Eddie Kamae(エディ・カマエ): ハワイ伝統音楽とウクレレの継承者、ハワイ・ルネッサンスの中心人物

プロフィール — Eddie Kamaeとは

Eddie Kamae(エディ・カマエ、1927年6月3日 - 2017年11月28日)は、ハワイ出身の歌手・ウクレレ奏者・作曲家、そしてハワイ伝統音楽の保存と復興に尽力した文化活動家です。20世紀後半のハワイ音楽の復興運動(ハワイ・ルネッサンス)における中心的人物の一人として知られ、伝統的なメレ(歌)やハワイ語文化の継承に強い関心を持ち続けました。

生い立ちとキャリアの概略

ホノルル生まれのカマエは、幼少期から歌と楽器に親しみ、戦後のハワイでプロとしての活動を始めました。1960年前後に結成された「Sons of Hawaii(ソンズ・オブ・ハワイ)」を中心に活動し、同グループはハワイの伝統歌曲と新しい編曲を融合させた演奏で大きな影響を与えました。カマエは演奏家としてだけでなく、レコーディングやフィールドワーク、ドキュメンタリー制作などを通してハワイの音楽・文化資料の保存にも取り組みました。

音楽的特徴と魅力

  • 声の表現力:カマエの歌声は落ち着きがあり、語りかけるような温度感でメレ本来の語感や抑揚を丁寧に伝えます。言葉(ハワイ語)の意味や文脈を重視した歌唱が魅力です。
  • ウクレレの使い方:ウクレレを単なる伴奏楽器ではなく、旋律や装飾、間合いの表現に活用する工夫が印象的です。コード進行やリズムの取り方に独自のセンスがあり、聴き手の感情を自然に導きます。
  • 伝統への敬意と創意:古いメレやチャントを丁寧に再現する一方で、アレンジや編成で現代のリスナーに届く演奏を組み立てるバランス感覚があります。
  • ストーリーテリング:曲間での語りや解説、歌詞の背景説明を通じて、単なる演奏会以上の「文化体験」を提示してきました。

演奏スタイルと取り組み

カマエはスラックキー・ギターやウクレレなどハワイ固有の弦楽器と歌を中心に活動しましたが、そのアプローチは単に技術を競うものではなく“歌の伝える意味”を第一に据えたものでした。現場での伝承(年長者からの学び)、フィールド録音、そして若い世代への教育活動を通じて、メレや言い伝えを体系的に残すことにも力を注ぎました。

代表曲・名盤(入門ガイド)

ここでは、入門者がカマエの魅力に触れやすい代表的な録音を紹介します。時代や編成で印象が変わるので、いくつか聴き比べることをおすすめします。

  • Sons of Hawaii 名義の録音群:グループとしての演奏はハワイ伝統曲の息遣いを感じさせるもので、最初に聴くべき作品群です。メレの語り口と演奏の密度が味わえます。
  • Eddie Kamae のソロ/リーダー作品:個人的な表現や解釈がより前面に出ている録音。ウクレレの使い方や歌の味わいを深く感じられます。
  • フィールド録音やコラボレーション収録:古老の歌や未発表のメレを記録した資料的価値の高い盤も多く、ハワイ音楽の研究・理解を深めたい人におすすめです。

(各タイトルは再発や編集盤が多いため、流通状況に合わせて「Sons of Hawaii」「Eddie Kamae」名義で検索すると見つけやすいです。)

文化的遺産と影響

カマエの最大の功績は、演奏活動そのもの以上に「ハワイの歌と語りを次の世代に伝え続けた」ことにあります。彼の活動はハワイ・ルネッサンスの一翼を担い、ハワイ語や伝統行事、島の歴史に対する再評価を促しました。また、多くの若い演奏家や研究者に影響を与え、現代のハワイ音楽シーンの基盤形成に寄与しています。

聴きどころ・おすすめの楽しみ方

  • まずは歌詞(可能なら日本語や英語の訳)を確認してから聴く:カマエの歌は物語性や地名、歴史的背景と結びつくことが多く、意味を知ると感動が深まります。
  • 生録やライブ盤で「場の空気」を味わう:彼の演奏は会場の空気や語りと一体になることで真価を発揮します。
  • 他のハワイ音楽(スラックキーやチャント)と並べて聴く:同世代のガビー・パヒヌイなどとの対比で、それぞれの役割や表現の違いが分かります。

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参考文献