The Jesus and Mary Chainの名盤ガイド:おすすめレコード一覧と聴き方・選び方(Psychocandy〜Damage and Joy)

イントロダクション — The Jesus and Mary Chainとは

スコットランド出身のロック・バンド、The Jesus and Mary Chain(以下 JAMC)は、1980年代半ばのノイズ・ポップ/シューゲイズの先駆けとして知られます。ギターのフィードバックとメロディを同居させた独特のサウンドは、その後の多くのバンドに影響を与えました。本稿では「レコードで聴く価値が高い」代表作・名盤を中心に、それぞれの特色とおすすめポイントを深掘りして紹介します。

おすすめレコード一覧

Psychocandy(1985)

バンドのデビュー作にして金字塔。極端なフィードバックとポップなメロディを融合させた衝撃作で、いわゆるノイズ・ポップの出発点です。アルバム全体の空気感が重要なため、アナログでの再生により没入感が増します。

  • 代表曲:Just Like Honey、Never Understand、The Living End
  • なぜ聴くべきか:初期JAMCの荒々しさと美メロが同居する歴史的重要作。誕生当時のインパクトを体感できる。
  • おすすめ盤:初期のUKオリジナル・プレスはコレクターズアイテムですが、音質とノイズ感のバランスが良い再発盤も多く流通しています。

Darklands(1987)

デビューのノイズ志向から一転、よりメロディ志向・ポップな方向を打ち出した2nd。フィードバックを抑え、ソングライティングの魅力が前面に出た作品です。

  • 代表曲:Darklands、April Skies、Happy When It Rains
  • なぜ聴くべきか:JAMCのメロディセンスを純粋に味わえる一枚。バンドの幅を知るには必須。
  • おすすめ盤:オリジナルはアナログでも入手しやすいが、音の解像度やバランスが良い再発CD/LPも出ているため、リスニング用途なら再発盤も検討を。

Automatic(1989)

ドラムマシンやシンセの導入が進み、よりクールで機械的なテクスチャーが強く出た作品。ポップと電子的な冷たさが交差する独特の雰囲気があります。

  • 代表曲:Head On(カバーながらバンドの代表的音像にもなった)、Blues From A Gun
  • なぜ聴くべきか:ノイズ路線からの変化を経たバンドの実験性を感じられる一枚。エレクトロニクスとギターの混合を楽しめる。

Honey's Dead(1992)

攻撃的なギターとポップなフックが再び前面に出たアルバム。センスの良いシングル曲を多数含み、90年代のロック・シーンでも存在感を示しました。

  • 代表曲:Reverence、Far Gone And Out
  • なぜ聴くべきか:荒々しさとキャッチーさが共存するJAMCの“ロック”面を堪能できる。

Stoned & Dethroned(1994)

アコースティック寄りの柔らかいアプローチも見せた作品。ゲスト・ボーカルや抑えたアレンジが目立ち、バンドの別側面を示したアルバムです。

  • 代表曲:Sometimes Always(Hope Sandovalとのデュエット)、Come On
  • なぜ聴くべきか:JAMCの“静”の側面。フィードバック一辺倒ではない歌の魅力を知ることができる。

Barbed Wire Kisses(1988) — B面/レア曲集

シングルB面やレア曲を集めた編集盤。コアなファンにとっては宝庫で、アルバム本編とは違う実験的なトラックや名曲の別バージョンを楽しめます。

  • なぜ聴くべきか:シングル曲やレア音源を通してバンドの変遷や深みを追体験できる。コレクション用途に最適。

Munki(1998)

メンバー間の確執が色濃く反映された最後期のアルバム(当時)。陰影の深い楽曲が並び、バンドの晩期的な側面を示します。

  • 代表曲:I Hate Rock 'n' Roll(関連シングルを含む)
  • なぜ聴くべきか:バンドの歴史の“結び”として、彼らの作風の推移を把握するのに有用。

Damage and Joy(2017)

長期の活動休止を経て発表された再結成作。過去の要素を受け継ぎつつ、成熟したサウンドで安定感のある内容です。

  • 代表曲:Amputation、Always Sad
  • なぜ聴くべきか:復活後の現在形として、最新の制作感を確認できる一枚。過去作と並べて聴くことで変化が楽しめる。

聴きどころとレコードでの楽しみ方(作品ごとの視点)

各アルバムごとに「何を聴き取るか」を自在に切り替えられるのがJAMCの魅力です。例えば:

  • Psychocandy:フィードバックや歪みのテクスチャー、擬似「壁」のようなサウンド形成を注意して聴く。
  • Darklands:メロディラインとコーラスワークの美しさにフォーカスする。
  • Automatic:電子要素やリズムの機械的な整合性を味わう。
  • Stoned & Dethroned:歌声の表情やアレンジの余白を楽しむ。

どの盤を入手するか(選び方のヒント)

JAMCのディスコグラフィにはオリジナル・プレス、各種リマスター/ボックスセット、編集盤など多様なリリースがあります。コレクションの目的別に選ぶと良いでしょう。

  • オリジナルの当時盤を重視するなら:初期プレス(特にPsychocandyのUKオリジナル)は歴史的価値が高い。
  • 音質・リスニング重視なら:公式リマスター盤や信頼できる再発LPを検討する。ノイズやダイナミクスの扱いが整えられていることが多い。
  • レア曲やシングルを楽しみたいなら:Barbed Wire Kissesのような編集盤やシングル集を探すと効率的。

おすすめの試聴順(入門〜深堀)

JAMCを初めて聴く人には以下の順がおすすめです。

  • 入門:Darklands → Psychocandy(まずメロディとインパクトを分けて体験)
  • 掘り下げ:Automatic → Honey's Dead(変遷と実験性を確認)
  • 深堀:Stoned & Dethroned → Barbed Wire Kisses → Munki(多様な側面とレア音源を網羅)
  • 最新の視点:Damage and Joy(現在の制作感を把握)

最後に — JAMCのレコードを集める価値

The Jesus and Mary Chainは、「雑音」と「ポップ」を同時に愛せる熱心なリスナーにこそ刺さるバンドです。アルバムごとに作風が変化するため、複数の作品を揃えることで彼らの多面性をより豊かに楽しめます。特にアナログならではの空気感やダイナミクスが作品の個性を際立たせるので、選盤の幅を持たせて聴くのがオススメです。

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参考文献