Blur――英国ギターポップの伝統を再解釈し、ブリットポップを牽引した四人組


Blurは1988年にロンドンで結成され、デーモン・アルバーン(ボーカル/キーボード)、グレアム・コクソン(ギター)、アレックス・ジェームス(ベース)、デイヴ・ロウントゥリー(ドラム)の4人で活動を続ける英ロックバンドです。彼らはデビュー作『Leisure』でマッドチェスター/シューゲイザー的サウンドを打ち出した後、ビートルズやXTCを再解釈した英国ギターポップへと転向。1990年代半ばのブリットポップムーブメントを代表し、音楽的多様性と社会風刺的リリックで世界的評価を獲得しました。

結成から初期の試行錯誤

結成直後のバンド名は「Seymour」で、ロンドン西部の小規模クラブでライブを重ねながら下積みを経験しました。1989年にFood Recordsと契約し、1991年にデビューアルバム『Leisure』を発表。アルバムはマッドチェスターやシューゲイザーの要素を取り入れたダンサブルなサウンドを特徴とし、商業的な足がかりを築きました。

ブリットポップ以前の音楽スタイル

続く2ndアルバム『Modern Life Is Rubbish』(1993年)では、英国の日常風景や若者文化を題材にしたリリック志向に大きく転換。ビートルズ、XTC、The Specialsの影響を受けたポップセンスと、“モックニー”(Mockney)訛りを取り入れた歌唱スタイルで、バンドの個性を確立しました。

ブリットポップの台頭と主要作品

Modern Life Is Rubbish(1993年)

英国ギターポップ回帰の先駆けとなった意欲作。リリース当時は売上面で苦戦したものの、後年にはブリットポップ黎明期の重要作品として再評価されています。

Parklife(1994年)

1994年4月リリース。シングル「Girls & Boys」がBBC Radio 1で大ヒットし、アルバムはUKチャート初登場1位を獲得、90週間にわたりチャートを席巻。NMEは「Great Pop Record」と絶賛し、Brit Awardsでは最優秀アルバムを含む4冠を達成しました。

The Great Escape(1995年)

9月リリース。シングル「Country House」はOasisの「Roll With It」と同日発売され、“Battle of Britpop”として大きな話題に。Blur版がUKシングルチャート1位を獲得し、両バンドの熱狂的な対立が文化現象化しました。

Blur(1997年)

セルフタイトルの4thでは米国市場を強く意識した直球ロックサウンドへ。代表曲「Song 2」がBillboardの各チャートでヒットを記録し、グラミー賞でも注目を集めました。

13(1999年)

メンバー間の葛藤を背景に、より内省的かつ実験的なインディーロックを追求。William Orbitプロデュースによるサウンドと、シングル「Tender」「No Distance Left to Run」の成功が光ります。

Think Tank(2003年)以降

ドラマーの脱退を経て制作された5thアルバム。リリース後はメンバー各自のソロ活動が活発化し、バンドは長期の休止期に入りました。

ソロ活動とサイドプロジェクト

Gorillaz

2001年、Damon AlbarnとアーティストJamie Hewlettが結成したバーチャルバンド。アニメキャラをメンバーに見立てた革新的な演出で、デビュー作は600万枚以上を売り上げ、音楽とビジュアルの融合を象徴しました。

その他のプロジェクト

The Good, the Bad & the Queenやアルバーンのソロ作『Everyday Robots』など、多彩なアーティスト活動を通じてBlurの枠を超えた評価を確立しています。

文化的影響とレガシー

Battle of Britpop

1995年8月14日の“Battle of Britpop”は英国国内外で大規模なメディア報道を巻き起こし、若者の文化的アイデンティティを大きく揺さぶりました。

批評家・ファンからの評価

多様なサウンドと社会風刺的リリックにより、AllMusicは「常に革新を続けるブリットポップの旗手」と評し、Rolling Stoneは『Parklife』を「1990年代を代表するアルバム」と位置づけています。

後世への影響

Blurのスタイルは2000年代以降のインディーロックやエレクトロニカシーンにまで強い影響を及ぼし、社会観察を伴うポップロックの先駆けとして後続アーティストに受け継がれています。

再結成と近年の動向

2009年7月にロンドン・ハイドパークで行われた再結成ライブを皮切りに、2012年のロンドン五輪閉会式出演、ボックスセット『Blur 21』(2012年)発売、2023年の新作『The Ballad of Darren』など、断続的に活動を継続中です。

まとめ

結成から30年以上にわたり、Blurはサウンドと歌詞の両面で常に刷新を続け、ブリットポップを牽引しました。その多様性と革新性は、今なお世界中の音楽シーンに影響を与え続けています。

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