宇宙への誘い──山下達郎『SPACY』徹底解剖

本作『SPACY』は1977年6月25日にRCA/RVCからリリースされた山下達郎の2作目のスタジオ・アルバムで、1977年2月26日から4月18日にかけて日本と米国のトップクラスのスタジオで録音されました。音楽的にはジャズ・ロックやシティ・ポップ、ファンク、ソウルなど多彩な要素を融合させた革新的なサウンドを展開し、オリジナル発売時にはオリコン週間チャートで最高59位を記録したものの、その後もロングセラーとして愛され続け、2023年8月2日には180g重量盤のアナログ再発がオリコンアルバムデイリーランキングで1位を獲得するなど、時代を超えた評価を確立しています。

アルバム概要

  • リリース:1977年6月25日(RCA/RVC)です。
  • ジャンル:ジャズ・ロック、シティ・ポップ、ファンク、ソウルなど多彩な要素を縦横に駆け巡る作品です。
  • 収録時間:全長約38分30秒(SIDE A:20分09秒、SIDE B:21分03秒)です。

録音と制作背景

録音は1977年2月26日から4月18日にかけて、アメリカ・ロサンゼルスのSound City Studioおよび日本のOnkio Haus、渋谷のRCA Studioなど、一流スタジオで行われました。特にSound City Studioのアナログ機器が生み出す温かくダイナミックなサウンドが本作の骨格を支えています。

楽曲解説

本作には以下の10曲が収録されています。

  1. Love Space(4:42)
  2. 翼に乗せて(3:38)
  3. 素敵な午後は(3:55)
  4. Candy(3:14)
  5. Dancer(4:34)
  6. アンブレラ(3:57)
  7. 言えなかった言葉を(4:04)
  8. 朝の様な夕暮れ(2:14)
  9. きぬずれ(3:40)
  10. Solid Slider(7:05)

オープニングの「Love Space」は、ピアノイントロから華やかなサビへと導く躍動感が魅力で、ファンクとAORの要素が絶妙に融合しています。「Solid Slider」はAOR調のストリングスが印象的で、山下達郎のシグネチャーサウンドを象徴する一曲です。また、「Dancer」ではアコーディオンが繊細な彩りを添え、リズムセクションのファンキーさが楽曲を牽引します。

参加ミュージシャン

  • 山下達郎(ボーカル、ギター、キーボード、プロデュース)
  • 細野晴臣(ベース)
  • 坂本龍一(キーボード)
  • 佐藤博(キーボード)
  • 小原礼(ドラムス)
  • 吉田美奈子(バックコーラス)
  • 岡田徹(アコーディオン)
  • 吉川忠英(アコースティックギター)

これらの豪華メンバーが一体となって緻密なアレンジと卓越した演奏を実現し、本作に一体感と深みを与えています。

リリースと反響

オリジナル発売時にはオリコン週間チャートで最高59位を記録しました。その後、2023年8月2日に限定180g重量盤のアナログ再発がオリコンアルバムデイリーランキングで1位を獲得し、大きな話題となりました。また、音楽評論家やファン投票による「50年の邦楽ベスト100」では55位にランクインし、今なお普遍的な魅力を誇ります。

ヴァイナル再発・オーディオファイル仕様

2023年の再発盤は、180g重量盤、オリジナル帯付き、折り込みライナーノーツ付きというオーディオファイル仕様でリリースされ、音質面・所有欲の両方を高く満たす内容です。完全生産限定盤として、ヴィニール愛好家からも高い評価を受けています。

総評・レガシー

『SPACY』は山下達郎のキャリア初期における音楽的探究心が結実した作品であり、その緻密なアレンジと多彩なジャンル融合は後続のシティポップ/AORムーブメントに大きな影響を与えました。今日に至るまで多くのリスナーやミュージシャンに支持され続ける、まさに名盤中の名盤と言えます。


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