パティ・ラベルのヴァイナル名盤徹底ガイド:NightbirdsからWinner in Youまで聴きどころと選盤のコツ

イントロダクション

パティ・ラベル(Patti LaBelle)は、ソウル/R&B/ゴスペル〜ポップまで幅広い表現力を持つ歌姫です。1960年代のガール・グループ期から1970年代の実験的ロック志向のグループ「Labelle」を経て、ソロとしても大ヒットを連発しました。本稿では、レコード(ヴァイナル)で聴く価値が高いおすすめ作品を厳選して解説します。各アルバムの音楽的背景、代表曲、聴きどころ、コレクター視点でのおすすめバージョンなどを深掘りします(レコードの再生・保管・メンテナンスの実務的な解説は含みません)。

選定の視点

  • 音楽史的意義:その時代における革新性や代表性
  • ヴォーカル表現:パティの声質と歌唱の振れ幅がよく分かるもの
  • 楽曲の普遍性:名曲・ヒット曲やカバーでの重要度
  • アルバムとしての一貫性:プロデュース、アレンジ、選曲の完成度

おすすめレコード一覧(深掘り)

Labelle — Nightbirds(1974)

おすすめ理由:Labelleの最も商業的・文化的に成功したアルバムであり、グループとしての最高潮を示す作品です。ファンク、ロック、ソウルを大胆に融合させたアレンジと、パティのダイナミックなリード・ヴォーカルが際立ちます。

  • 代表曲:「Lady Marmalade」 — セクシャルで挑発的な歌詞、キャッチーなコーラス、ファンキーなリズムが特徴。世界的ヒットとなり、Labelleを象徴する一曲になりました。
  • 聴きどころ:アルバムはディスコ~ファンク寄りのトラックとダークでドラマティックな曲が混在し、パティの表現力の幅を堪能できます。コーラスワークとハーモニーの迫力も注目。
  • コレクター向け:オリジナル・プレスは当時のミックス感やアナログならではの温かみがあります。リマスター盤は音圧や明瞭度が改善されることが多く、好みで選ぶと良いでしょう。

Labelle — Pressure Cookin'(1973)

おすすめ理由:社会的・政治的メッセージを含む曲や実験的なアレンジが多く、Labelleのアーティスティックな側面を強く感じられるアルバムです。ロックやサイケデリックな要素を取り入れた大胆な作品群が揃っています。

  • 代表曲・注目曲:「Something in the Air」(カバー)や、社会性を帯びた楽曲群。パフォーマンス面での挑戦性が光ります。
  • 聴きどころ:商業路線に乗る前の創造的な探求が詰まっており、後のNightbirdsに至る過程を聞き取れる点が魅力です。

Patti LaBelle — Patti LaBelle(デビュー・ソロ、1977)

おすすめ理由:グループ解散後の第一歩としての重要作。ソロ歌手としての方向性を打ち出す作品で、パティの個性がより色濃く反映されています。

  • 代表曲:アルバムを通してソウルフルな表現とバラード、アップテンポ曲のバランスを見ることができます。
  • 聴きどころ:グループ時代とは異なるソロ歌手としての佇まい、細かなフレージングやコントロールの成熟が感じられます。

Patti LaBelle — I'm in Love Again(1983)

おすすめ理由:1980年代初頭のR&Bシーンにおけるパティの復活作のひとつ。メロウなバラードからダンサブルな曲まで、彼女の感情表現が高いレベルで発揮されています。

  • 代表曲:「If Only You Knew」 — スローで切ないバラード。R&Bチャートで大ヒットし、パティのキャリアにおける重要な一曲になりました。
  • 聴きどころ:バラードでの伸びやかな高音と、感情の入れ方が学べる一枚。ドラマ性の高い歌唱が好きなリスナーに特におすすめです。

Patti LaBelle — Winner in You(1986)

おすすめ理由:商業的にも最大の成功を収めたアルバムのひとつ。ポップ寄りのプロダクションと秀逸なバラード群により、幅広い層にアピールしました。

  • 代表曲:「On My Own」(Michael McDonaldとのデュエット)— 全米チャートで大ヒットし、パティをメインストリームの舞台へ押し上げた曲。エモーショナルなデュエットとして現在も語り継がれています。
  • 聴きどころ:1980年代らしいプロダクションと、パティのパワフルかつ繊細なヴォーカル表現の両方を味わえる一枚。ポップ/R&Bのクロスオーバー成功例としても興味深いです。

セレクト的おすすめ:ライブ&編集盤

パティ・ラベルはライブ・パフォーマンスでも評価が高いアーティストです。スタジオ録音とは別の魅力を示すライブ盤やコンピレーションも収集価値があります。

  • ライブアルバム:ステージでのエモーショナルな展開、観客との掛け合い、即興的な歌唱が楽しめます。スタジオ曲とは別の“生”の迫力を味わいたい方に。
  • ベスト盤/コンピ:キャリア横断的に名曲をまとめて聴きたい時に便利。オリジナル・アルバムの文脈で聴くのとは違った発見があります。

聴き方・選盤のヒント(どの盤を探すか)

ヴァイナルで収集する際は、次のポイントを参考にしてみてください(再生方法や保管は言及しません)。

  • オリジナル・プレス:当時のミックスや音色、ジャケットの雰囲気を重視するならオリジナル盤がおすすめです。特に1970年代のLabelle作品は時代感が強く出ます。
  • リマスター/再発:音の明瞭度や低域・高域のバランスを重視するなら、近年のリマスターやアナログ再発盤(180gなど)を検討すると良いでしょう。リマスターによっては音像やダイナミクスが刷新されます。
  • ライナーノーツ・クレジット:プロデューサーやアレンジャー、参加ミュージシャンの情報は作品理解に役立ちます。ジャケットやインナースリーブの情報が充実している盤は保存価値が高いです。

音楽的な魅力をどう味わうか

パティ・ラベルの作品を深く味わうための聴きどころ:

  • 声のダイナミクス:小声での繊細な表現からフル・パワーでの絶唱まで、同じ曲の中での緩急に注目してみてください。
  • アレンジの厚み:ストリングスやコーラス、ホーンの配置が曲のドラマを作っています。特に70年代の作品はアレンジの重層性が魅力です。
  • ジャンル横断性:ゴスペル〜ソウル〜ロック〜ポップを行き来する彼女のレパートリーは、時代ごとの音楽的流行だけでなく個人史も反映しています。

まとめ:まずはこれを押さえよう

  • 入門盤:Labelle「Nightbirds」 — グループの代表作であり、パティ・ラベルの表現力を大きく感じられる作品。
  • 代表的なソロ作:「I'm in Love Again」〜「Winner in You」ラインは、バラードの名作と商業的成功作の両方を楽しめる重要な期間。
  • 深掘り:初期のLabelle作品やライブ盤を聞くことで、スタジオ録音とは違う側面や発展の過程が見えてきます。

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参考文献