T.Rex(マーク・ボラン)おすすめレコード深掘りガイド|名盤・代表曲と盤選びのポイント

T.Rex(マーク・ボラン)おすすめレコード深掘りガイド

1970年代初頭のグラム・ロックを代表する存在、T.Rex(主導者はマーク・ボラン)。ロックンロールの直情とポップなメロディ、神話的な歌詞世界を併せ持つ彼らの音楽は、短期間でシーンを塗り替えました。本コラムでは代表的なアルバムとシングルを、楽曲の魅力・時代背景・レコードとしての聴きどころに焦点を当てて解説します(再生や保管の実践的アドバイスは除きます)。

重要アルバムの深掘り

Electric Warrior(1971)

T.Rexを一躍スターダムに押し上げた名盤。グラム・ロックの定義的アルバムであり、ロックの「粗さ」とポップの「洗練」が両立しています。

  • 聴きどころ:シングル「Get It On (Bang a Gong)」は一度聴けば忘れられないグルーヴとコーラス感。アコースティック/エレキの使い分け、ミニマルな編曲に宿る余白が魅力。
  • サウンドの特徴:ギターリフとオルガン的な響きが同居し、ボランのヴォーカルは歌謡性とシニカルさを併せ持つ。
  • おすすめリスニング層:初めてT.Rexに触れるリスナーに最適。ここから彼のポップ・ロック世界へ入ると理解が早い。

The Slider(1972)

Electric Warriorの商業的成功を受けて作られたアルバムで、ポップセンスがさらに研ぎ澄まされています。シングル曲群とアルバム曲のクオリティが高く、名盤扱いされることが多いです。

  • 聴きどころ:「Metal Guru」「Telegram Sam」など、キャッチーなリフとコーラスが並ぶ。ポップ性のピーク。
  • 制作面:スタジオのレイヤー感が増し、バンド感と一人称的な歌詞世界が同居。

Tanx(1973)

よりソウルフルでアレンジが豊かな時期の作品。ポップ路線の延長でありながら、音楽的な幅の広がりが感じられます。

  • 聴きどころ:時にブラスやコーラスを導入し、より「大きな音」を目指した意欲作。T.Rexの多面性を知る助けになります。

Zinc Alloy and the Hidden Riders of Tomorrow(1974)

実験色の強い作品で、サイケやファンク、R&B的要素が混ざります。賛否両論のアルバムですが、ボランの音楽的冒険心を知るには重要です。

  • 聴きどころ:ポップなヒット性よりも、作曲やアレンジの変化球を楽しめるリスナー向け。

Dandy in the Underworld(1977)

活動終盤にあたるアルバムで、初期のシンプルさと後期の技巧が融合した作風。復活の息吹を感じさせる楽曲が散見されます。

初期・変遷を知る:My People Were Fair... / A Beard of Stars

1968年〜1970年前後の作品群は、フォークやサイケデリックの影響が色濃い時代。Electric Warrior以前の制作背景を追うことで、マーク・ボランがどのようにエレクトリックなポップに到達したかが見えてきます。

代表曲とその魅力(ピックアップ)

  • Get It On (Bang a Gong):グルーヴ感とキャッチーなフック。T.Rexの代名詞的ナンバー。
  • Jeepster:ボランの甘い語り口とロックの荒々しさが混じるナンバー(レトロ感とロマンが同居)。
  • Ride a White Swan:初期のブレイク曲。シンプルながら強烈なメロディ。
  • 20th Century Boy:ギターのシャープなイントロが印象的なシングル・アンセム。
  • Children of the Revolution:アンセミックなコーラスとリズムが特徴的。

どのアルバムから買うべきか(入門〜深掘りの順)

  • 入門:Electric Warrior — まずはここから。グラム期の代表作でT.Rexの魅力が凝縮。
  • 次に聴きたい:The Slider — ポップ性のさらなる拡張。
  • 深掘り:Tanx / Zinc Alloy — 音作りや変化球を楽しみたい人向け。
  • 歴史を辿る:My People Were Fair... / A Beard of Stars — ボランの変遷を追いたい人に。
  • コレクション編:シングル集やベスト盤(「20th Century Boy」や「Great Hits」系)で名曲群を網羅。

中古市場・盤選びのポイント(音楽性中心の観点)

  • オリジナル盤の魅力:1971〜73年の初回プレスはジャケットやインナースリーヴの仕様が異なることがあり、コレクター的価値が付く場合があります。音の傾向としてはオリジナル・アナログ盤の温度感を好むファンも多いです。
  • 再発盤の利点:マスタリングやリマスターが施された再発はノイズ処理やEQの調整で聴きやすさが向上していることがあるため、普段使いには適していることもあります。
  • 国別差:英国盤と米国盤ではジャケットや収録曲順が違う場合があるため、どのバージョンの曲順・ジャケを好むかで選ぶと満足度が高まります。
  • 編集盤:未発表曲やB面集を収録した編集盤は、コアなファンにとって掘り出し物が多いですが、音質や選曲の整合性は盤によって差が出ます。

聴き方の提案

  • アルバムを通して聴く:T.Rexはシングル曲の強さがまず目立ちますが、アルバム通して聴くことでボランの世界観(言葉遊び・イメージの反復・アレンジの変化)をより深く味わえます。
  • 年代順に追う:初期のサイケ〜フォーク系からElectric Warriorでの突入、そこからの変化(タンセク/実験的作品)へと時間順に聴くと変化のドラマが理解しやすくなります。

最後に:T.Rexの魅力をどう享受するか

T.Rexの音楽は短く強烈なフレーズ、シンプルだがクセになるメロディ、そしてマーク・ボランの独特の詩世界が核です。ベスト盤で名曲を押さえつつ、名盤と呼ばれるアルバムを一枚ずつ聴き進めることで、新たな発見が必ずあります。ロックの骨太さとポップの甘さが混ざり合う彼らの世界を、ぜひレコードで味わってください。

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