ムードジャズの金字塔:小川隆クインテット+オールスターズ『誘惑』再訪

本稿では、1970年にPolydorからリリースされた2枚組LP『誘惑(Temptation of Electric Guitar)』を多角的に分析します。
オリジナル日本盤として発売され、映画音楽やポップスの名曲をジャズ/フュージョン・アレンジで再構築した全24曲が収録されています。
アレンジャー早川博によるストリングス&ホーンを配した壮麗なオーケストラライクなサウンドと、小川隆のエレキ・ギターが織りなす情感豊かなメロディが聴きどころです。
国内外のコレクター市場でも根強い人気を誇り、比較的入手しやすいながらもその質の高さから高い評価を受けています。
背景とリリース経緯
1970年前後、Polydorレーベルはムードジャズ/イージーリスニングの潮流を牽引しており、ギターを主体としたアルバムが多数発表されていました。本作『誘惑』はその流れの中で企画され、映画音楽や洋楽ポップスのテーマを網羅した全24曲を収録するダブルLPとして、日本市場向けに制作されました。帯なしの見開きダブルジャケット仕様で、ブルーを基調とした落ち着いたデザインが特徴です。
音楽的特徴と編曲
収録曲は「Theme From ’Valley Of The Dolls」「Moon River」「Sound Of Silence」「Les Bicyclettes De Belsize」など、映画や欧米ポップスの名曲を選出。
早川博の編曲はストリングスとホーン・セクションを巧みに織り交ぜ、ドラマチックかつ豊かな音響空間を構築しています。
小川隆のギターはメロディを情感豊かに歌い上げる一方、フュージョン的なリズムカッティングやモダンなフレージングも披露し、その多彩な技量が存分に発揮されています。
パッケージとデザイン
日本オリジナル盤は帯なしで流通し、見開きジャケットの内側には収録曲一覧と演奏クレジットなどがシンプルに記載されています。ジャケット表面には「誘惑のエレキ・ギター」という邦題が力強くレイアウトされ、コレクター心をくすぐるデザインです。
コレクティビリティと市場動向
- 国内中古市場:中古レコード通販サイト約¥5,000前後で取引され、比較的入手しやすいレア盤に位置付けられています。
- 海外市場:欧州の専門店「HHV」などでは、VG+コンディションの2LPが€29.99前後で流通し、安定した人気を誇っています。
後世への評価と影響
YouTubeなどの動画プラットフォームでは「誘惑のエレキ・ギター」のライブクリップやレビューが数多く投稿されており、現代でも再評価が進んでいます。ジャズ/フュージョン界のみならず、ムード音楽の分野でも一つの金字塔とされており、新たなリスナー層の獲得にも成功しています。
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