想です。
- リール：スピニング2000〜4000番クラス、もしくはベイト（小型両軸）で糸巻き量と巻き上げ負荷のバランスが取れているもの。ドラグは滑らかで一定の引きを出せるものが望ましいです。
- ライン：PEライン0.4〜1.0号（リーダーを付ける前提）。潮やターゲットのサイズで調整します。リーダーはフロロカーボン1.5〜4号程度（約4〜12lb）。
仕掛けとルアーの選び方
イカメタルで使う仕掛けは大きく分けて「メタルスッテ（メタルジグ＋スッテ風）」「夜光スッテ（鉛スッテ）」「エギ」を組み合わせる手法があります。近年はメタルスッテと夜光スッテを組み合わせたものが主流です。
- 重さ：潮流や水深によって5〜40gを使い分け。風や潮が速ければ重め、流れが穏やかなら軽めが基本。
- カラー：夜光（発光）系は夜釣りに効果的。赤・ピンク・オレンジ・白などが定番。クリアな夜はナチュラル系（銀・白）も効きます。
- 形状：メタルジグはフラッシングで寄せる役割、スッテは触りに対する抱き込みを誘発します。複合的に使い分けると釣果が上がります。
実釣テクニック：誘いと掛け方
基本は船の真下に落として誘う「バーチカル（上下）アクション」です。以下の誘いパターンを状況に応じて切り替えます。
- ただ巻き（スローリトリーブ）：一定の速度で巻いてリアクションを狙う。初心者向けで安定した釣果が出やすい。
- シャクリ＋フォール：短くシャクリ（ロッドで小さくあおる）を入れ、フォールで抱かせる。フォール中にアタリが出ることが多い。
- テンションフォール：ラインにテンションを掛けたままリールを軽く巻いてゆっくり落とす。イカの触りを感じやすい。
- ステイ（止める）：動きを止めて抱かせる。夜光や船灯でじっくり寄ってくるイカに有効。
アタリの取り方は独特で、イカは「触り（ツンツン）」と「抱きつき（モゾッ）」のような微妙な振動を出します。強く合わせるのではなく、ロッドのテンションを保ったままゆっくり巻き合わせするのが基本。早合わせでフッキングさせようとすると、触手だけ取られてバラすことが多いので注意します。
魚探・集魚灯・群れの見つけ方
魚探（ソナー）は群れの位置や深さを特定するのに非常に有効です。集魚灯は夜間に水面下へプランクトンや小魚を呼び寄せ、それを追ってイカが集まるため、灯の位置に合わせてアンカリングや流し釣りを行います。船上の照明や周辺船の灯りの影響もあるので、灯が乱立する場所では群れの位置が分散してしまうこともあります。
トラブル対策と安全上の注意
- バラシ：ラインテンションを維持し、強引なやり取りを避ける。掛かりが浅いときは強引に巻かず、テンションを少し抜いてから再度巻くと掛かり直すことがある。
- ライン絡み：仕掛けの投入・回収はゆっくり行い、他の釣り人と距離を取る。複数本出す場合は角度をつけて絡みを避ける。
- 安全：夜釣りのため足元と落水対策を徹底。生命保険・救命胴衣の着用推奨。イカの口（くちばし）は鋭利なので素手での取り扱いは避ける。
釣ったイカの扱いと簡単な料理法
鮮度が命なので船上で出来るだけ冷やす（氷締め）ことが重要です。墨袋を破らないように注意して扱い、帰港後はすぐに内臓を処理すると旨味が長持ちします。おすすめの食べ方は刺身（活け〆直後が最高）、一夜干し（保存性と旨味増加）、バター醤油炒めなど。ケンサキは身が柔らかく刺身での評価が高いです。
よくあるQ&A
- Q：ライト（色）は何色が良い？ A：夜光（発光）系がベース。夜間は緑〜白系の集魚灯が定番だが、ルアーは赤・ピンク・白が実績高。
- Q：初心者におすすめの重さは？ A：まずは10〜20g前後のメタルスッテで、潮流が速ければ30g台を準備。
- Q：ひとりで始めても大丈夫？ A：夜釣り・船釣りなので初回はベテランや船宿の乗合船で同乗し、釣り方やマナーを学ぶのが安全で早道です。
まとめ：釣果を伸ばすポイント
- 群れの深さを見極め、重さと誘いを合わせること。
- 穂先の感度を活かして「触り」を見逃さないこと。
- 魚探と集魚灯を活用し、ロケーション選びを行うこと。
- 経験を積み、シャクリとフォールのリズムを数パターン持つことがキモ。
参考文献
投稿者プロフィール
