今からレコードで聴きたいSteve Winwood名盤6選|聴きどころと盤選びのコツ

はじめに — Steve Winwood を改めて聴く理由

Steve Winwood(スティーヴ・ウィンウッド)は、60年代のR&B/ソウル志向の若き天才から、サイケデリック、プログレ、フォーク、ポップ、AORまで自在に横断した稀有なミュージシャンです。ヴォーカルの表現力、オルガンやキーボードの演奏、そして作曲センスはどの時代の作品にも一貫した魅力を与えています。本コラムでは「今からレコードで聴きたい」おすすめ盤をピックアップし、それぞれの聴きどころと楽しみ方を深掘りします。

おすすめレコード(一覧)

  • Traffic — John Barleycorn Must Die
  • Traffic — The Low Spark of High‑Heeled Boys
  • Blind Faith — Blind Faith(セルフタイトル)
  • Steve Winwood — Arc of a Diver
  • Steve Winwood — Back in the High Life
  • Spencer Davis Group — 60年代シングル集(「Gimme Some Lovin'」等)

Traffic — John Barleycorn Must Die

なぜ聴くべきか:Traffic の復帰第1弾的な作品で、フォーク〜ブルースの深みとジャム的アプローチが混ざり合う名盤です。Winwood のアコースティック弾き語りやオルガンが曲を根底から支え、バンドとしての即興性とソングライティングのバランスが絶妙。

聴きどころ:

  • タイトル曲や長尺のインスト/ヴォーカルの組み立て。アンサンブルの呼吸を楽しめる。
  • Winwood の声の温度感とアコースティック楽器群の響き。ライブ感を活かしたミックス。
  • フォーク/ルーツ志向の楽曲が多く、60年代末〜70年代初頭の転換点を感じられる。

Traffic — The Low Spark of High‑Heeled Boys

なぜ聴くべきか:ジャズやファンクの影響を受けた複雑なリズムと大らかな即興性が同居する作品。タイトル曲の長尺アンセムや、抑制と爆発の効いたアレンジが魅力です。

聴きどころ:

  • ドラマチックなタイトル曲はアルバムのハイライト。間やコード感、管楽器の扱いに注目。
  • Winwood のキーボード(特にエレピ/オルガン)と、独特のスローでグルーヴするリズムが心地よい。
  • アルバム単位での流れを楽しむと、各曲の「つながり」が浮かび上がる。

Blind Faith — Blind Faith(セルフタイトル)

なぜ聴くべきか:短命だったスーパーグループの唯一作。Clapton、Baker といったロック・レジェンドと若き Winwood が混ざり合い、強烈な化学反応を起こした瞬間を記録しています。

聴きどころ:

  • Winwood の歌と鍵盤プレイが、名うてのギタリストたちとどう対峙するかを楽しめる。
  • 短いアルバムながら曲ごとの個性が濃く、ロック/サザン・ゴスペル風の要素が見える。
  • 歴史的背景(スーパーグループの一過性)も含めて聴くと面白い。

Steve Winwood — Arc of a Diver

なぜ聴くべきか:Winwood ソロ作の転機となる一枚。シンセサイザーやマルチトラック・オーバーダビングを駆使して一人多重録音で作られた楽曲群は、彼のソングライティングとアレンジ能力が凝縮されています。

聴きどころ:

  • "While You See a Chance" を代表に、メロディの良さが際立つポップ性と内省的なサウンドスケープ。
  • キーボード中心のテクスチャに注目。音色の選定やシンセの使い方が当時としては先進的。
  • ソロ・アーティストとしての独立性と創作の自由が色濃く出ている。

Steve Winwood — Back in the High Life

なぜ聴くべきか:商業的にも成功した代表作。ソウル/ポップに寄ったサウンドで、「Higher Love」などヒット曲を生み、スタジオでの洗練されたプロダクションが光ります。

聴きどころ:

  • キャッチーなメロディと洗練されたアレンジの融合。ヴォーカルの表現力と楽曲の完成度が高い。
  • スタジオ・ワークの作り込み(サウンドの粒立ち、コーラス使い等)を楽しめる。
  • ポップ寄りの側面があるため、Winwood の広い音楽性を感じる入り口にも最適。

Spencer Davis Group — 60年代シングル集(「Gimme Some Lovin'」等)

なぜ聴くべきか:若き Winwood が10代で放ったR&B / ブルー・アイド・ソウルの衝動をそのままパッケージした重要音源。短い曲に詰まった熱量を味わえます。

聴きどころ:

  • 「Gimme Some Lovin'」の力強いヴォーカルとオルガンリフ、シンプルで強烈なR&B感。
  • 短いシングル曲の中にあるグルーヴ感と即戦力の演奏。
  • Winwood の原点を知るための入門盤的存在。

各アルバムの「楽しみ方」— 深掘りポイント

  • アルバム全体の流れを意識する:Traffic や Blind Faith の作品は曲間のコンテクスト(配置)で深みが増します。
  • 楽器の役割に注目する:Winwood のキーボードはしばしばリード・メロディ/裏旋律の両方を担います。オルガンやエレピの役割を追うと新しい発見があります。
  • ヴォーカルのダイナミクスを聴く:若い頃から中年期まで、声の質やフレージングの変化を追うとキャリアの厚みが分かります。
  • 長尺曲の「呼吸」を味わう:Traffic の長い曲は即興パートが多く、リラックスして聴くと演奏の流れが楽しめます。

購入時の実用アドバイス(盤選びの観点)

  • オリジナル・プレスとリイシューでマスタリング差があるため、気になる場合はプレビュー(試聴)を推奨します。
  • 初回プレスやUK盤は音像・雰囲気が良いとされることが多いですが、リマスターでクリアになるものもあるため好みで選んでください。
  • 解説やライナーノーツの充実度も盤によって差があるため、資料性を重視するなら国内盤・リイシュー盤の充実した再発を検討するとよいでしょう。

まとめ

Steve Winwood の魅力は「時代やジャンルを超えて歌い、弾き、作る」点にあります。Traffic や Blind Faith に残した名演から、ソロでの洗練されたポップ作品まで、どの盤も異なる顔を見せてくれるでしょう。まずは上で挙げた数枚を軸に、自分の好みに合わせて深掘りすると、Winwood の音楽世界の広さと奥行きを堪能できます。

代表曲(ピックアップ)

  • Gimme Some Lovin'(Spencer Davis Group)
  • Can't Find My Way Home(Blind Faith)
  • John Barleycorn(Traffic)
  • The Low Spark of High‑Heeled Boys(Traffic)
  • While You See a Chance(Steve Winwood)
  • Higher Love(Steve Winwood)

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