電動ハンマーとは?コンクリートはつり作業の必需工具の種類・用途・選び方を徹底解説

建築工事・設備工事・解体工事の現場で、コンクリートやモルタルを「削る・壊す・斫る(はつる)」作業は頻繁に発生します。
その作業を効率よく行うための主力機械が 電動ハンマー です。

電動ハンマーは、強力な打撃力で躯体や仕上げ材を破砕する、非常に重要な電動工具です。

この記事では、
電動ハンマーとは何か、仕組み、用途、ハンマードリルとの違い、種類、選び方、安全ポイント をわかりやすく解説します。


電動ハンマーとは?

電動ハンマーとは、電動モーターを利用して強力な打撃(ハンマー動作)を発生させ、コンクリート・モルタル・タイルなどを破砕・除去する電動工具のことです。

別名

  • はつり機
  • 電動はつり機
  • ブレーカー(大型モデル)

とも呼ばれます。


電動ハンマーの特徴


■ 打撃専用のパワフル工具

回転はせず、「打撃のみ」で破砕する。


■ コンクリート・石材の破壊に強い

剛性の高い構造物にも対応。


■ ハンマードリルより強力

破砕力が段違いで、ハツリ作業がメインの現場で活躍。


■ ビット交換で用途を変更できる

チゼル・スクレーパーなど用途別のアタッチメントが豊富。


電動ハンマーが活躍する現場


■ 解体工事

  • コンクリート壁・床のはつり
  • 斫り工事(はつり)
  • アスファルト破砕

■ 内装解体・リフォーム

  • タイルの剥がし
  • 土間コンクリートの撤去
  • 配管ルートの追加はつり

■ 設備工事

  • 給排水管のルート確保
  • 床スラブ開口
  • 水道メーター入替時の斫り

■ 電気工事

  • 配線ルート確保
  • コンクリート壁の穿孔前の処理

■ 土木工事

  • 擁壁や構造物の部分撤去
  • 道路舗装はつり
  • ボックスカルバート加工

ハンマードリルとの違い

混同されがちな「ハンマードリル」と比較します。

項目電動ハンマーハンマードリル
動作打撃のみ回転+打撃
主用途はつり・破砕穴あけ・小規模斫り
パワー非常に強い中程度
適用範囲解体・大規模はつり穿孔・アンカー作業
ビットスケーリング・チゼルSDSプラス・SDSマックス

結論

穴あけ → ハンマードリル
破砕・斫り → 電動ハンマー

使い分けることで作業効率が大幅に向上します。


電動ハンマーの種類


■ 1. 小型電動ハンマー(軽はつり)

  • 住宅リフォーム
  • タイル剥がし
  • 軽いコンクリート除去
    扱いやすくDIYにも向く。

■ 2. 中型電動ハンマー

  • 設備工事のスラブ開口
  • 床はつり
  • 斫り・下地調整
    現場で最も使用頻度が高い。

■ 3. 大型電動ハンマー(ブレーカー)

  • アスファルト破砕
  • 厚いコンクリートの斫り
  • 土木工事
    抜群の破砕力を持つが重量がある。

電動ハンマーで使うビット(アタッチメント)


■ フラットチゼル(平タガネ)

狭い範囲のはつり・削り。


■ ポイントチゼル(尖り形)

コンクリートに亀裂を入れて破砕。


■ スケーリングチゼル

タイル剥がしや平らな面削りに使用。


■ ブレードチゼル

広い面を一気に削る。


電動ハンマーの選び方


■ 1. 打撃エネルギー(J:ジュール)

破砕力の指標。大きいほどパワーが強い。


■ 2. 電源方式

  • 充電式:取り回し良い
  • ACコード式:パワーと持続力に優れる

■ 3. 重量バランス

長時間作業は軽量が有利、
破砕力は重量がある方が強い。


■ 4. ビット規格

SDSプラス・SDSマックス・六角軸など、用途に合わせて。


■ 5. 防振性能が優れているか

職人の疲労軽減に非常に重要。


電動ハンマーの安全ポイント


■ 保護具は必須

  • 防塵マスク
  • ゴーグル
  • 手袋
  • イヤーマフ

■ 周囲の確認

壁内の配線・配管を誤って破損しないよう注意。


■ キックバックに注意

硬い部分は大きく跳ね返る可能性あり。


■ ビットが焼ける前に休ませる

長時間の連続使用は過熱の原因。


■ 粉塵対策

集塵機・水撒きなどで粉塵を抑える。


まとめ

電動ハンマーとは、
強力な打撃力でコンクリートやモルタルを破砕・はつりする電動工具です。

  • 解体工事
  • リフォーム
  • 設備・電気工事
  • スラブ開口
  • アスファルト破砕

など様々な現場で活躍します。

ハンマードリルより強力で、
「壊す」「削る」に特化した工具 のため、用途に応じて使い分けることで作業効率が大幅に向上します。


参考文献(クリック可能リンク)