IPアドレスとは?仕組み・種類・確認方法を初心者にもわかりやすく解説

はじめに

インターネットを使うすべての機器には、必ず「IPアドレス」が割り当てられています。
スマートフォン、パソコン、プリンター、サーバーなど、ネットワークにつながるものは例外なくIPアドレスを持っています。

この記事では、IPアドレスとは何かどんな種類があるのか、そしてどのように確認できるのかを、初心者にも分かりやすく解説します。


1. IPアドレスとは?

IPアドレス(Internet Protocol Address)とは、
インターネット上で機器を識別するための住所のような番号
です。

インターネットは世界中の機器がつながる巨大なネットワーク。
その中で、あなたのスマホやパソコンがどの機器と通信すべきかを判断するために、
IPアドレスが「通信先の住所」として使われています。

例えるなら――

  • IPアドレス=郵便の「住所」
  • 通信データ=「手紙」
  • ネットワーク=「郵便の配達経路」

このように、データは「IPアドレス」という住所を頼りに、正しい機器へ届くように設計されています。


2. IPアドレスの構造

IPアドレスは「数字の組み合わせ」で表され、現在は主に以下の2種類があります。

種類表記例特徴
IPv4192.168.1.1最も一般的。約43億個まで発行可能
IPv62400:cb00:2048:1::c629新しい方式。ほぼ無限に近い数を扱える

● IPv4(アイピー・ブイ・フォー)

  • 32ビット(0〜255の数値)×4つで構成。
  • 例:192.168.0.1
  • 数が限られており、世界的に枯渇(不足)問題が発生。

● IPv6(アイピー・ブイ・シックス)

  • 128ビットのアドレス構造。
  • 例:2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
  • 理論上、地球上のすべての機器に個別のIPを割り当て可能。
  • スマート家電やIoT機器の普及に伴い、IPv6への移行が進んでいます。

3. グローバルIPとプライベートIP

IPアドレスには、利用範囲によってグローバルIPアドレスプライベートIPアドレスの2種類があります。

種類説明使用例
グローバルIPアドレスインターネット上で一意に識別される番号プロバイダ(ISP)が発行。Webサーバーなど
プライベートIPアドレス家庭や社内LAN内で使う内部用の番号ルーター・スマホ・パソコンなど

● 例:

家庭のネットワークでは、

  • ルーターがプロバイダから「グローバルIP」をもらい、
  • 家の中の各機器には「プライベートIP」を割り当てています。

通信時には「NAT(Network Address Translation)」という仕組みで、
プライベートIPをグローバルIPに変換して外部と通信します。


4. 固定IPアドレスと動的IPアドレス

IPアドレスは、機器や接続ごとに**固定(Static)または動的(Dynamic)**に割り当てられます。

種類特徴利用例
固定IPアドレス常に同じアドレスを使用サーバー、VPN接続など
動的IPアドレス接続のたびに変わる一般家庭のインターネット利用

● 固定IPのメリット

  • 外部から安定してアクセス可能
  • Webサーバー・メールサーバー運用に必須

● 動的IPのメリット

  • セキュリティリスクが低い
  • 管理が簡単でコストも安い

5. IPアドレスの確認方法

● Windowsの場合

  1. 「コマンドプロンプト」を開く
  2. 次のコマンドを入力ipconfig
  3. 「IPv4 アドレス」に表示されるのが自分のIP

● macOSの場合

  1. 「システム設定」→「ネットワーク」
  2. 使用中のネットワークを選択
  3. 「詳細」→「TCP/IP」タブで確認可能

● スマートフォンの場合

  • iPhone:「設定」→「Wi-Fi」→接続中のネットワーク→「IPアドレス」
  • Android:「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」→詳細設定

● 自分のグローバルIPを確認するには

ブラウザで「IPアドレス 確認」と検索すれば、自動で現在のグローバルIPが表示されます。


6. IPアドレスとセキュリティ

IPアドレスは「通信の住所」でもあるため、セキュリティ面での配慮が重要です。

● 注意点

  • 不審なアクセスや攻撃は、IPアドレスをもとに行われることがある
  • サーバー管理者は「アクセスログ」から不正アクセス元を特定可能
  • 一般ユーザーでも、VPNを利用することで自分のIPを隠すことが可能

● VPN利用のメリット

  • IPアドレスを一時的に変更して匿名性を高める
  • 公共Wi-Fiなどで通信を暗号化できる

まとめ

項目内容
定義ネット上で機器を識別するための「住所」
形式IPv4(32ビット)/IPv6(128ビット)
種類グローバルIP・プライベートIP
割り当て固定(Static)・動的(Dynamic)
重要性通信の経路指定・アクセス制御・セキュリティ対策に不可欠

インターネットの裏側では、膨大な数のIPアドレスがデータの流れを正確に導いています。
「IPアドレスを理解すること」は、ネットワークの仕組みやセキュリティを学ぶ第一歩。
ぜひ一度、自分のIPアドレスを確認してみてください。