ザ・ライチャス・ブラザースのレコード・コレクション完全ガイド|聴くべき名盤と選び方(初期シングル〜ボックスセットまで)

イントロダクション

The Righteous Brothers(ザ・ライチャス・ブラザース)は、ビル・メドレーとボビー・ハットフィールドによるデュオで、エモーショナルなバリトン/テナーボーカルの対比と“ブルー・アイド・ソウル”を代表するサウンドで知られます。本コラムでは、レコード収集の観点から「聴くべき・持っておきたい」おすすめ盤を取り上げ、それぞれの魅力や聴きどころを深掘りします(再生や保管の技術的なコツは除外します)。

ザ・ライチャス・ブラザースをざっくり理解する

二人の魅力はまず“声の化学反応”にあります。ビル・メドレーの渋いバリトンとボビー・ハットフィールドの伸びやかな高音が重なり合う瞬間、ポップ/ソウルの大きな感情表現が生まれます。60年代のフィル・スペクター等のプロデューサーによる厚い編曲(いわゆる“ウォール・オブ・サウンド”)と組み合わさった楽曲群は、45回転シングル、LP、後のコンピレーションともにリスナーに強い印象を残しています。

おすすめレコード(厳選ポイントと聴きどころ)

1) フィル・スペクター期のシングル群/初期シングル・コレクション

なにより押さえるべきは、彼らを一躍有名にした初期のシングル群。単曲のインパクトが非常に強く、当時のプロダクション(厚みのあるアレンジ)とボーカル表現の完成度が高いです。

  • 聴きどころ:層の厚いコーラス、劇的なクレッシェンド、ボーカルの掛け合い。
  • 代表曲(シングルとしての重要曲):"You've Lost That Lovin' Feelin'"(しばしば必聴の代表曲)など。原盤のモノ音源には当時の空気感がよく残っています。
  • レコードとしての魅力:オリジナル・シングル盤(当時プレス)には、当時のミックス感やダイナミクスがあります。音像の迫力を楽しみたいコレクターにおすすめです。

2) 「Unchained Melody」を含む音源(名曲の別ヴァージョン/編集)

"Unchained Melody"は彼らの代表曲として幅広く知られており、様々な編集/収録形態で出回っています。アルバムにどう収録されているか、コンピにどのテイクが使われているかは盤によって異なるので、収集対象として興味深い曲です。

  • 聴きどころ:ボビー・ハットフィールドの高音の美しさ、曲後半の感情表現の盛り上がり。
  • レコード選びのヒント:オリジナル・シングルや初期のLP収録テイクと、後年のリマスター/編集盤の音質や編集差を比較して楽しめます。

3) 「Soul & Inspiration」系のシングル/アルバム

初期の成功後もヒットを重ねた時期の音源は、より“ソウル”寄りのアプローチが顕著で、歌の表現がさらに円熟しています。大ヒット曲を中心に、聴きごたえのあるバラードやアップテンポ曲が混在します。

  • 聴きどころ:感情表現が成熟したボーカル、ゴスペル的な要素が垣間見えるアレンジ。
  • 聴き比べポイント:シングルA面とアルバム収録テイクの違い(ミックス、イントロの長さなど)を確認すると面白いです。

4) 必携コンピレーション/ベスト盤(入門〜収集の軸として)

初めて触れるリスナーや、代表曲を一度に揃えたい人には公式のベスト盤や年代別のアンソロジーが便利です。良質なリマスターを施したものは音の鮮度も高く、コレクションの軸になります。

  • 選び方:公式リマスターやレーベル公認のアンソロジーを優先すると、音源の質と解説資料が期待できます。
  • 聴きどころ:全盛期の代表曲を通しで聴くことで、二人の歌唱スタイルの変遷やプロダクションの違いが追えます。

5) ボックスセット/アンソロジー(深掘り向け)

コアなコレクターやディープリスナーには、レアトラックやデモ、未発表テイクを含むボックスセットやコンプリート・シングル集がおすすめです。音楽史的な補遺や別テイクの面白さから、アーティスト理解が深まります。

  • 聴きどころ:未発表テイクや別ミックスは、楽曲の成り立ちやボーカルのアプローチの違いを教えてくれます。
  • コレクション価値:解説ブックレットやレア写真が充実していることが多く、資料性も高いです。

レコードを選ぶときのポイント(音楽的観点)

  • モノ/ステレオの違い:60年代ポップはモノミックスが“決定版”になっていることが多いので、どちらのミックスが収録されているか注目してください。
  • オリジナル・プレスと再発の聴き比べ:音像の厚みやミックスのバランスが異なるため、好みに合わせて選ぶと良いです。
  • 収録テイクの明記:コンピレーションはテイクやミックスの表記が重要。収録情報を確認して、狙いのバージョンが入っている盤を選びましょう。
  • 解説と資料性:紙ジャケやブックレット、ライナーノーツが充実している盤は聴取体験を豊かにします。

聴きどころの具体的フレーズ(試聴チェックリスト)

  • 序盤のリードボーカル立ち上がり—声の質感とマイク感を確認
  • コーラスの重なり—ウォール・オブ・サウンド的な厚みを体感
  • ブリッジ/間奏のアレンジ—管弦やコーラスの使い方でプロダクションの特長が分かる
  • 終盤のクレッシェンド—感情の盛り上がりとダイナミクスの表現

まとめ:どの盤から始めるべきか

入門者は公式ベスト盤や代表曲を収録したコンピレーション(リマスター済み)から入るのが手っ取り早いです。そこから気に入った時期(初期のフィル・スペクター期、ソウル色が強い時期、レア曲を集めたアンソロジーなど)を深掘りして、オリジナル・シングルやボックスセットを狙う、というのが王道の楽しみ方です。

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参考文献