Barbra Streisandのレコード必携アルバム8選|名曲と聴きどころを徹底ガイド
はじめに — Barbra Streisand をレコードで聴く楽しみ
Barbra Streisand は20世紀後半のポップ/ブロードウェイ歌唱を代表するシンガーの一人です。透き通る高音域と表現力豊かなフレージング、映画やミュージカルを横断するレパートリーで長年にわたり支持されてきました。本コラムでは「レコードで手に入れたい」代表作をピックアップし、曲の魅力や聴きどころ、アルバム毎の特徴を深堀りして紹介します。初めて聴く人もコレクターも参考になるよう、ジャンルや時代ごとにおすすめポイントを整理しました。
The Barbra Streisand Album (1963)
デビュー作にして彼女の声と表現が凝縮された作品。ジャズ/ポップ・スタンダードを中心に、アコースティックでシンプルな伴奏の中に歌声の魅力が際立ちます。
- 主な収録曲:”Happy Days Are Here Again”、”Cry Me a River”、”My Coloring Book” など
- おすすめポイント:若き日の伸びやかな高音と繊細な語りかけるような歌い回しが存分に味わえます。歌唱の芯がはっきりしており、彼女のボーカリストとしての素養を知るのに最適。
- 聴きどころ:イントロの間(あいだ)や語尾の処理、曲ごとのダイナミクスの付け方。スタンダードの解釈力を比較する教材的価値も高いです。
People (1964)
ヒット曲「People」を中心に、ポップ/シアター寄りのアレンジが光るセカンド期の代表作。Streisand の“物語を語る”歌い方が際立ちます。
- 主な収録曲:”People”、”Don’t Rain on My Parade”(※別バージョンで知られることも多い)など
- おすすめポイント:劇的で物語性のあるナンバーが多く、映画や舞台音楽が好きなリスナーに刺さる構成。表現のレンジ(低域から高域までの幅)が確認できます。
- 聴きどころ:タイトル曲「People」は歌詞とフレーズの扱いが重要。間の取り方やサビの高揚感を注目して聴くと新たな発見があります。
A Happening in Central Park (1968)
伝説の野外無料コンサートを収めたライヴ盤。聴衆の歓声やステージの空気感まで含めて、Streisand の“パフォーマー性”を体感できる一枚です。
- 主な収録曲:ステージ定番やミュージカル・ナンバーのライブ・アレンジが中心
- おすすめポイント:スタジオ盤とはひと味違う、即興的なトークや伸びやかなロングトーンが魅力。ファンにとっては必聴の歴史的音源です。
- 聴きどころ:MC(トーク)と曲の間の流れ、ライブならではのダイナミクス。コンサート会場の空気まで楽しめます。
The Way We Were (1974)
同名映画の主題歌を中心にしたアルバム。ロマンティックで映画的なアレンジのバラードが多く、Streisand の“感情の込め方”が深く伝わります。
- 主な収録曲:”The Way We Were”、”Being at War with Each Other” など
- おすすめポイント:映画音楽的なアレンジと歌唱が見事に融合した一枚。聴き手の記憶に残るメロディの作り方が学べます。
- 聴きどころ:タイトル曲の語りかけるような導入からクライマックスへの持っていき方。映画の情景を想像しながら聴くとより深く味わえます。
A Star Is Born – Soundtrack (1976)
映画『スター誕生』のサウンドトラック。Streisand の演技と歌唱が結実した傑作で、バラードからロック寄りのナンバーまで幅広い表現が楽しめます。
- 主な収録曲:”Evergreen”、”The Way He Makes Me Feel” など
- おすすめポイント:映画音楽としての起伏とドラマ性が強く、物語に寄り添う歌唱は特に感動的。ポップ・スタンダードを超えたスケール感があります。
- 聴きどころ:ナラティヴ(物語性)を感じさせる曲構成。アクトごとの感情の移ろいを追いながら聴くと映画の一場面をなぞるように楽しめます。
Guilty (1980)
Barry Gibb(Bee Gees)をプロデューサーに迎えた商業的大ヒット作。ディスコ/ポップ寄りのサウンドで、80年代のポップ・スターとしての側面を見せたアルバムです。
- 主な収録曲:”Woman in Love”、”Guilty”(with Barry Gibb)など
- おすすめポイント:Streisand の歌唱がモダンなポップ・プロダクションにうまく融合した例。ポップ・シンガーとしての柔軟性を感じられます。
- 聴きどころ:ヴォーカル・レイヤーやコーラスの使い方、80年代特有のリズムトラックと歌声の掛け合わせをチェックすると面白いです。
The Broadway Album (1985)
ブロードウェイ・ソングを集めた企画盤。Streisand が本領を発揮する一枚で、舞台曲のドラマ性と彼女の表現力が相まって高い評価を得ました。
- 主な収録曲:”Somewhere”、”Not While I’m Around” など(アルバム構成は複数の名曲を丁寧に収録)
- おすすめポイント:ブロードウェイ・ナンバーの“本質”を汲み取った歌唱で、演劇的表現を好むリスナーには格好の入門盤。アレンジも洗練されています。
- 聴きどころ:歌詞のドラマ性、フレーズの解釈、曲ごとの展開の取り方。舞台音楽としてのテクスチャーに注目してください。
Higher Ground (1997)
成熟した歌唱と現代的プロダクションが融合した後期の代表作。キャリアを通して培った表現力が落ち着きを持って発揮されています。
- 主な収録曲:ポップ、ソウル、バラードがバランス良く配置された構成
- おすすめポイント:多彩なジャンルを取り入れつつもStreisandらしい“物語る歌い方”が中心。長年のファンと新規リスナーの橋渡しになる作品です。
- 聴きどころ:声のニュアンス(ビブラートや語尾の処理)、楽曲ごとのアレンジの違いに注目すると、成熟した技術がよくわかります。
初心者のための「まずはこれを聴け」ガイド
- とにかく歌声の魅力を味わいたい人:The Barbra Streisand Album(1963)
- 映画/ドラマチックな世界を楽しみたい人:A Star Is Born(1976)やThe Way We Were(1974)
- ライブの熱気を体感したい人:A Happening in Central Park(1968)
- ポップ寄りのヒットを聴きたい人:Guilty(1980)
- ブロードウェイ・ソングの良さを知りたい人:The Broadway Album(1985)
聴くときの視点(音楽的な楽しみ方)
- 歌詞と物語性:Streisand は歌詞を“語る”力に長けています。歌詞の意味や背景を調べてから聴くと、表現の深さが増します。
- アレンジとの融合:小編成のジャズ風アレンジから大編成のストリングスまで多彩です。編曲の変化が曲の印象に大きく影響するので、アレンジにも注目して聴いてください。
- 時代ごとのプロダクション:60年代のナチュラルな伴奏から80年代のシンセ/リズム重視サウンドまで、時代背景を踏まえて聴くと彼女の適応力が見えてきます。
まとめ
Barbra Streisand のディスコグラフィーはジャンル横断的で、1枚ごとに別の顔を見せてくれます。歌唱の本質は一貫して「物語を伝える力」。レコードで聴くと、年代ごとのアレンジや歌声の質感がはっきりとわかるため、アルバム単位で聴き比べるのがとても面白いです。まずは上で挙げた数枚を手に取り、時代とともに変化する彼女の表現を追ってみてください。
参考文献
- Barbra Streisand Official Site
- Barbra Streisand — Wikipedia
- Barbra Streisand — AllMusic
- Barbra Streisand — Discogs
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