「モンティ・バドウィグ|西海岸ジャズの名ベーシストと名盤レコードの魅力完全ガイド」
モンティ・バドウィグとは誰か?
モンティ・バドウィグ(Monty Budwig)は、アメリカのジャズベーシストとして知られており、主に1950年代から1980年代にかけて活躍しました。カリフォルニア州出身の彼はその深く温かみのあるベースラインで多くのジャズ作品において重要な役割を果たし、当時のジャズシーンに多大な影響を与えました。モンティの演奏は技巧的でありながらも感情豊かであり、多くのミュージシャンからリスペクトされています。
モンティ・バドウィグのキャリアの特徴
モンティ・バドウィグは、スタジオミュージシャンやジャズバンドのメンバーとして幅広く活動しました。特にウエストコーストジャズの代表的ベーシストとしての地位を確立し、ハリー・エディソンやレナード・フェザーなどの著名アーティストと共演しています。彼のレコード録音は数多く、その多くが当時のアナログLPレコードでリリースされており、ジャズ愛好家にとっては貴重なコレクターズアイテムとなっています。
モンティ・バドウィグの名曲解説
モンティ・バドウィグは単独でリーダーアルバムを多数リリースしたわけではありませんが、彼が参加した名作アルバムや作品群には珠玉の名曲が揃っています。ここでは、特にレコードで聴くことができる彼の演奏が光る代表的な曲をいくつか紹介し、その魅力について深掘りしていきます。
Putting It Together – 『The Monty Budwig Trio』 (レコード盤)
この曲はモンティ自身がリーダーを務めたトリオ編成での名演の一つ。発売は1960年代のアナログLPで、サブスク等では中々見かけることがありません。LPジャケットには彼の写真が大きく掲載されており、ジャズ盤特有の温度感を感じさせる仕上がりです。
ベースの響きが物理的にレコード針と溝を通じて伝わることで、モンティのグルーブ感と柔軟なベースラインがよりリアルに体感できます。そこにラリー・ナッシュのピアノが繊細に絡み、ミュートトランペットが加わることで、温かく落ち着いた夜のジャズクラブの空気感を再現しています。
Gettin’ Together – ビル・ノーバーグの『Surf & Turf』(Contemporary Records, LP)
- レコード情報:Contemporary Records CSL 9271 1973年発売
- 演奏:ビル・ノーバーグ(trumpet), ジョー・ヘンダーソン(tenor sax), モンティ・バドウィグ(bass)
このLPの中でモンティ・バドウィグはベースとしてしっかりとリズムを支えつつ、ビル・ノーバーグのトランペットを巧みに引き立てています。アナログ特有のウォームな音質はまさにこの作品の魅力の一つ。無機質なデジタル音源とは一線を画す聴き応えのあるサウンドで、ベース弦の響きやアンビエンスが豊かに再現され、作品全体に臨場感を与えています。
Indian Summer – ジョー・ヘンダーソン『Tetragon』(LP盤, Blue Note Records)
1970年代初頭にリリースされたBlue NoteのLP(BLUE NOTE BST 84192)でのセッションで、モンティはヘンダーソンのアルトサックスと共に非常にリラックスしたグルーブを作り出しています。レコードで聴くと、その深いベースノートが身体に染み渡るような感覚を得られ、楽曲のメランコリックな美しさを最大限に引き立てています。
モンティ・バドウィグのレコード再発・コレクションの魅力
モンティ・バドウィグが参加した作品は、近年でもヴィンテージジャズ愛好家の間で非常に人気があります。リイシュー盤も存在しますが、やはりオリジナルのアナログLPレコードには独特の温かみと音の深みがあり、彼のベースがより生々しく感じられます。
特に西海岸ジャズの黄金期に録音された作品群は、ジャズのスタンダードな名曲を多く含んでいます。モンティのベースは単なる伴奏ではなく、旋律に寄り添い、時にはリード的な役割も果たすなど、演奏に不可欠な要素です。彼の奏でるグルーブは、モノラル録音や初期ステレオ録音のLPで聴くと、よりその繊細さと力強さが際立ちます。
レコード購入時のポイント
- レーベル・カタログ番号を確認する:モンティが参加した作品はContemporary RecordsやBlue Noteなどの有名ジャズレーベルが多いです。
- オリジナル盤かリイシューかを見極める:オリジナルの盤が持つ価値と音質の良さは格別なので、ジャケットの細部まで丁寧にチェックしましょう。
- 盤質の良い中古盤を選ぶ:スクラッチノイズや歪みのない良質な盤を選ぶことが、モンティのベースが持つ繊細な表現を楽しむ鍵です。
まとめ
モンティ・バドウィグの名曲や名演は、彼の深い音楽性と卓越したベースの技術が光るものばかりです。特にアナログレコードで聴く際には、その温かみと臨場感がより一層際立ち、彼の演奏の魅力を新たに体感できます。ジャズベースの奥深さを知りたい方や、ヴィンテージジャズの真髄を味わいたい方にとって、モンティ・バドウィグのレコードは必携の作品群と言えるでしょう。


