ジャズのサブジャンル徹底ガイド:起源から現代の多様性まで
ジャズは19世紀末から20世紀初頭にかけてアメリカ南部・ニューオーリンズのアフリカ系アメリカ人コミュニティで誕生し、ラグタイムやブルース、ヨーロッパ音楽の和声、アフリカのリズム的儀礼、精神歌、行進曲など多彩な要素が融合して発展しました。20世紀を通じ、ニューオーリンズ・ジャズ(ディキシーランド)を皮切りに、スウィング、ビバップ、クール・ジャズ、ハード・バップ、モーダル・ジャズ、フリー・ジャズといったコアなモダン・ジャズ群が生まれ、その後ロックやファンクとの融合によるジャズ・フュージョン、カリブ~ラテンのリズムと結びついたラテン・ジャズ、商業的な広がりを見せたスムース・ジャズ、弦楽中心のジプシー・ジャズ、ファンク性の強いジャズ・ファンク、そしてクラシック音楽との対話を試みたサード・ストリームなど、多彩なサブジャンルが現代のジャズシーンを彩っています。
起源と初期スタイル
ニューオーリンズ・ジャズ(ディキシーランド)
ニューオーリンズで誕生した最初期のジャズスタイル。コルネットやクラリネット、トロンボーンによる多声的な集団即興演奏を特徴とし、1917年にオリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドが初録音を果たしたことが広範な普及を促しました。
大衆化とダンスミュージック
スウィング
1930年代から1940年代に全盛を迎えたビッグバンド・スタイル。4拍子を強調したダンサブルなリズムと壮大な編成で、ベニー・グッドマンやデューク・エリントンらが“スウィング黄金時代”を築きあげました。
モダン・ジャズの発展
ビバップ
1940年代半ばに小編成で興った革新的スタイル。チャーリー・パーカーらが高速テンポと複雑なコード進行による高度な即興表現を切り拓き、以後のモダン・ジャズの礎を築きました。
クール・ジャズ
ビバップの興奮を抑制し、静謐で室内楽的なサウンドを追求。マイルス・デイヴィス&ギル・エヴァンスによる「Birth of the Cool」セッションが代表作です。
ハード・バップ
1950年代中頃、ビバップにブルースやゴスペルのエッセンスを加え、よりソウルフルで力強い演奏を目指したスタイル。アート・ブレイキーやホレス・シルヴァーが旗手として活躍しました。
モーダル・ジャズ
コード進行ではなくスケール(モード)を即興の基盤とし、シンプルながら深遠な音楽空間を創出。1959年のマイルス・デイヴィス『Kind of Blue』がその金字塔です。
フリー・ジャズ
1960年代にオーネット・コールマンらが展開した、調性やリズム構造を廃した完全即興の実験的スタイル。ジャズ表現の自由度を最大限に押し広げました。
派生と多様化
ジャズ・フュージョン
1960年代後半、ジャズの即興性とロック・ファンクのリズムを電化楽器で融合。マイルス『Bitches Brew』をはじめ、ウェザー・リポートやハービー・ハンコックらが新たな地平を切り拓きました。
ラテン・ジャズ
アフロ=キューバンの打楽器とジャズ即興を融合。1940年代のディジー・ガレスピー×チャノ・ポソ共演でクラーベが導入され、本格化しました。
スムース・ジャズ
1970年代末~1980年代にポップ/R&B志向を強めた商業的スタイル。メロディとグルーヴ重視でラジオヒットを連ね、1980~90年代に大ブームとなりました。
ジプシー・ジャズ
1930年代、ジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリがパリで創始。アコースティック・ギター中心の「ラ・ポンプ」と呼ばれる独特のリズムが特徴です。
ジャズ・ファンク
1960年代末~1970年代にファンクのビートを取り入れたスタイル。アナログシンセやホーンリフを多用し、高いグルーヴ感とキャッチーさが魅力です。
サード・ストリーム
1957年にガンサー・シューラーが提唱。ジャズの即興性とクラシックの作曲技法を融合しようとする“第三の流れ”として、作曲家やアレンジャーの創造領域を拡大しました。
以上の各サブジャンルは、歴史的背景や演奏の文脈が異なりながらも、現代に至るまでジャズの多彩な魅力を支えています。まずは気になるスタイルの代表作を聴き比べ、ジャズの奥深い世界を堪能してみてください。
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