ブライアン・フェリー&Roxy Music必聴名盤ガイド|入門者向けおすすめレコードと聴き方
Bryan Ferry(ブライアン・フェリー)とは――簡潔なイントロダクション
ブライアン・フェリーはイギリス出身のシンガーソングライター/プロデューサーで、1970年代にロキシー・ミュージック(Roxy Music)の中心人物として登場し、その後ソロでも独自のスタイルを確立しました。モダンで洗練された美意識、ジャズやソウル、アンビエント的要素を取り入れたアレンジ、そして都会的で官能的なボーカルが特徴です。本稿では、入門としてもコレクションの中核にもなるおすすめレコードを選び、各作の魅力と聴きどころを深掘りします。
なぜBryan Ferryを聴くべきか
- ロック、ポップ、ラウンジ、アートロックが混ざり合った独特のサウンドスケープ。
- 派手さよりも「質感」を重視するプロダクションと表現力のある歌声。
- カバー曲の解釈力や、時代ごとに変化するアレンジ感覚が楽しめる。
Roxy Music 必聴盤(フェリーのルーツを知る)
Roxy Music — 『Roxy Music』(1972)
バンドのデビュー作。グラム・ロックと実験的なアート・ポップが交錯するサウンドで、フェリーのボーカルとヴィジュアル志向が早くも明確になります。初期ロキシーの荒々しい創造力と前衛性を味わえる一枚です。
- 聴きどころ:初期の衝動と美意識の形成がそのまま詰まっている点。
- このアルバムを通じてロキシーという枠組みとフェリーのソロ活動の接点が見えてきます。
Roxy Music — 『Siren』(1975)
1970年代中盤の作品で、ロキシーのポップ志向と大衆性が強まった時期。滑らかなメロディと洗練されたアレンジが並び、バンドとしてのピークの一つと評されます。
- 聴きどころ:大衆性とアート性のバランス、フェリーの表現の幅。
Roxy Music — 『Avalon』(1982)
ロキシーの代表作にして「成熟した大人のポップ」を具現化した名盤。ドリーミーで透明感のあるサウンド、フェリーの落ち着いた歌唱はこの時期に完成の域に達します。都会的で夜のムードに合う一枚です。
- 代表曲:タイトル曲「Avalon」、そして「More Than This」など(どちらもバンドの代表的なナンバー)。
- 聴きどころ:シンセやムード重視のプロダクション、余裕のある歌い回し。
ソロ必聴盤(フェリー個人の世界を堪能する)
These Foolish Things(1973)
フェリーの初期ソロ作で、スタンダードやポップスのカバーを中心にしたアルバム。彼のプロデュース感覚と解釈力がよく分かる作品で、ロキシーとは異なる“個人的な趣味”が色濃く出ています。
- 聴きどころ:カバー曲への独自のアプローチ、フェリー流のムード作り。
Boys and Girls(1985)
ソロとしての商業的成功と芸術性が高いレベルで結実したアルバム。エレガントで耽美的な雰囲気が特徴で、フェリーのソロ・キャリアの中でも特に人気が高い一枚です。
- 代表曲:ソロの代表曲「Slave to Love」を収録(ソロ作品の象徴的ナンバー)。
- 聴きどころ:洗練されたプロダクションと、フェリーのヴォーカル表現の成熟。
Bête Noire(1987)
80年代後半の作品で、当時のポップ/AOR的な音作りを取り入れつつフェリーらしい官能性を維持しているアルバム。国際的に幅広いリスナーに届いた作品群が含まれます。
- 聴きどころ:80年代的サウンドとフェリーのスタイリッシュさの融合。
Taxi(1993)
カバー集にあたる一枚で、フェリーが選ぶ曲により彼の音楽的嗜好と解釈の深さが浮かび上がります。静謐で磨き上げられたサウンドが魅力。
- 聴きどころ:選曲眼とアレンジの落ち着き、歌の表情の付け方。
聴き方の提案:入門から深掘りまでの順序
- まずはAvalon(Roxy Music)で“フェリー印のムード”を掴む。
- 次にBoys and Girlsでソロとしての成熟を確認する。
- 初期のRoxy(デビュー作やSiren)に戻って、彼の表現の進化を追う。
- カバー集(These Foolish Things、Taxi)で解釈力や曲の選び方を楽しむ。
それぞれのアルバムから感じ取れるフェリーの魅力
- テクスチャー重視のプロダクション:音の余白や質感が重要。
- 役者的なボーカル:歌詞を“演じる”ような歌い方が映える。
- 時代ごとのモードの取り込み方:70年代の前衛性から80年代の洗練まで自然に変化。
購入・選盤のヒント(音源選びの観点)
- リマスター盤やコンピ盤は音質やボーナス曲の有無をチェックすると良い(オリジナルの雰囲気を優先するか、音質向上や追加音源を優先するかで選択)。
- ボーナストラックの有無やライナーノーツの内容でそのリリースの価値が変わることがある。
- コンピレーションは入門に便利だが、アルバム単位で通して聴くと制作意図や流れがよく分かる。
最後に
Bryan Ferryは「スタイル」と「曲の見せ方」を追求し続けたアーティストです。単に曲を聴くだけでなく、その世界観、プロダクション、そして時代ごとの変化を追っていくと深い楽しみが得られます。上で挙げたアルバムはどれも異なる側面を見せてくれるので、興味のある方向性に合わせて選んでみてください。
参考文献
- Bryan Ferry - Wikipedia(日本語)
- Roxy Music - Wikipedia(英語)
- Bryan Ferry | AllMusic(英語)
- Bryan Ferry - Discogs(英語)
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