YMO『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』完全ガイド:誕生から影響、コレクション価値まで

はじめに
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』はYellow Magic Orchestra(YMO)にとって2作目のスタジオ・アルバムであり、1979年9月25日にリリースされました。全8曲・32分23秒にわたるシンセポップ/エレクトロニックなサウンドは、当時まだ黎明期にあったテクノやニュー・ウェイヴに多大な影響を与え、世界中で200万枚を売り上げる大ヒットを記録。以下では、本作の制作背景から楽曲解説、文化的影響、そしてコレクター市場における価値までを詳しく解説します。
背景
レコーディングとリリース
1979年3月2日から6月にかけて、東京・芝浦のアルファ・スタジオ“A”で録音が行われ、同年9月25日にアルファレコードからリリースされました。
ジャケットとコンセプト
黄色い背景に赤いジャンプスーツ姿のメンバー3人とマネキンがテーブルを囲むシュールなビジュアルは、未来都市をイメージしたコンセプトを象徴。裏ジャケットではマネキンを運び去る遊び心のある演出が施され、テクノロジーとアートの融合を感じさせます。
音楽性とテーマ
シンセポップ/テクノの先駆け
本作ではシンセサイザーを前面に押し出し、デジタル・ゲート・リバーブやボコーダーを駆使したサウンドを構築。従来のバンド編成では成し得なかった軽快さや遊び心を併せ持つ電子音楽の新境地を切り開きました。
サイバーパンク的世界観
英詞を手掛けたクリス・モズデルは、ディストピア的な未来観や人間の疎外感をテーマにリリックを書き、SF的な奥行きを楽曲にもたらしています。
トラック解説
Technopolis
未来都市「テクノポリス」を描いたオープニング曲。ボコーダーによる「Tokyo! Tokyo!」コーラスが印象的で、楽曲のエネルギーを一気に高めます。
Rydeen
馬の駆け足を思わせるリズムパターンとキャッチーなシンセリフが特徴。後にセガのアーケードゲーム『スーパー・ロコモティブ』のテーマにも起用されました。
Behind the Mask
1978年のセイコー・クォーツ腕時計CM用に制作されたナンバー。マイケル・ジャクソンやエリック・クラプトンなど、多くの著名アーティストがカバーし国際的な知名度を獲得しました。
Day Tripper
ビートルズの名曲をYMO流に再解釈。ドラムマシンと電子音楽的アプローチが加わり、原曲とは一線を画す意欲作となっています。
その他の注目曲
「Absolute Ego Dance」ではホソノのベースとサンディのボーカルが絡み合い、「Insomnia」は実験的なリズムとアンビエント要素が融合したナンバーとして評価されています。
文化的影響と評価
商業的成功
日本ではオリコンLPチャートで1980年の年間1位に輝き、LPで82週、カセットで65週にわたってチャート入り。第22回日本レコード大賞ではベスト・アルバム賞を受賞し、世界的な売上は200万枚に達しました。
海外での評価
AllMusicやThe Guardianなど海外メディアからも高く評価され、電子音楽の新たなテンプレートを提示した作品として賞賛されています。2020年にはThe Japan Timesが「Rolling Stoneの『500 Greatest Albums of All Time』に名前を連ねるべき日本盤10作」に選出しました。
影響
“Technopolis”はデトロイト・テクノを先駆ける重要曲とみなされ、リズムとメロディの融合は後世のアーティストにも大きな影響を与えました。
ディスクグラフィとコレクション
初回盤とバリアント
1979年初回プレスには透明イエロー・ヴァイナルに赤ラベルの貴重なバリアントが存在し、現代ではコレクター市場で高値を呼んでいます。
リイシュー情報
1982年に英国、1992年に米国で再リリース。1999年にはホソノ監修のリマスター盤が登場し、現在もアナログ/CDで入手可能です。
聴きどころ
シンセサイザーやボコーダー、デジタル・ゲート・リバーブの多彩な使い分けを聴き比べることで、当時の最先端音響技術がよく分かります。SF的モチーフに思いを馳せ、YMOが描いた近未来世界に没入してみてください。
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