Michael McDonald入門:The Doobie Brothers期からソロ名盤・必聴アルバムと初心者向け聴き順ガイド
はじめに — Michael McDonaldという存在
Michael McDonaldは、1970年代後半から現在に至るまで“ブルー・アイド・ソウル”を代表する歌声とソングライティングで多くのリスナーを魅了してきたアーティストです。彼の濃密で潤いのあるバリトン、ゴスペルやR&Bに根ざしたフレージング、そして鍵盤を用いた楽曲構成は、The Doobie Brothers在籍期からソロ/コラボレーション期に至るまで一貫した魅力を放っています。本コラムでは、Michael McDonaldを掘り下げるうえで押さえておきたい代表作・名盤をピックアップし、それぞれの聴きどころや聴く順番の提案、聴き返すポイントを解説します。
選び方の指針 — どこから聴くべきか
- バンド時代の“役割”と“変化”を知りたい:The Doobie Brothers在籍期のアルバムを。
- ソロでの表現(80〜90年代のAOR/ソウル寄り)を楽しみたい:初期ソロ作を。
- ヴェテランとしての解釈力・カバー力を味わいたい:Motownカバー集や近年作を。
- 名曲の「ボーカル美」を堪能したい:代表曲シングル/ベストを。
必聴レコード(アルバム)と解説
Takin' It to the Streets — The Doobie Brothers(1976)
なぜ聴くか:Michael McDonaldがThe Doobie Brothersに加入し、グループのサウンドを大きく変化させた最初のアルバム。タイトル曲「Takin' It to the Streets」はMcDonald作で、その歌唱・ソングライティングでバンドの方向性がソウル寄りにシフトしたことがよくわかります。
- 聴きどころ:タイトル曲のソウルフルなリードヴォーカル、コーラスワーク、キーボードの使い方。
- おすすめトラック:Takin' It to the Streets(必聴)ほか、アルバム全体での雰囲気の変化を確認。
Minute by Minute — The Doobie Brothers(1978)
なぜ聴くか:商業的にも批評的にも成功した作品で、代表曲「What a Fool Believes」(Kenny Logginsと共作)を含む名盤。McDonaldのボーカルが最も“世間に広まった”時期の一枚です。
- 聴きどころ:「What a Fool Believes」の洗練されたメロディとアレンジ、McDonaldのフレージングの妙。
- おすすめトラック:What a Fool Believes、Minute by Minute。
If That's What It Takes — Michael McDonald(1982)
なぜ聴くか:ソロ・デビュー作。AOR/ソウルを背景に持つ楽曲群で、ソロとしての表現力とスタイリッシュなプロダクションが光ります。「I Keep Forgettin' (Every Time You're Near)」など、シンガー/ソングライターとしての魅力が詰まった1枚です。
- 聴きどころ:McDonaldのソロ・リードとしての歌唱力、80年代初期のプロダクション感。
- おすすめトラック:I Keep Forgettin'(代表曲)、アルバム通してのバラード群。
No Lookin' Back — Michael McDonald(1985)
なぜ聴くか:ソロ2作目で、前作の延長上にありつつもより洗練されたポップ/AORの香りが強く出た作品。80年代中盤の音づくりとMcDonaldのボーカルの親和性が高いアルバムです。
- 聴きどころ:80年代的シンセサウンドとR&B的グルーヴの融合、歌詞の情感表現。
- おすすめトラック:表題曲ほか、シングル曲中心に。
Duets & Collaborations(シングル含む)
なぜ聴くか:McDonaldは多くのアーティストと共演し、デュエットやゲスト参加でその存在感を残してきました。代表的な例としてJames Ingramとの「Yah Mo B There」(デュエット)は知られた名曲で、彼のコラボ力・適応力を知るのに最適です。
- 聴きどころ:デュエットでの声の溶け合い、バックボーカルとしての安定感。
- おすすめトラック:Yah Mo B There(James Ingram & Michael McDonald)等。
Motown / Motown Two — Michael McDonald(2003 / 2004)
なぜ聴くか:モータウンの名曲をMcDonaldならではの味付けでカバーしたシリーズ。原曲への敬意を保ちつつ、彼の声と解釈が新鮮さを与える好企画です。ソウル/モータウン・クラシックの再発見にも最適。
- 聴きどころ:原曲の良さを殺さないアレンジ、成熟した歌唱表現。
- おすすめトラック:アルバムごとに収録曲が異なるので、好きな原曲が入っている方を優先して聴くのも手。
Soul Speak(2008)以降の作品
なぜ聴くか:近年の作品ではキャリアの総括的なアプローチや、カバー/新曲の良バランスが見られます。ベテランならではの落ち着きと解釈力が光り、ライブでの再現力も際立ちます。
- 聴きどころ:レガシーを踏まえた成熟した歌唱、アレンジのセンス。
- おすすめトラック:アルバム単位での流れを楽しむのが良いでしょう。
聴き返すときのポイント
- 歌詞よりも「フレージング」に注目してみる:McDonaldは一語一語の置き方が独特で、それが表情を生みます。
- バックのホーン/コーラスとの掛け合い:曲のダイナミクスを作る重要要素です。
- オリジナル(モータウン等)とカバーを比べる:解釈の違いから彼の音楽観が見えます。
- バンド期とソロ期を通して聴き比べる:声の使い方・楽曲の向きがどう変化したかが分かります。
初心者向け視聴順(プレイリスト提案)
- The Doobie Brothers — Takin' It to the Streets(1976): McDonald加入直後の変化を体感
- The Doobie Brothers — Minute by Minute(1978): 代表曲を押さえる
- Michael McDonald — If That's What It Takes(1982): ソロ・デビュー作で個の確立を確認
- Michael McDonald — No Lookin' Back(1985): 80年代中盤のサウンドを楽しむ
- Michael McDonald — Motown / Motown Two(2003/2004): 解釈力を味わう
まとめ
Michael McDonaldは「声そのもの」が楽器であり、時代や編成を超えて聴き手に訴えかけます。The Doobie Brothersでの台頭からソロでの確立、さらに成熟期のカバー集に至るまで、それぞれの作品に異なる魅力があります。本稿で挙げたアルバムを聴き比べれば、彼がなぜ長年にわたって高く評価され続けているのか、歌声と解釈の軸から深く理解できるはずです。ぜひ順に耳を進めてみてください。
参考文献
- Michael McDonald (Wikipedia)
- The Doobie Brothers (Wikipedia)
- Michael McDonald | AllMusic
- Takin' It to the Streets (Wikipedia)
- Minute by Minute (Wikipedia)
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