Alannah MylesのLP名盤徹底ガイド|デビュー作から中期作までを深掘り
Alannah Myles — おすすめレコード深掘りガイド
カナダ出身のシンガー、Alannah Myles(アラナ・マイルズ)は、ソウルフルでグリットのある歌声とロック〜ブルースの感覚を併せ持つアーティストです。特にデビュー曲「Black Velvet」は世界的なヒットになり、以降の作品群もロック/ポップ/ブルースの境界を自由に行き来する魅力を示しています。本コラムでは、アーティストの代表作・名盤をレコード(LP)という視点で深掘りして紹介します。各作品の音楽的特徴、聴きどころ、コレクション的な注目点を中心に解説します。
基本の聴き方/コレクション指針(簡潔に)
- まずはデビュー作のLPを押さえるとAlannah Mylesの核が分かります。音像は温かく、ボーカルの存在感が前面に出るミックスが多いです。
- オリジナル国内盤(リリース当時のカナダ盤や米盤)や日本盤(帯付き)はコレクター人気があり、ジャケット差異やボーナストラックの有無をチェックすると面白いです。
- 再発やリマスター盤は音質改善やボーナス収録が期待できますが、アナログ特有のサウンド感を優先するならオリジナルのマスター使用盤を探す価値があります。
おすすめレコード 1: "Alannah Myles"(デビュー、1989/1990)
彼女のセルフタイトル・デビュー作は、一般に最も重要かつ入手しておきたい1枚。プロデューサーの手腕とAlannahの濃密なボーカルが見事にマッチしています。
- 音楽的特徴:ブルースにルーツを感じさせるロック・ポップ。スモーキーでセクシーな中低域のボーカルがアルバム全体を支配します。
- 代表曲・聴きどころ:
- Black Velvet — 彼女を世界に知らしめた一曲。テンポ感とムード作り、語りかけるようなフレージングが際立ちます。
- Song For The Life?(バラード系トラック) — ボーカルの表現力が光るパート。
- アップテンポナンバー群 — ロック色の強い楽曲もあり、ヴォーカルの幅広さを感じられます。
- レコード選びのポイント:
- オリジナル・プレス(カナダ盤/米盤)は当時のアナログ・サウンドが素直に出ており、コレクション価値が高いです。
- 日本盤(帯・ライナーノーツ付き)は国内流通の証として人気があり、国内リスナーにとって親しみやすい仕様です。
- リマスター再発は音のクリアさが増す一方、オリジナルの温度感を好む向きには物足りないこともあるため、視聴して選ぶのがおすすめです。
おすすめレコード 2: "Rockinghorse"(1992)
デビュー後のセカンド作は、よりロック寄りかつダイナミックなアレンジが特徴。ステージでの表現力を盤に閉じ込めたようなエネルギーがあります。
- 音楽的特徴:ギター主体のロック・サウンドに、ブルース/ゴスペル的要素が折り重なった作風。アナログらしいダイナミクス感が楽しめます。
- 代表曲・聴きどころ:
- タイトル曲やシングル・ナンバー — 力強いヴォーカルとリズム隊のグルーヴが魅力。
- ミッドテンポのトラック — 色彩豊かなアレンジと空間処理がレコードで聴くと一層味わい深いです。
- レコード選びのポイント:
- スタジオ録音の質感が良い盤を選ぶと、ギターやドラムのアタック感が引き立ちます。
- CDやデジタルでは聞こえにくい空気感やアンビエンスがLPで楽しめる曲が多いので、アナログ再生機器でのリスニングがおすすめです(再生の詳細は除きます)。
おすすめレコード 3: "A-lan-nah" / 中期作(1995)
90年代中盤の作品はポップ寄りの要素と成熟した歌唱が目立ちます。デビュー期と比べると多彩なアレンジが試されており、キャリアの幅を感じさせる一枚です。
- 音楽的特徴:ポップス的な構築とプロダクションの洗練。ボーカルの表現はより内省的になり、曲毎に異なる表情を見せます。
- 聴きどころ:バラードと瑞々しいミッドテンポ曲がバランス良く収録されており、アルバム通しての流れを楽しめます。
- レコード選びのポイント:中期作は海外でのプレスや再発が混在しているため、盤の状態とジャケット仕様(インナースリーブやクレジットの記載)を確認しましょう。
おすすめ補足盤:ベスト/コンピレーション盤
キャリアを俯瞰するにはベスト盤やコンピレーションLPも有用です。シングルやアルバム曲のハイライトを一枚で聴けるため、入門用としても便利です。オリジナル・アルバムの楽曲ごとのアレンジ差やミックス差を比較したいコレクターにも向きます。
音楽的魅力の深掘り
Alannah Mylesの魅力は、「声そのものが楽器になっている」点にあります。低めのレンジでの太さ、呼吸感のあるフレージング、そしてロックとブルースの接点で生まれるグルーヴは、ライブ音源やオリジナルマスターに忠実なアナログ再生で聴くと特に説得力を増します。歌詞的にはラブソングや物語性のある曲が多く、彼女のヴォーカルは叙情性と力強さを同時に伝えます。
コレクター向けチェックポイント(購入前の確認事項)
- 盤のプレス国・年表記を確認:オリジナル・プレスと再発でマスターやジャケットが異なることがあります。
- ジャケットの仕様:歌詞カード、インナースリーブ、帯(日本盤)の有無でコレクション価値が変わります。
- マトリクス/ランアウトレコード(刻印)を確認すると、どのカッティングを使っているかの手がかりになります(収集向け情報として)。
- 盤状態(中古の場合)は視聴や写真で確認:ノイズやスキップの有無は再生体験に直結します。
アルバムをより楽しむための聴きどころ(楽曲別提案)
- 「Black Velvet」:冒頭の空間作り、語りからサビへの展開を追うと曲のドラマ性が伝わります。
- ロック寄りのトラック:ギターの歪みやリズムの強さが楽曲のエネルギーを決定するため、ドラム/ギターの定位に注目して聴くと面白いです。
- バラード群:ボーカルのディテール(ブレス、ビブラートの使い方)に耳を澄ますと、歌唱表現の深さが分かります。
総評
Alannah Mylesは、1曲のヒット(Black Velvet)で語られがちですが、デビュー作から中期作にかけて一貫して歌唱の魅力と曲の厚みを備えたアーティストです。レコードで揃えることで、作品ごとの音作りや歌の表情の違いをより豊かに体験できます。入門はデビューLP、深掘りはセカンド〜中期作、そしてベスト盤でキャリア全体を俯瞰する流れがおすすめです。
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参考文献
- Alannah Myles — Wikipedia
- Alannah Myles — Official Site
- Discogs — Alannah Myles 検索結果
- AllMusic — Alannah Myles 検索結果
- YouTube — "Black Velvet" 検索結果


