アナログレコード音飛びゼロへの道:原因解明から修理・日常メンテナンスまで

本ガイドでは、レコード再生時に発生する「音飛び」の原因を多角的に分析し、具体的な修理手順と日々のメンテナンス方法を詳しく解説します。クリーニングから針圧調整、スタイラスケア、キズや反りへの対策、さらには最適な保管環境まで、ステップごとにご紹介しますので、初心者の方でも安心して取り組んでいただけます。


音飛びの主な原因

盤面の汚れとカビ

レコード盤の溝には微細なホコリや皮脂、さらには高温多湿によるカビが付着しやすく、これが針先のトラッキングを阻害して音飛びを招きます。

針圧の不適切設定

トーンアームのバランスウェイトによる針圧が軽すぎる場合、針が十分に溝へ沈まず外乱に弱くなるため、音飛びが発生しやすくなります。

スタイラスの摩耗・汚れ

使用時間の経過やクリーニング不足によりスタイラス先端が摩耗・汚れ、正確に溝をトレースできなくなることで音飛びが起こります。

レコードのキズ・プレス不良

盤面表層の物理的なキズやプレス時の欠陥は、針が凹凸に当たることでトラッキングを失い、音飛びや針飛びの原因となります。

反り・セットアップ不良

レコードのWarp(反り)やターンテーブルの水平出し不足、アンチスケーティングのズレは、再生中に針圧バランスを崩し、音飛びを招きます。


音飛び修理・対策手順

1. 盤面クリーニング

  • エアブロワーで大まかなホコリ除去
    ブロワーやエアダスターで盤面の浮遊ゴミを吹き飛ばし、拭き取り時の擦り傷を防ぎます。
  • カーボンファイバーブラシ+専用クリーナーで乾拭き
    軽度の汚れはカーボンファイバーブラシで円周方向にブラッシングし、溝に付いた埃を除去します。
  • 湿式クリーニング(Spin Clean MKII等)
    深い汚れや古いカビには、Spin Clean MKIIのようなディグリーザー&パッド式クリーニングシステムが効果的です。

2. 針圧とアンチスケーティング調整

  • 針圧測定スケールで正確設定
    針圧計を用い、カートリッジの推奨値(例:1.75~1.8g)に調整します。
  • アンチスケーティングの微調整
    再生中に針が外側や内側に引っ張られないよう、メーカー指示の数値に合わせて調整します。

3. スタイラスクリーニング・交換

  • 乾式ブラシでの針先洗浄
    マイクロファイバークロスや専用乾式ブラシで、針先をレコードと逆向きに優しくブラッシングし汚れを除去します。
  • 交換タイミングの目安
    リスニング用途では約500~1000時間、DJ用途では約500時間が交換の目安です。

4. キズ応急処置とWarp対策

  • 爪楊枝による溝トレース
    軽度の溝キズは、爪楊枝を針の代わりに数回トレースすると一時的に改善する場合があります。
  • クランプやウェイトの活用
    反りや歪みが原因の場合、レコードクランプやクランピングウェイトを併用すると安定性が向上します。
  • プロのディスクフラッター利用
    反りがひどい場合は、適切な熱処理で平坦化するサービスや装置(ディスクフラッター)を利用すると効果的です。

日々のメンテナンスと保管方法

定期的なクリーニング頻度

再生前後に軽くブラッシングし、1~2ヶ月に1回は湿式クリーニングを実施すると長期的に音飛びを防げます。

保管環境の最適化

  • 湿度管理(30~45%)
    高湿はカビを招き、低湿は盤やジャケットの劣化を招くため、30~45%を目安にします。
  • 温度管理(15~20℃)
    直射日光や熱源を避け、15~20℃の一定温度下で保管します。
  • 立てて保管
    水平積みは反りの原因となるため、専用ラックやスタンドで垂直に保管します。

ターンテーブルの定期点検

水平レベリングやベルトの張り具合、アンチスケーティング機構に異常がないかを定期的にチェックしましょう。

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