Ratt 入門ガイド:80年代グラムメタルの名盤と代表曲を徹底解説

Ratt — 概要と背景

Rattはアメリカ・ロサンゼルスで1970年代末から活動を始めたグラム/ハードロック(いわゆる「グラムメタル」)バンドです。1980年代中盤のMTV世代においてポップなメロディとヘヴィなギターを両立させたサウンドで一躍ブレイクし、シーンを代表するバンドの一つとなりました。

結成と主要メンバー

  • 結成と初期:バンドは初期に“Mickey Ratt”などの名前で地元ロサンゼルスのクラブシーンで活動を開始。やがて「Ratt」としてのラインナップやスタイルを確立していきます。
  • 主要メンバー:スティーヴン・パーシー(ボーカル)、ウォーレン・デマルティーニ(ギター)、ロビン・クロスビー(ギター、故人)、フアン・クルーシエール(ベース)、ボビー・ブロッツァー(ドラム)といったメンバーが黄金期の顔ぶれとして知られます。
  • 変遷:商業的成功の後もメンバー交代や紛争、活動休止と復活を繰り返しながら今日に至ります。

サウンドの特徴と魅力

  • キャッチーなメロディとコーラス:Rattの魅力の核は覚えやすいメロディとフックの強いコーラス。ポップ的な構造を持ちながらロックのエッジを損なわないバランス感覚があります。
  • ツインギターのハーモニー:ウォーレン・デマルティーニとロビン・クロスビーによるツインリードやハーモニーは、泣きのメロディとテクニカルなソロを両立させ、曲に厚みと躍動感を与えます。
  • 力強いリズム隊:クルーシエールのベースとブロッツァーのドラムがリズムの土台を固め、エネルギッシュなライブ感を支えます。
  • ボーカル表現:スティーヴン・パーシーのややシャープで攻撃的な歌声は、グラム的な派手さとハードロック的な説得力の双方を備えています。
  • プロダクション:1980年代の洗練されたプロダクション(例:初期のヒット作でのプロデューサーとの仕事)は、ラジオやMTVでの受容性を高めました。

代表曲・名盤紹介

以下はRattを知るうえで押さえておきたい代表的な楽曲とアルバムです。

  • Out of the Cellar (1984) — 商業的ブレイク作。シングル「Round and Round」を含み、Rattの象徴的なサウンドが最もわかりやすく出た作品です。メロディアスでありつつハードなギターが前面に出ています。
  • Invasion of Your Privacy (1985) — ヒット曲「Lay It Down」などを擁し、勢いのある続編として評価されるアルバム。アウトロやギター・アレンジの完成度が高いです。
  • Dancing Undercover (1986) — 商業的にもシーン的にも成熟期に差し掛かった作品で、シングル曲を中心に良質なロックポップが並びます。
  • 代表曲(シングル) — 「Round and Round」「Lay It Down」「Back for More」「Wanted Man」「You're in Love」など。これらはRattのキャッチーで攻撃的な面をともに示します。

ライブとパフォーマンスの魅力

Rattはスタジオ録音のクオリティだけでなく、ライブでの一体感やエネルギーでも知られます。ギターのユニゾンやハーモニー、観客を巻き込むコーラス部分の盛り上がりは、80年代のアリーナロック的なダイナミズムを体現しています。ステージ衣装やヴィジュアル面でもグラム的な要素を取り入れ、派手さとキャッチーさを強調しました。

影響と評価

Rattは1980年代のグラムメタル/ハードロック・シーンにおける代表格の一つで、同時代のバンド(Mötley Crüe、Poison、Twisted Sisterなど)とともにジャンルの普及に貢献しました。ポップ・センスとギター・ワークの両立は、後続の多くのメタル/ハードロック・バンドに影響を与えています。

どこから聴き始めるか(入門ガイド)

  • 最初に聴くなら:「Round and Round」→「Lay It Down」→「Back for More」の順で、Rattの代表的な魅力(メロディ、ギター、リズム)を掴んでください。
  • アルバム順に聴く:Out of the Cellar → Invasion of Your Privacy → Dancing Undercover といった順で黄金期を辿ると、バンドの発展とサウンドの変化がよくわかります。
  • ライブ映像:当時のライブ映像やMTV時代のプロモーションビデオを見ると、音楽に加えてヴィジュアル面の魅力も理解できます。

Rattの魅力を深掘りするポイント

  • ポップさとロックの両立:ヘヴィなギターと親しみやすいメロディを同時に成立させている点は、Rattの最大の強みです。
  • ツインリードの化学反応:デマルティーニとクロスビー(黄金期)のギター・セクションは、ハーモニーと掛け合いで曲に独特の表情を与えます。
  • 曲構成の巧みさ:キャッチーなサビ、間奏でのソロ、リズムの組み立てなど、ポップソングとしての完成度が高いです。
  • 時代性:80年代のプロダクション、ファッション、映像表現と結びつくことで、Rattの曲はその時代を象徴するサウンドにもなっています。

注意点・補足

バンドは長年にわたりメンバー交代や内部の紛争、活動の停滞と復活を経験しています。そのため「どの時期のラインナップで聴くか」によって印象が変わることがある点は留意してください。

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参考文献