【永久保存版】アート・ネヴィルのレコードコレクションとニューオーリンズサウンドの魅力
アート・ネヴィルとは?
アート・ネヴィル(Art Neville)は、アメリカ・ニューオーリンズ出身の伝説的なミュージシャンであり、ニューオーリンズ・リズム&ブルースの中心人物の一人です。1937年12月17日に生まれ、2019年7月22日に亡くなりましたが、その音楽は今も多くのファンに愛され続けています。彼のキャリアは1950年代から数十年にわたり、ニューオーリンズの音楽シーンを支え、その独特なサウンドで数々のヒットを生み出してきました。
アート・ネヴィルの音楽スタイルと影響
アート・ネヴィルはニューオーリンズ・ファンク、リズム&ブルース、ゴスペル、ジャズの要素を巧みに融合させ、独特のグルーヴ感を持つ音楽を作り出しました。特にグルーヴィーなオルガン演奏は彼の特徴であり、そのサウンドは後のファンクミュージシャンにも大きな影響を与えています。
ニューオーリンズならではのリズム感とホーンセクションの活用、そしてソウルフルなヴォーカルが特徴で、アート・ネヴィルの音楽は「ニューオーリンズ・サウンド」の代名詞とも言えます。彼はファンクの先駆者としても評価が高く、特に1970年代にファンクバンド「アース・ウィンド・アンド・ファイアー」や「ザ・メイシオ・パーカー」といったアーティストにも影響を与えました。
レコード時代のアート・ネヴィル:初期活動とアート・ネヴィル&ザ・ネヴィル・ブラザーズ
アート・ネヴィルの音楽キャリアは1950年代初頭にニューオーリンズでスタートしました。彼はまず「アート・ネヴィル・クインテット(Art Neville Quintet)」として活動し、シングル盤で地元の人気を獲得します。
この頃の代表的なシングルには、1955年にリリースされた「Mardi Gras Mambo」(Imperial Records)があり、これはニューオーリンズのマルディグラ(謝肉祭)にちなんだ楽曲で、現在でもニューオーリンズ音楽の古典として愛され続けています。この曲は特にレコードコレクターの間でも人気が高く、オリジナルの7インチシングルは希少価値があります。
1960年代に入ると、アート・ネヴィルは「ザ・ネヴィル・ブラザーズ」としての活動に力を入れていきます。彼の兄弟たちと結成したこのグループは、ニューオーリンズ音楽の伝統を守りつつも、新たなサウンドにも挑戦しました。彼らのレコード作品には下記のようなものがあります。
- 「The Neville Bros.」(1981年、A&M Records)- LPレコードとしてリリース。アートのピアノとオルガンが特徴的なアルバムで、メンバーそれぞれの個性が光ります。
- 「Fiyo on the Bayou」(1981年、A&M Records)- こちらもLPレコードとしてリリース。ニューオーリンズ特有のファンクとR&Bが満載の作品です。
当時のLPレコードはアート・ネヴィルの音楽性を最もよく表しており、ディスクユニオンやヴィンテージショップ、オークションなどで入手可能です。これらのレコードは年代的に希少価値がある上、ネヴィル兄弟のファンにとってはマストアイテムとなっています。
レコードで味わうアート・ネヴィルの名盤
アート・ネヴィルのソロ作やザ・ネヴィル・ブラザーズとしての名盤は、レコードフォーマットで聴くことが何よりの魅力です。アナログ独特の温かみのある音質と、ジャケットアートの魅力はデジタル配信では味わえません。ここでは特に注目すべきレコード作品を紹介します。
「Mardi Gras Mambo」 (Imperial Records, 1955)
アート・ネヴィル・クインテットが残した代表作で、単なるシングルですがニューオーリンズ音楽の歴史に残る名曲です。7インチシングル盤のオリジナルはヴィンテージ市場で人気が高く、状態の良いレコードはコレクターズアイテムとなっています。この曲のリズムと楽しさはニューオーリンズのマルディグラを象徴し、毎年のフェスティバルでも演奏されることが多い作品です。
「The Neville Brothers」 (A&M Records, 1981)
LPレコードでリリースされたこのアルバムは、ネヴィル・ブラザーズの原点を探る上で外せません。アートのオルガン、チャールズ・ネヴィルのサックス、アーロン・ネヴィルの独特のヴォーカルなど、ニューオーリンズらしい多彩で豊かなサウンドが魅力です。ファンク、ソウル、ブルースの要素が絶妙にミックスされており、レコードプレイヤーから流れる音の温かさも相まって、音楽ファンを魅了します。
「Fiyo on the Bayou」 (A&M Records, 1981)
同じく1981年にリリースされたこの作品は、よりファンク色が強く、ニューオーリンズの港湾地帯を連想させるムードが漂います。アナログレコードで聴くと、ベースラインの太さやドラムの質感がより生々しく感じられ、当時の録音技術と演奏の力強さを実感できます。ザ・ネヴィル・ブラザーズの中でもファンクファンに特に人気の高い作品です。
アート・ネヴィルのレコード収集の楽しみ方
アート・ネヴィルのレコードを集める際には、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
- オリジナル盤を狙う:1950〜70年代にプレスされたオリジナル盤は、その時代の録音技術やジャケットデザインを楽しめ、コレクション価値も高いです。
- 状態の確認:アナログレコードは盤のキズやジャケットの痛みが音質に影響します。クリーニングや保管方法にも注意しましょう。
- 限定盤やプロモ盤の収集:プロモーション用のプロモ盤や限定盤は希少で、音質やミックスが一般盤と異なる場合があり、探す楽しみがあります。
- ニューオーリンズ音楽専門店の利用:ニューオーリンズや大都市の専門レコードショップ、またはオンラインのヴィンテージ市場で入手可能です。
まとめ
アート・ネヴィルは単なるミュージシャンではなく、ニューオーリンズ音楽の歴史と文化を象徴する存在です。彼のレコード作品を手に取り、アナログレコードならではの音の温かさやジャケットアートを楽しむことは、ニューオーリンズのリズムとスピリットを体感することにつながります。
デジタル時代の今だからこそ、彼の1950年代から1980年代にかけてのレコードを通じて音楽のルーツを深く味わう価値は高まっています。レコード収集は単なる趣味を越え、アート・ネヴィルの魂とニューオーリンズの街の息づかいを感じさせてくれるものなのです。


