106キー(JIS配列)徹底解説|日本語入力に最適なキーボードの特徴と選び方
106キーボードとは
「106キーボード」とは、日本語入力に対応したキーボード配列の一種(JIS配列)を指す呼称で、英語圏で一般的なANSI配列(101/104キー)と区別されます。日本語入力に必要な専用キー(変換、無変換、ひらがな/カタカナ切替など)が配されていることが最大の特徴です。一般にはデスクトップ用のフルキーボードで、テンキーやファンクションキー、カーソルキーを備え、物理的なキー数としておおよそ106個前後を持つ配列を指して「106キー」と呼ばれます。
JIS配列(日本語配列)の主な特徴
- 日本語専用キー:半角/全角や変換・無変換、カタカナ/ひらがなキーなど、日本語入力を効率化するためのキーがスペースキー周辺や左側に配置されています。
- Enterキーの形状:ANSI配列の横長エンターに対して、JIS配列では縦長(逆L字型)になっていることが多く、隣接するキー配置が異なります。
- キーサイズと配置の違い:左Shiftやスペースバーの幅がANSIと異なり、キーキャップ交換時に互換性の問題が生じます。またバックスラッシュ(\)と円記号(¥)の扱いや位置がANSIと異なります。
- 言語切替の扱い:OSや入力メソッド(IME)と連携して、JISキーで直接ローマ字/かな変換を切り替えられるため日本語入力がスムーズです。
106キーと109キーの違い
日本語キーボードの表記には「106キー」「109キー」という用語が見られます。一般的な違いは、Windows環境向けに追加されたキー(Windowsキーやアプリケーションキーなど)を含むかどうかです。簡単にまとめると:
- 106キー:従来のJIS日本語配列の物理キー数に基づく呼称。Windowsキーなどがないか、仕様によっては含まれない場合がある。
- 109キー:Windowsキー(左右)やメニューキーを含めた総数を指す呼称として使われることが多い。販売時には「106/109配列対応」と表記されることもあります。
製品ごとに表記の揺れがあるため、購入時は「JIS配列(日本語配列)」か「ANSI配列(英語配列)」か、具体的なキー表記や互換性を確認することが重要です。
物理設計とキーキャップ互換性
メカニカルキーボードを含む自作やカスタム環境で重要になるのがキーキャップの互換性です。JIS配列はキーの寸法や配列がANSI配列と異なるため、ANSI用のキーキャップセットはそのままではJIS配列にフィットしないことがあります。特に次の点に注意が必要です:
- Enterキーの形状(逆L字)のため、対応するキーキャップが必要。
- 左Shiftやスペースバーの幅が短い(スペースの両側に日本語専用キーが配置されるため)、スペースキー周りのキーキャップセットの互換性。
- キー刻印(かな表示)の有無。日本語配列で使う場合はかな刻印があるとわかりやすいが、英語刻印を好むユーザーもいる。
歴史的背景と用途
日本語を効率的に入力するために、英字キーボードに日本語特有の切替・変換キーを追加したのがJIS配列の始まりです。日本語入力はローマ字入力とかな入力の二通りがあり、ローマ字入力ではIMEがローマ字列を仮名/漢字に変換します。これらの変換操作をスムーズに行うため、専用キー(変換/無変換など)が重宝されます。
用途としては、一般的なオフィス作業やプログラミング、クリエイティブワークまで幅広く使われています。ただし、ゲーム用途や英語圏とのキーボード共有を重視する場合はANSI配列(104キーなど)を選ぶ人も多いため、使用言語や用途で選択が分かれます。
OS・ソフトウェアとの関係(入力方式)
JIS配列は物理的な配列を定めるものであり、実際の日本語入力はOSの入力メソッド(IME)などソフトウェア側が行います。たとえばWindowsやmacOS、各種LinuxではJIS配列をサポートしており、キーコード(スキャンコード)をIMEが受け取って変換処理を行います。設定により、かな入力とローマ字入力の切替、キー割り当てのカスタマイズが可能です。
購入・選定時のチェックポイント
- 配列の表記:製品ページで「JIS配列」「106/109キー」「日本語配列」などの表記を確認する。
- キー刻印:かな刻印が必要か、英字のみでよいかを決める。
- 接続方式:USB(有線)かBluetooth(無線)か。無線はレイテンシや電池寿命も確認。
- キーキャップと互換性:カスタムキーキャップを使いたい場合、JIS対応かを確認。
- OSサポート:使用するOSでJIS配列のキー割り当てが正常に機能するか確認する(特に特殊キー)。
JIS配列を使うメリット・デメリット
- メリット:日本語入力がしやすい専用キー、一般的に国内での互換性やサポートが手厚い、IMEと組み合わせた効率的な変換操作。
- デメリット:英語圏の配列(ANSI)と比べてキー配置が異なるため、海外配列向けのキーキャップや一部熱心なゲーマー向けのレイアウトと相性が悪い場合がある。
まとめ
「106キーボード」は日本語入力に最適化されたJIS配列の呼称で、変換・無変換など日本語特有のキーを備える点が最大の特徴です。購入や自作の際は物理配列(JISかANSIか)、キーキャップ互換性、OS設定との相性を確認することが重要です。現代では「106/109配列対応」といった表記で製品説明がなされることも多く、実際の機能やキー刻印を見て判断するのが確実です。
参考文献
- 日本語キーボード - Wikipedia(日本語)
- Keyboard layouts - Microsoft Docs(日本語ページ)
- HID Usage Tables - USB.org(HID用語表・仕様)


