リトル・アンソニー&インペリアルズのレコードコレクション入門|希少盤と歴史的名曲を徹底解説
リトル・アンソニー&インペリアルズとは
リトル・アンソニー&インペリアルズ(Little Anthony & The Imperials)は、1950年代末から1960年代にかけてアメリカで活躍したR&B、ソウル、ドゥーワップグループです。ニューヨークを拠点に活動し、その美しいハーモニーとエモーショナルなボーカルで幅広い世代から支持を集めました。グループ名の「リトル・アンソニー」はリードボーカルのアンソニー・ゴードンという愛称に由来します。
彼らのレコードは当時の音楽シーンに多大な影響を与え、その魅力は現在のヴィンテージレコード愛好家の間でも高い評価を受けています。本コラムでは、リトル・アンソニー&インペリアルズのレコードに焦点を当てつつ、グループの歴史、代表曲、レコードの価値と特徴について詳しく解説していきます。
リトル・アンソニー&インペリアルズの歴史
リトル・アンソニー&インペリアルズは、1957年にニューヨークのハーレムで結成されました。メンバーはアンソニー・ゴードン(リードボーカル)、クランレン・ブラウン(ファルセット、バリトン)、レルンド・アンダーソン(バリトン)、エルモア・スミス(テナー)などです。彼らの魅力はリトル・アンソニーの透き通るような高音ボーカルにあります。
彼らは1958年にレコードデビューを果たし、「Tears On My Pillow」という曲で一躍有名になりました。この曲は多くのアーティストにカバーされ、現在もソウルバラードの名曲として愛されています。その後も「Shimmy Shimmy Ko-Ko-Bop」や「Goin' Out Of My Head」など、多くのヒット曲を生み出し、1960年代の音楽シーンで重要な存在となりました。
レコードリリースとヒット曲
- Tears On My Pillow (1958年) - グループのデビューシングル。この曲は独特の切ないメロディーで、ドゥーワップファンの間で古典的名曲として知られています。レコードは当時のディスコグラフィックではVee-Jayレコードレーベルからリリースされました。
- Shimmy Shimmy Ko-Ko Bop (1960年) - エネルギッシュでダンサブルな楽曲。この曲はグループの幅広い音楽性を表現しており、ソウル、ポップの要素を巧みに取り入れています。
- Going Out Of My Head (1964年) - Jimmy HolidayとTeddy Randazzoによって書かれたこの曲は、グループ最大のヒットとなりました。バラードスタイルで感情豊かなボーカルが際立ち、リリース当時R&Bチャートで上位にランクインしました。レコードはDCPレーベル(DCPはTeddy Randazzoのプロダクションレーベル)からリリースされています。
- Hurt So Bad (1965年) - この曲も同様にRandazzoの作品で、切ない歌詞とドラマティックな展開が特徴です。ビートルズやその他1960年代のロックバンドにも影響を与えたとされ、関連するレコードもコレクターに人気です。
レコードコレクターズアイテムとしてのリトル・アンソニー&インペリアルズ
リトル・アンソニー&インペリアルズのオリジナルレコードは、1950年代後半から1960年代にかけてのドゥーワップやソウルの名作として、レコードコレクターに高い評価を得ています。特に45回転シングル盤は、ヴィンテージの状態が良ければ数万円から数十万円の価値を持つものも存在します。
これらのレコードは、主にレーベルの違いによって価値が変動します。例えば、初期のVee-JayレコードやDCPレコードからのリリースものは、プレス枚数も少なく希少性が高いため人気があります。ジャケットが付属したオリジナルプレスのシングル盤は特にコレクターズアイテムとして重宝され、状態が良いものはオークションや専門店で高値で取引されています。
リトル・アンソニー&インペリアルズのレコード特有の特徴
- ラベルデザイン:初期のVee-Jayレコードは赤や白のロゴが特徴的で、レコードプレーヤーの光に映えます。一方、DCPレーベルのシングルはシンプルながらも独特なデザインで、RCやRANDの刻印がコレクターの識別ポイントとなります。
- マトリクス番号とステレオ/モノラル:当時の音源は主にモノラル録音が主流でしたが、一部のプレスはステレオヴァージョンが存在します。マトリクス番号の違いで音質や希少性に差が出るため、詳細なディスコグラフィを確認することが重要です。
- ジャケットの状態:オリジナルジャケットの有無や保存状態は価格に大きく影響します。特にインストア・プロモーションステッカーやオリジナルの印刷がしっかり残っているものはプレミアが付きやすいです。
主なレコード盤の収集ポイント
リトル・アンソニー&インペリアルズのレコードを収集する際のポイントをいくつか紹介します。
- 初期のVee-Jayプレス:1958年の「Tears On My Pillow」をはじめ、初期のリリースは非常に希少価値が高いです。オリジナルプレスにこだわりたいコレクターにとっては必須アイテムです。
- DCPレーベルのシングル:「Going Out Of My Head」や「Hurt So Bad」などは人気が高く、プレスが限定的なこともあり、保存状態によって価値が大きく変動します。
- ミックスやテイク違い:特に「Going Out Of My Head」などは何種類かのミックスやマスターが存在すると言われており、レアなテイクを探し求めるマニアも多いです。
- プロモーション盤:レコード・ディストリビューター向けのプロモ盤はさらに希少価値が高いです。ラベルに「Promo」と記載があるものやジャケットに印字があるタイプはコレクター間で人気です。
まとめ
リトル・アンソニー&インペリアルズは、その独特の美しいハーモニーと情感豊かなボーカルで60年代の音楽シーンを彩った重要なグループです。レコードという形で残された彼らの作品は、時代を超えて聴く者を魅了し続けています。特にオリジナルのヴィンテージ盤は、音楽の歴史を物語る証として、コレクターの間で高い評価を得ています。
ライブ録音を除き、彼らの代表曲はレコードとして存在し、そのサウンドの質やアナログ特有の暖かみも相まって、今なお数多くのファンに支持されています。これからリトル・アンソニー&インペリアルズの音楽世界に触れたい方は、ぜひ彼らのオリジナルレコードのディスコグラフィを探索し、その時代の息吹を感じてみてはいかがでしょうか。


