Buddy Guy 徹底ガイド:時代別おすすめアルバムと聴き方・購入のコツ
はじめに — Buddy Guyという存在
Buddy Guy(バディ・ガイ)はシカゴ・ブルースを代表するギタリスト/シンガーであり、ブルースとロックの架け橋的存在です。エレクトリック・ブルースにおける破壊的かつ表現力豊かなギター奏法、スリリングなボーカル、そして若い世代のギタリスト(ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトン、スティーヴィー・レイ・ヴォーンら)へ与えた影響は計り知れません。本稿では、Buddy Guy のキャリアを知るうえで特に聴いておきたいおすすめレコード(アルバム)を時代ごとに深掘りし、それぞれの聴きどころやリリースの意義、購入や聴き込みの際に押さえておきたいポイントを解説します。
おすすめアルバム(時代別ガイド)
A Man and the Blues(1968) — チェス時代の要点
Buddy Guy の初期アルバムを代表する一枚。チェス・レコード在籍期に録音された楽曲を中心に、シカゴ・ブルースの土台と彼の荒々しいギター/歌の表現を聴くことができます。シングル中心のキャリアだった時期の楽曲群をまとまって聴ける点で重要です。
聴きどころ:荒々しいソロ、コール&レスポンス的なボーカル表現、当時のシカゴ・サウンド(ホーンやピアノのアクセント)。
購入のヒント:オリジナル盤は歴史的価値がありますが、リマスター再発盤は音質が向上していることが多いので、音像重視なら再発盤もおすすめです。
Stone Crazy!(チェス時代の編集盤) — 初期シングル集をまとめて聴く
チェスやチェッカーから出たシングル群や未収曲をまとめた編集盤的な存在。初期の代表曲や重要なシングルを網羅するため、Buddy Guy 入門に適しています。
聴きどころ:シングル曲ならではの即効性ある演奏、初期からの多彩なアプローチが確認できます。
Damn Right, I've Got the Blues(1991) — キャリア再燃の起点
1990年代に入ってBuddy Guy が商業的・音楽的に再注目を浴びるきっかけとなったアルバム。モダンなプロダクションながら根底にあるシカゴ・ブルースの力強さは健在で、若いリスナーやロック系ギタリストにも届く作りになっています。
聴きどころ:タイトで伸びのあるギター、ブルースのフォーマットをすり抜けるボーカル表現、アルバム全体の「現代的」なまとめ方。
注目点:この作品以降、Buddy Guy は国際的な注目と受賞を重ね、以降のアルバム群へとつながる活動期に入ります。
Feels Like Rain(1993)/Slippin' In(1994) — 90年代の充実期
90年代はBuddy Guy の創作・録音活動が非常に活発だった時期で、現代の楽曲感覚を取り込みつつも本質的なブルースを鳴らすアルバムが並びます。Feels Like Rain はジョン・ハイアットらの楽曲カバーも交えた味わい深い一枚、Slippin' In は演奏・アレンジともに充実しており、高い評価を得ています。
聴きどころ:スタジオでのアンサンブルの厚み、ゲストやアレンジを活かした表現、ブルースの伝統と現代的アプローチの融合。
Sweet Tea(2001) — 南部の泥臭さと重厚なトーン
このアルバムは、ミシシッピの雰囲気を反映させた重いギター・トーンと地に足の着いたブルース感が特徴です。プロデューサーや録音の意図で「よりダークでスワンプ寄り」の音像が強調されており、Buddy Guy の際立ったギター表現をじっくり味わえます。
聴きどころ:ローエンドの厚み、持続する空気感、抑制と爆発の緩急。
注目点:アーティストとしての表現レンジ(繊細さと獰猛さの同居)を確認できるため、音色・演奏の細かな差を聞き分けたいリスナーに特におすすめです。
Skin Deep(2008)・Living Proof(2010)・Born to Play Guitar(2015) — 円熟期の傑作群
2000年代後半以降、Buddy Guy はシニア・アーティストとして余裕と深みのある作品を発表しています。これらのアルバムはゲスト陣や洗練されたプロダクションを取り入れつつ、ブルースの根幹をぶらさない作りで、長年のファンにも新規のリスナーにも訴求します。
聴きどころ:円熟したフレージング、歌の表現力、曲ごとに変化するギター・トーン。ライブでの即興性とはまた違う“スタジオでの表現”を堪能できます。
編集盤/ライヴ盤(随時チェック推奨)
Buddy Guy の魅力はライブ・パフォーマンスにあります。年代別の編集盤やライヴ盤を並行して聴くと、スタジオ録音とライブでの即興的アプローチの違い、演奏スタイルの変化(若い頃から現在までの発達)を追体験できます。初期の単発シングル音源をまとめたコンピレーションは入門用としても便利です。
各アルバムの「聴き方」「注目ポイント」
初期(チェス期)を聴く際のポイント
シングル中心で録音環境も限られているため音の荒さや編集痕が残ります。そこにリアルな都市ブルースの息遣いがあるので、「完璧な音質」ではなく「演奏と表現」を評価して聴くと発見があります。
90年代以降(再評価期)のアルバムを聴く際のポイント
プロダクション面での現代化(リズム隊の整備、ゲスト起用、曲作りの多様化)が進んでいます。Buddy Guy のギター/歌がよりクリアに、そして巧みにプロデュースされるようになった時期なので、演奏の“細部”に耳を向けるとよいでしょう。
2000年代以降の円熟作の聴き方
フレージングの選択、ミュージシャン同士の呼吸、曲の構成力などが際立ちます。若い頃の爆発力とは異なる「間(ま)」や「色気」を味わうとBuddy Guy の別の魅力が見えてきます。
選び方のコツ(購入・コレクション目線で)
入門者:編集盤やベスト、チェス期のまとめ盤を先に聴くと経歴が掴みやすいです。
じっくり味わいたい人:Damn Right/Feels Like Rain/Sweet Tea のような「スタジオ制作意図がはっきりした」アルバムを音質の良い盤で聴くと、演奏のニュアンスを深く享受できます。
ライヴの魅力を知りたい人:複数のライヴ盤を年代順に追えば、バディの即興的アプローチの変遷が判ります。
コレクター向け:オリジナル・プレスには歴史的価値や希少性があります。リマスター盤は音像が改善されていることが多いので、何を重視するかで選ぶと良いでしょう。
まとめ — なぜBuddy Guyを追いかけるか
Buddy Guy のレコードを追うことは、シカゴ・ブルースの歴史を辿る作業でもあり、ロックや現代ギター奏法への影響を体感することでもあります。初期の荒々しさ、中期の表現力、晩年の円熟──いずれの時期にも彼ならではの“声”と“ギター”が刻まれており、時代や録音スタイルの違いを楽しみながら聴き進めることで、より深い理解と愛着が生まれます。
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参考文献
- Buddy Guy — Wikipedia
- Buddy Guy Discography — AllMusic
- Buddy Guy 公式サイト
- Buddy Guy — Rolling Stone(アーティスト紹介)
- Buddy Guy — Discogs(リリース情報)


