P-Modelをレコードで楽しむ完全ガイド:必聴名盤5枚と時代別の聴きどころ
はじめに — ピー・モデルとは何か
ピー・モデル(P-Model)は、1979年に結成された日本のニュー・ウェイヴ/テクノポップを代表するバンドで、中心人物は平沢進(Susumu Hirasawa)。プログレッシブ・ロック出身の技術と、当時の電子楽器・シンセサイザー/サンプラー技術を取り入れた先進的なサウンドが特徴です。ロック、ポップ、電子音楽、そして実験性が混ざり合った独特の音世界は、現在に至るまで多くのミュージシャンやオーディエンスに影響を与え続けています。
聴きどころと時代区分(簡潔なガイド)
初期(ニュー・ウェイヴ寄り):ギター主体のロック感とシンセの併存。楽曲の骨格がしっかりしており、歌メロやアレンジの奇抜さが光ります。
中期(電子志向の深化):シンセ/デジタル機器を大胆に使用し、リズムや音色の実験が進む時期。サウンドプロダクションの先鋭化が顕著です。
後期(コンセプチュアル/ソフトウェア志向):コンセプトワークやソフト機器を導入した作品が増え、ライブパフォーマンス/マルチメディア要素も強化されます。
おすすめレコード(深掘りガイド)
IN A MODEL ROOM(デビュー作)
なぜ聴くべきか:P-Modelの出発点であり、バンドの核となる作風が最も分かりやすくまとまっている一枚。ギター/ベースによるロック性と、当時の新しい電子音の折衷が強烈です。エネルギーと若さ、実験精神が混ざったサウンドは、後の電子路線への橋渡し的役割を果たしています。
聴きどころ:楽曲構成のシンプルさの中に潜む独特のメロディー感、そしてアグレッシブなアレンジ。歌詞も含めて当時の都市的な感覚が強く出ています。
どの盤を選ぶか:オリジナル盤は音の迫力が魅力ですが、リマスター再発は定位や帯域が整って聴きやすいことが多いです。盤質とジャケットの保存状態を重視して選ぶと良いでしょう。
Landsale(初期〜中期移行期を示す作品)
なぜ聴くべきか:より電子機器の導入が進み、音のテクスチャーやリズムの処理に工夫が見え始める時期の代表作。楽曲はポップ性を保ちながらも、実験的なサウンドメイキングを感じさせます。
聴きどころ:シンセのレイヤーや音の空間処理、時折見せるパーカッシブなリズムアレンジ。歌詞と楽曲イメージのズレを楽しむのもポイントです。
どの盤を選ぶか:中期作品はリマスターで電子音の密度が整理されることが多いので、音像のクリアさを求めるなら再発盤も有力な選択です。
Potpourri(実験性とポップの接点)
なぜ聴くべきか:P-Modelの"遊び"と"計算"が同居した作品。曲ごとに異なるアイデアを詰め込みつつ、全体としての統一感も維持している点が興味深いです。電子音の色彩が豊かになり、楽曲のダイナミクスも巧みに操作されています。
聴きどころ:音色の選び方、フレーズの切り返し、サウンドデザイン的な発想。聴くたびに新しい発見があるアルバムです。
どの盤を選ぶか:オリジナルの雰囲気を味わいたいコレクターは当時のプレスを、細部の音像を楽しみたい音質重視派は良好なリマスター盤を検討してください。
Another Game(電子志向がはっきり出た時期の傑作)
なぜ聴くべきか:よりデジタル/シンセサイザー的な装飾が前面に出てくるアルバムで、曲作りの実験性とポップ性のバランスが洗練されています。平沢進のメロディ・センスが電子的テクスチャーと高い親和性を見せる好例です。
聴きどころ:リズムマシンやシーケンス、シンセのパッチ使いによるサウンドの形成。曲単位の魅力はもちろん、アルバム通しての雰囲気作りも注目点です。
どの盤を選ぶか:この時期の作品は機材やプロダクションの差が音に出やすいので、音の厚みや低域の再現性が良いプレスを選ぶとより楽しめます。
One Pattern(後期の方向性を示す作品)
なぜ聴くべきか:よりコンセプチュアルかつ細部にこだわったサウンドメイクが進んだ作品。ライブ感覚を取り入れた造りや、情報量の多いアレンジが特徴で、P-Modelの進化系を知るうえで欠かせません。
聴きどころ:楽器のレイヤー、エフェクト処理、歌の配置。聴くたびに違ったレイヤーが浮かび上がるタイプのアルバムです。
どの盤を選ぶか:コレクション性を重視する場合はオリジナルを、音像の精細さを重視する場合は良好なリマスターを探しましょう。
聴き方の提案(アルバムごとの楽しみ方)
通して聴く:P-Modelはアルバム単位での世界観作りが秀でているため、曲単位ではなく通して聴くことで相互のつながりや配置の妙を味わえます。
比較して聴く:初期と中期・後期の音作りの違いを意識して同一アルバムの違う時期の作品を比較すると、技術や志向の変化が鮮明に分かります。
リミックスやライブ音源も参考に:楽曲の別解釈や演奏で新たな魅力が出ることが多いので、スタジオ版だけでなくライブ盤やリミックスもチェックすると深まります。
まとめ — なぜ今P-Modelをレコードで聴くべきか
P-Modelは単なる過去のバンドではなく、日本のポップ/ロック/電子音楽の接点を更新し続けた存在です。アナログ盤で聴くと、音像の奥行きや楽曲のダイナミズム、時代ごとの音作りの違いがより直接的に伝わってきます。まずは上述の代表作から1〜2枚選んで、アルバム単位でじっくりと向き合ってみてください。
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