ピーター・ポール・アンド・メアリー:1960年代フォーク・リバイバルの象徴と社会運動への影響
プロフィール
Peter, Paul and Mary(ピーター・ポール・アンド・メアリー)は、1960年代アメリカのフォーク・リバイバルを代表するトリオ。メンバーはPeter Yarrow(ピーター・ヤロウ)、Paul (Paul Stookey)(ポール・ストーキー)、Mary Travers(メアリー・トラヴァース)。シンプルなアコースティック編成と三部合唱の澄んだハーモニーで幅広い層に支持され、民衆の歌をポピュラー音楽の主流へと押し上げた存在です。
結成と経歴の概略
- 結成:1961年にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ周辺のフォーク・シーンで出会い結成。
- デビューとブレイク:1962年のデビュー後、伝統曲や新人作曲家(特にボブ・ディラン)の楽曲を取り上げヒットを連発し、一気に人気を獲得。
- 活動のピーク:1960年代を通じて多数のシングルとアルバムを発表。公民権運動や反戦運動と結びついた活動も行い、音楽が社会運動の声となった。
- その後:1970年代以降も個々のソロ活動や再結成ツアーを行い、2009年のメアリー・トラヴァースの逝去までグループは存在感を保ちました。
代表曲・名盤(解説付き)
- "If I Had a Hammer"(シングル)
フォークの力強さを象徴するナンバー。社会的メッセージがありつつポピュラー・ソングとして広く受け入れられました。
- "Puff, the Magic Dragon"
子どもにも親しみやすいメロディと物語性を持つ楽曲。軽やかだが、郷愁を誘うアレンジで世代を超えて愛されています。
- "Blowin' in the Wind"
ボブ・ディランの曲をいち早く取り上げた例。平易な問いかけを歌にしたこの曲を通じて、彼らはディランのメッセージを広い聴衆に届けました。
- "Leaving on a Jet Plane"
ジョン・デンバー作のバラードをカバーし、大ヒットに。哀愁を帯びたメロディとハーモニーが心に残ります。
- 名盤:デビュー・アルバム(Peter, Paul and Mary)および"In the Wind"
初期の代表作で、トリオの持ち味である選曲眼とハーモニー、社会的関心がよく表れた作品群です。
音楽的特徴と魅力の深掘り
- 三声のハーモニー
3人の声質のコントラストを活かした密な三部合唱が最大の魅力。主旋律を明確に残しつつ、和声が豊かに重なり合うため、シンプルな伴奏でも深い表現力を生みます。
- 選曲眼の良さ
伝承歌(トラディショナル)から当時の注目若手作家(ボブ・ディラン、ジョン・デンバー等)まで幅広く取り上げ、良質な楽曲をわかりやすく“普及”させる力がありました。
- 語りかける歌詞とメッセージ性
人権や平和、日常の哀歓を主題にした曲が多く、聴き手に直接問いかけるような歌唱スタイルは時代の空気と強く共鳴しました。
- アレンジの親しみやすさ
ギター中心の伴奏に必要最小限の楽器を組み合わせた編成は、ライブでも再現しやすく、聴衆との一体感を生み出しました。
ライブとパフォーマンスの特徴
ステージでは親しみやすいトークと温かいハーモニーで観客との距離を縮めるのが得意でした。集会やチャリティー、デモといった社会的場面での演奏も多く、単なるコンサート以上の“参加”的な空気を作り出していた点が特徴です。
社会的影響と活動
1960年代の公民権運動や反戦運動と密接に関わり、コンサートやイベントで演奏することでメッセージを広めました。音楽を通じて社会問題に声を上げるモデルを示し、フォークの持つ公共性・粘り強さを世に知らしめた点で重要な意義があります。
後年とレガシー
メンバーそれぞれがソロ活動や慈善活動を続けたほか、トリオとしてもたびたび再結成を行い、長年にわたりファン層を広げ続けました。メアリー・トラヴァースの逝去(2009年)を経ても、彼らが1960年代にもたらした「音楽と社会運動の結びつき」「良質なメロディと言葉で届けるメッセージ」は、その後のシンガー・ソングライターやフォーク系アーティストに大きな影響を与えています。
なぜ今も聴かれるのか:現代的な評価
- メロディの普遍性:時代や国境を越える簡潔で美しいメロディ。
- リスナーの参加を促す歌唱:コール&レスポンスや合唱しやすい構造は今でもライブで有効。
- 社会的メッセージの普遍性:平和や人権を歌う姿勢は現代のリスナーにも響く。
- レコーディング音源の質:シンプルながら丁寧なアレンジが、時代を超えて聴きやすさを保っている。
聴きどころのガイド(初心者向けプレイリスト案)
- 入門:代表的なヒット曲("If I Had a Hammer"、"Puff, the Magic Dragon")
- 社会性を理解:ボブ・ディランのカバー("Blowin' in the Wind")や公民権関連の曲
- バラード系: "Leaving on a Jet Plane"でハーモニーの美しさを堪能
- アルバムで通して聴く:デビュー作や"In the Wind"で当時の文脈を感じる
まとめ
Peter, Paul and Maryは、洗練された三声のハーモニーと優れた選曲眼でフォークをポピュラー音楽の中心に押し上げ、音楽を通じた社会参加のモデルを提示しました。メロディの普遍性、歌詞の力強さ、ステージでの親密なコミュニケーション——これらの要素が彼らの魅力であり、現代でも色あせない理由です。
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