森山良子の名曲が紡ぐ心の景色――5つの珠玉の歌声

森山良子さんの代表曲「禁じられた恋」「この広い野原いっぱい」「今日の日はさようなら」「涙そうそう」「さとうきび畑」は、それぞれリリース当時から多くのリスナーに愛され、世代を超えて歌い継がれてきました。デビュー直後のフォークソングから、大人の恋を歌う歌謡曲、沖縄への想いを込めた反戦歌まで、歌詞のテーマや楽曲制作の背景、チャート成績、メディア露出、カバーや楽曲が果たした文化的役割を詳しく解説していきます。

禁じられた恋

森山良子さんの9作目のシングルとして1969年3月25日にリリースされ、発売から間もなくオリコン週間シングルチャートで1位を獲得しました。作詞は山上路夫さん、作曲は三木たかしさんによる大人の恋の切なさを描いた歌詞とメロディが特長です。発売当初、前年末にリリースされた「悲しき天使」の日本語カバーが好評だった流れもあり、本作はミリオンセラーを記録するとともに、1969年の『NHK紅白歌合戦』初出場曲としても披露されました。その後も多くのアーティストにカバーされ、「不倫ソング」と称されるほどドラマティックな歌詞解釈を生んでいます。

この広い野原いっぱい

デビュー曲として1967年1月2日にリリースされた本作は、小薗江圭子さん作詞、森山良子さん作曲によるフォークソングで、見渡す限りの自然への讃歌を綴っています。シンプルなアコースティック編曲と澄んだ歌声が印象的で、同年NHK『みんなのうた』でも放送され、フォーク世代の定番曲として広く親しまれました。歌詞にある「手紙を書いて」というフレーズは、当時の若者たちのコミュニケーション手段への共感を呼び、発売から半世紀を経た今もCMや映画の挿入歌として使用されることがあります。

今日の日はさようなら

1967年8月25日リリースのシングルB面曲ながら、卒業ソングやスカウトソングとして長く愛唱されてきました。1974年からNHK『みんなのうた』でも放送され、2007年には「日本の歌百選」に選定されるなど、教育現場や公共施設でのメロディとして定番化しています。2018年には京王線柴崎駅の列車接近メロディにも採用され、リリース日を記念した歌碑も建立されるなど、街中で日常的に耳にする機会が増えています。

涙そうそう

1998年発表、BEGIN作曲による沖縄風バラードで、最愛の人を失った悲しみを歌詞に込めています。タイトルは沖縄方言で「涙が止めどなく溢れる様」を意味し、比嘉栄昇さん(BEGIN)からタイトルを聞いた森山さんが歌詞を一気に書き上げたエピソードが残っています。森山さん自身が兄を偲んで作詞したとされ、その後夏川りみさんによるカバーバージョンが大ヒットし、“涙そうそう”ブームを巻き起こしました。

さとうきび畑

寺島尚彦さん作詞・作曲の反戦歌として1969年に発表され、森山良子さんをはじめちあきなおみさんや上條恒彦さんら多くのアーティストがカバーしています。全11連(11番まで)の長い構成と、曲中に繰り返される「ざわわ」というサトウキビの擬音語が印象的で、太平洋戦争末期の沖縄の悲劇と平和への祈りを表現しています。NHKの夏の反戦キャンペーンシンボル曲として放送されるほか、長尺ゆえにフルバージョンがCD化されたのは2001年で、珍しい構成がレコードコレクターの間でも話題となりました。

森山良子さんの5つの名曲は、それぞれ異なるテーマや時代背景を持ちながらも、清らかな歌声でリスナーの心に寄り添い続けています。それぞれの曲に込められたメッセージを改めて味わい、その普遍的な魅力を再確認していただければ幸いです。

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