リールのお手入れの仕方|初心者でも簡単!長く使うためのメンテナンス完全ガイド

1. はじめに:リールは釣りの“心臓部”

釣りにおいて、リールは「仕掛けを投げる」「魚を巻き上げる」といった重要な役割を担う釣具の心臓部です。
しかし、リールは精密機械であり、汚れや塩分、砂などが少しでも入り込むと、巻き心地が悪くなったり、内部のギアが摩耗して故障する原因になります。

リールは正しくお手入れすれば、10年以上使い続けることも可能です。
この記事では、初心者でもできる「リールのお手入れ方法」を、釣行後の簡易メンテナンスから定期的な内部メンテナンスまで詳しく解説します。


2. お手入れが必要な理由

リールを放置してしまうと、目に見えない汚れが少しずつ蓄積し、以下のようなトラブルを引き起こします。

⚠️ お手入れを怠ると起こる不具合

  • ゴリゴリとした巻き感(ギアやベアリングの塩固着)
  • ハンドルが重くなる(内部のグリス劣化)
  • ドラグが滑る(塩や砂の付着)
  • サビや腐食(特に海釣りで発生)

特に海釣り後は、塩分が金属部に結晶化しやすいため、真水での洗浄は必須です。
淡水釣りでも、ホコリや砂がリールの内部に入り込むことがあるため、定期的なメンテナンスを習慣化しましょう。


3. 釣行後の簡易メンテナンス(毎回行うお手入れ)

【STEP1】使用後はドラグをゆるめる

釣りを終えたら、まずドラグノブ(糸の出る抵抗を調整する部分)をゆるめておきます。
そのまま放置すると、ドラグワッシャーが潰れてドラグ性能が低下
することがあります。


【STEP2】リール全体を軽く水洗い

  • シャワー程度の水圧で真水をかける
    (高圧で水をかけると内部に水が入り故障の原因になる)
  • 特にハンドル周り・スプール・ラインローラー部分は丁寧に洗う
  • 汚れがひどい場合は、柔らかい布かスポンジで軽く拭く

💡ポイント:
スプレーボトルに真水を入れて吹きかけるだけでもOK。
電子パーツを含む電動リールは、水洗いせず濡れタオルで拭き取ります。


【STEP3】水気をしっかり拭き取る

洗った後はタオルや乾いた布でしっかり水気を取ることが大切。
特に「ベイル」「ハンドル」「スプール下」は水が残りやすいので要注意。
その後、風通しの良い日陰で自然乾燥させます。


【STEP4】可動部にオイルを差す

完全に乾いたら、リール専用のメンテナンスオイルを少量塗布します。

部位使用するもの目的
ラインローラーオイル糸のヨレ防止
ベイルの可動部オイル開閉をスムーズに保つ
ハンドル軸オイル摩擦防止
ギアノブ・ドラグ内部グリス滑らかな巻き心地維持

※オイルの付けすぎは逆効果です。1〜2滴で十分。
余分なオイルはティッシュで拭き取りましょう。


4. スピニングリール・ベイトリール別の注意点

▶ スピニングリールの場合

  • 水が内部に入りやすい構造のため、下向きにして水をかけると内部への侵入を防げます。
  • ラインローラーは特に塩分が付きやすいので、毎回オイル差しを行うと長持ちします。

▶ ベイトリールの場合

  • スプール周りやクラッチ(レバー部分)に砂が入りやすいので、エアダスターで軽く吹くと効果的。
  • ギアノブ部分はグリスを薄く塗ると巻き感が維持されます。

5. 定期メンテナンス(1〜3ヶ月に1回)

釣行頻度が高い人は、定期的に分解清掃を行うことでリールの寿命を大幅に延ばせます。

🔹 簡易分解の範囲(自分でできるレベル)

  • スプール・ハンドル・ベイルアームの取り外し
  • ギア部を軽く拭いて新しいグリスを塗布
  • オイルを注油し直す

💡注意:
内部ギアの分解は無理に行わないこと
メーカーや釣具店による「オーバーホール(専門清掃)」を年1回依頼すると安心です。
特にダイワ・シマノ・アブガルシアなどのメーカーは純正メンテナンスサービスを提供しています。


6. 保管時のポイント

せっかくお手入れしても、保管環境が悪いと劣化します。

  • リールを収納する前にドラグをゆるめておく
  • 湿気の少ない場所で保管(押入れや車内はNG)
  • リールケースまたは通気性のある布袋に入れて保管
  • 長期間使わない場合は、オイルを軽く塗布してから保管

また、海辺近くに住んでいる人は空気中の塩分でもサビが発生しやすいため、
定期的にリールを取り出して軽く拭き直す習慣をつけましょう。


7. よくある質問(Q&A)

Q1. オイルとグリスの違いは?

  • オイル:軽く動く可動部(ラインローラー・ハンドル軸など)に使用
  • グリス:強い力がかかる内部ギアやドラグ部に使用
    → 両方を併用することで、滑らかさと耐久性を両立できます。

Q2. オーバーホールはどれくらいの頻度で行えばいい?

  • 使用頻度が月1回以上なら年1回がおすすめ。
  • 海釣りメインなら半年に1回でも◎。
    メーカー純正のオーバーホールを受けると、内部のベアリングやパッキンの交換もしてもらえます。

Q3. リールを海で落としてしまった場合は?

→ すぐに真水で洗い、可能なら分解・乾燥・注油を行いましょう。
塩分が内部に残ると数日でサビが進行します。
完全に海水に浸かった場合は、釣具店でのオーバーホール必須です。


8. まとめ:小さなケアがリールを守る

リールのお手入れは難しそうに見えて、実は10分程度の習慣でできる簡単な作業です。
たったこれだけで、巻き心地がなめらかに保たれ、トラブルの少ない快適な釣りを続けられます。

✅ 毎回:真水で洗う → 拭き取る → オイル差し
✅ 定期的:分解・グリスアップ
✅ 保管:ドラグをゆるめて通気性の良い場所へ

リールは“釣り人の手の延長”。
その感覚を長く維持するためにも、今日からぜひメンテナンスを習慣にしてみてください。