電気カンナとは?木材の削り・面取り・表面仕上げを効率化する電動工具の特徴・仕組み・使い方を徹底解説
木材加工に欠かせない伝統工具「手カンナ」。
その作業を 数倍のスピードで、均一かつ簡単に行える ようにしたのが 電気カンナ です。
建築大工や家具製作はもちろん、DIYでも人気の高い工具で、
木材の厚み調整・反り直し・面取り・仕上げなど、多くの場面で活躍します。
この記事では、
電気カンナとは何か、仕組み、用途、メリット、選び方、安全ポイント
を専門的にわかりやすく解説します。
電気カンナとは?
電気カンナとは、底面の刃(回転刃)を高速回転させ、木材表面を薄く削り取る電動工具のことです。
別名
- 電動カンナ
- 電動プレーナー
- パワープレーナー(Power Planer)
木材の反りやねじれを直したり、厚みを調整したり、仕上げを整えるための工具として広く使われています。
電気カンナの特徴
■ 1. 木材を一気に平滑にできる
手カンナより圧倒的に早く、精度も安定。
■ 2. 厚み調整・反り直しが簡単
フローリングの干渉調整や建具調整にも最適。
■ 3. 面取り加工がスピーディ
R加工や角落としを短時間で仕上げられる。
■ 4. 長尺材も削れる
2×4材、柱材、巾木などの加工に強い。
■ 5. 仕上げの質を均一に保てる
刃を適切に選ぶことで美しい仕上げが可能。
電気カンナの仕組み
電気カンナは以下の要素で構成されています。
● 回転刃(カッターブレード)
高速回転しながら木材表面を薄く削り取る。
● ベースプレート(前後)
前ベース:削る深さ調整
後ベース:仕上がりを安定させるガイド
● 切削深さ調整ダイヤル
0〜3mm程度で削る深さを変えられる。
● モーター
カッターブレードを回転させる動力源。
電気カンナの用途
■ 1. 木材の反り・ねじれを取る
長い材料の仕上げに最適。
■ 2. 厚み調整
棚板・建具・家具の調整に使われる。
■ 3. 面取り(角落とし)
丸みをつける加工で、仕上がりが美しく。
■ 4. 建具調整・造作工事
- ドアが当たる部位の削り
- 枠の調整
- 組付け前の仕上げ
■ 5. 荒材の平滑加工
製材したままのラフ材を仕上げ材にする。
■ 6. フローリングや巾木の微調整
隙間調整に欠かせない作業。
電気カンナの種類
■ 1. 充電式電気カンナ
軽量で取り回しが良く、現場での使用に最適。
■ 2. AC電源式
連続作業に強く、パワーが安定。
■ 3. 幅広刃タイプ
広範囲を一気に削るためのプロ仕様モデル。
刃(カッターブレード)の種類
■ HSS(ハイス鋼)刃
シャープな切れ味だが摩耗は早め。
■ 超硬刃(TCT)
耐久性が高く、現在の主流。
■ リバーシブル刃
裏表が使えるため交換コストが低い。
電気カンナの選び方
■ 1. 刃幅(82mmが標準)
広い刃ほど一度に削れるが重くなる。
■ 2. 最大切削深さ
深く削れるほど作業スピードが上がる。
■ 3. 重量とバランス
長時間作業では軽量が有利。
■ 4. 充電式 or 電源式
用途や現場環境で選ぶ。
■ 5. 集じん機能の有無
粉じんの多い作業なので重要。
■ 6. 刃の交換が容易か
工具レス交換は作業効率が高い。
電気カンナ使用時の注意点
■ 木材をしっかり固定
跳ね返りで事故や刃欠けの原因に。
■ 切削深さを一度に深くしない
無理な切削は逆目や欠けの原因。
■ ベースを浮かせない
前ベースと後ベースを常に安定させる。
■ 刃が非常に鋭利なため扱いに注意
交換時や掃除時は特に注意。
■ 防塵対策
粉じんが非常に多いため
- マスク
- 集じんアタッチメント
を推奨。
まとめ
電気カンナとは、
木材の“削り・面取り・仕上げ”を高速で行うための電動工具 です。
- 反り・ねじれの矯正
- 板材・柱材の厚み調整
- 面取りや建具調整
- DIY家具製作
- 荒材の仕上げ
など幅広い用途があり、大工・造作・DIYの強い味方です。
正しい刃の選定と安全な使い方を守ることで、仕上がり精度と作業効率が大幅に向上します。


