Rattの80年代ハードロック名盤ガイド|聴きどころとコレクターが選ぶおすすめ盤

序文:Rattを今あらためて聴く理由

1980年代のハードロック/グラムメタルシーンを語るとき、Rattは外せない存在です。キャッチーなメロディ、ツイン・ギターのリフワーク、そしてステージ映えするイメージで一気にメジャーシーンに躍り出た彼らは、多くのバンドに影響を与えました。本稿では「レコード収集/鑑賞の対象として」特におすすめしたいRattの作品をピックアップし、それぞれの聴きどころ、背景、コレクター視点での注目点を深掘りします。

Rattの基本情報(簡潔に)

  • 本格ブレイク期:1980年代中盤
  • 代表ラインナップ:Stephen Pearcy(Vo)、Warren DeMartini(G)、Robbin Crosby(G)、Juan Croucier(B)、Bobby Blotzer(Dr)
  • 特徴:ポップ性の高いメロディライン、リフ重視の曲構成、ツインギターの掛け合い、派手なMVとビジュアル戦略

おすすめレコード:深掘りセレクション

Out of the Cellar(1984)— ブレイク作/必携

Rattを一躍スターダムに押し上げたアルバム。AOR寄りの光るプロダクションとヘヴィなリフが同居し、商業的にも成功しました。ツインギターの巧さやポップなコーラス・ワークが鮮やかに出ています。

  • 聴きどころ:アグレッシブさとキャッチーさのバランス。ギター・ソロの質、曲間のダイナミクスが明確。
  • 代表曲:「Round and Round」など(シングルヒットで知名度が高く、バンドの顔となった曲)
  • コレクター注目点:初期アトランティック(US)盤のオリジナル・プレスは人気。プロモ盤やインナー・スリーヴ、初版帯(日本盤)などが価値を左右します。

Invasion of Your Privacy(1985)— 完成度を高めた2作目

商業的に安定したセールスを続けつつ、楽曲の幅がさらに広がった作品。より洗練されたプロダクションで、シングル志向の曲が並びます。バンドの“ポップでハード”な側面が凝縮されたアルバムです。

  • 聴きどころ:メロディの完成度、アレンジの抜け感、コーラス処理の手際の良さ。
  • 代表曲:「Lay It Down」など(シングルとしてのインパクトとライブ受けの良さ)
  • コレクター注目点:ジャケットのデザインや副素材(歌詞カード、インナー写真)を完備した初版が人気。欧州や日本の初回プレスは音質面でも評価されることが多い。

Dancing Undercover(1986)— ポップ寄りの深化と議論

プロデューサー面や楽曲アプローチの変化により、よりポップ/AOR寄りの側面が前に出た作品。批評的には賛否が分かれることもありますが、バンドのレパートリーの幅を示す重要作です。

  • 聴きどころ:曲のフック、歌メロの強化。ライブでのアレンジとの差異も面白い。
  • コレクター注目点:この時期のシングル・カットやプロモ用特殊盤(7インチ、12インチ)はコレクションに彩りを与えます。

Reach for the Sky(1988)— 商業戦略と変化

80年代末のメタルシーンは変化していき、Rattも音像や作風に変化を迫られました。本作はその過渡期を映す作品で、時代背景を感じながら聴くと面白いアルバムです。

  • 聴きどころ:後期80sの制作意図、アレンジの凝り具合、当時のシングル戦略。
  • コレクター注目点:プロモ盤や国別仕様(英国盤、日本盤など)で収録曲やジャケットが微妙に異なる場合があるため、トラックリスト比較は必須。

Detonator(1990)— 転換点としての価値

90年代の幕開けとともにリリースされたこのアルバムは、バンドの音楽性や制作面における試行が見える作品です。商業的にはピークを過ぎるものの、ファン/コレクターには時代の変化を体現する記録として重要です。

  • 聴きどころ:楽曲の構造、過去作との比較で見える進化と屈折。
  • コレクター注目点:初回盤・限定盤(色違いヴィニール、シングルの別バージョン収録等)を押さえると年代の移り変わりが見えて楽しい。

その他の注目音源・コンピレーション

BEST盤やボックスセットは、未発表曲やデモ、ライブ音源をまとめたものがあり、Rattの創作過程やライブ・パフォーマンスの魅力を補完してくれます。特に初期デモやEPはバンド史を辿るうえで有益です。

聴きどころを深掘り:Rattの“音”の特徴

  • ツインギターの役割分担:リズム/リードの明確な分担と掛け合い(ハーモニーやユニゾン・リフ)が曲の骨格をつくる。
  • メロディの引力:ヴォーカル・ラインは非常にキャッチーで、コーラス処理が大きな武器。
  • プロダクション:80年代中期特有の音像(ギターのパンチ、明瞭なドラム、艶のあるコーラス)が楽曲を商業的に成立させた。

レコード(盤)選びのポイント(維持・再生ではなく“版”の見方)

  • オリジナル・プレス優先:音質・ヴィンテージ感ともに魅力的。アメリカ初回盤、日本初回盤(帯・ライナーノーツ有り)はコレクターに人気。
  • 海外盤と日本盤の比較:日本盤は帯や詳細な歌詞対訳・写真が付くことが多く、アートワークや資料性を重視するならおすすめ。
  • リイシューの価値:180gやリマスター盤は音のスケール感やノイズ処理が改善されている例があります。どのエンジニアがマスターしたかを確認すると違いがわかることも。
  • シングル/プロモ盤:非アルバム収録のB面や別ミックスはコレクション性が高い。プロモの特別ジャケット・ラベルは希少性を増します。

聴き方・楽しみ方の提案

  • 代表作を年代順に追い、サウンドの変化を味わう。80年代中期の“黄金期”とその前後の違いが見えてくる。
  • ギターのフレーズやコーラスの作りを部分的に聴き比べ、ツイン・ギターの役割やアレンジ上の工夫を確認する。
  • シングルやプロモ音源を拾うと、アルバム曲とは異なるミックスや編集の魅力を発見できる。

まとめ:どの盤から入るべきか

初めてRattに触れるなら、まずは「Out of the Cellar」と「Invasion of Your Privacy」を推奨します。ここでバンドの魅力の核(メロディ、ツインギター、キャッチーなコーラス)が最もわかりやすく出ています。その後、時代差・制作の変化を追って「Dancing Undercover」「Reach for the Sky」「Detonator」とたどると、バンド史と80sロックの潮流が見えてきます。

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参考文献